
『Urinetown』とは
2001年ブロードウェイで初演されたミュージカル。
作曲はMark Hollmann、作詞はHollmannとGreg Kotis、脚本はKotisによる。
今回は2025年にニューヨーク・シティー・センターのEncores!シリーズの一環で上演されたプロダクションを観劇した。
演出はTeddy Bergman。
あらすじ
20年間の旱魃のため極度の水不足に陥った、ある町が舞台。
トイレの利用は、巨大企業「Urine Good Company: UGC」が管轄する公衆トイレに限られ、その利用は有料で常に順番待ちの状態である。
Penelopeとその部下Bobbyは、公衆トイレのある一区画の管理を担当している。
ある日、Bobbyの父は我慢しきれず、立ちションの重罪を犯してしまい、「ユーリンタウン」に送られてしまう。
父のために何かできたのではないかと思い悩むBobby。
その後、BobbyはHopeと出会い、2人は恋に落ちるが、HopeはUGC社長令嬢であることが判明する。

キャスト
Bobby Strong Joshua Grosso
Caldwell B. Cladwell Rainn Wilson
Hope Cladwell Stephanie Styles
Penelope Pennywise Keala Settle
Little Sally Pearl Scarlett Gold
Officer Lockstock Greg Hildreth
Officer Barrel Christopher Fitzgerald
Mr. McQueen Jeff Hiller
Senator Fipp Josh Breckenridge
Old Man Strong / Hot Blades Harry Kevin Cahoon
感想
上演される機会の少ない隠れた名作ミュージカルを毎年リバイバル上演する、ニューヨーク・シティー・センターのEncores! シリーズ。今年は『Urinetown』『Love Life』『Wonderful Town』の3本でした。個人的にはcast recordingが現存しない幻のミュージカル『Love Life』を観たかったのですが、都合がつかず。『Urinetown』はこれまで日本でも上演されたことのある作品ですが、今回が初めての観劇でした。
▼Highlights
開演前に行ったトイレにもUrine Good Companyの貼り紙がありました。(お金を払う必要はありませんでしたが。)

オーケストラセンター前から2列目で観劇。開演の直前に主役のBobbyが予定されていたJordan Fisherではなく、understudyによって演じられることが発表されました。Jordan Fisherとは『Sweeney Todd』に引き続き、すれ違い。いつかまたの機会に、劇場で会えることでしょう。
▼開演前

警官が狂言回しとなり、孤児のLittle Sallyがそれに合いの手を入れる形で物語が進んでいくスタイル。冒頭で狂言回しによって、これはミュージカルであると明言されます。ブロードウェイ初演時、Little Sallyは20代女性の役者によって子ども風に演じられていて、大人が子どもを演じること自体が面白かったのですが、今回は中学生くらいの役と同年代の子役が演じていました。そのため、大人キャストが演技をして子どもが言いそうなトボけたことを言う面白さ、というのは今回なかったです。
Encores!シリーズは基本的にコンサート形式ということになっているので、舞台装置は簡素であることが多いですが、今回は旱魃で廃れた町が舞台なのでシンプルなセットで必要十分という印象でした。2階建構造のセットで1階に公衆トイレがあり、2階の奥にオケがいたかと思います。
この作品のベルティングの聞かせどころがPenelopeの歌う「It's a Privilege To Pee」。Kealaが持ち前の歌声を響かせていました。
▼「It's a Privilege To Pee」
Bobbyと恋に落ち、最終的に父に対抗するHopeをStephanie Stylesが好演していました。『Kiss Me, Kate』で観て以来ですが、いつか彼女の演じるGlindaを観てみたいと思っています。ヒロイン像の似合う役者さんです。
▼「Follow Your Heart」
アンサンブルにも芸達者な役者たちが集っていました。
Bobbyのunderstudyで、私が観た回で主演を務めたのはJoshua Grosso。突然の登板で緊張もあったのでしょうが、最も盛り上がるナンバー「Run, Freedom, Run!」の終盤で堪えきれず涙を流していました。彼の熱演に、このナンバーの後、少しショーストップして感動的でした。