『Spamalot』とは
2004年シカゴでプレミア上演され、2005年ブロードウェイで初演されたミュージカル。
映画『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975)』を基にしている。
作詞・脚本はEric Idle、作曲はEric IdleとJohn Du Prez。
今回は2023年にブロードウェイでリバイバル上演されたプロダクションを観劇した。
演出はJosh Rhodes。
あらすじ
アーサー王は従者パッツィーとともに円卓の騎士を探して旅をしていた。
アーサー王は湖の貴婦人からエクスカリバーを授けられ、英国王となっていた。
途中でガラハッドやベディヴィア、ロビン、ランスロットを円卓の騎士に迎える。
キャメロットに戻った王と騎士たちは、神の声を聞き聖杯を探す旅に出ることになる。
キャスト
King Arthur of Britain James Monroe Iglehart
The Lady of the Lake Leslie Rodriguez Kritzer
Sir Lancelot, The French Taunter, Knight of Ni, Tim the Enchanter Alex Brightman
Patsy, Mayor, Guard 2 David Josefsberg
Sir Robin, Guard 1, Brother Maynard Jonathan Bennett
Sir Dennis Galahad, The Black Knight, Prince Herbert's Father Nik Walker
Sir Bedevere, Dennis' Mother, Concorde Jimmy Smagula
Prince Herbert, Historian, Not Dead Fred, Baby, Nun, Mime, Minstrel, Bunny Ethan Slater
Sir Not Appearing Daniel Beeman
Sir Bors Denis Lambert
感想
ブロードウェイでは初めての再演となる『Spamalot』。2023年にケネディ・センターで上演されたプロダクションがブロードウェイにトランスファーした形となりました。
この作品を観るのは国内外通じて初めてでしたが、2023年に観た『Camelot』と同じアーサー王伝説を扱っているにも関わらず、かなり違うテイストで驚きつつ楽しく観ることができました。
▼trailer
▼開演前
オリジナルではアーサー王がティム・カリーとハリウッド・スターがメインを飾っていましたが、今回のプロダクションは最近のブロードウェイを彩る腕利きが勢揃いしたという印象。特に、多役を演じ分けたEthan Slaterと、『Beetlejuice』などでお馴染みのAlex Brightmanの2人が競い合うようにパフォーマンスしていました。
いわゆるアーサー王伝説をモンティ・パイソン風に面白おかしく書き換えて、ジョークのオン・パレード。ショー全体がギャグみたいな感じ。ジョークにはブロードウェイ・コミュニティに関するものや時事ネタまで多種多様でした。今回のプロダクションのために書き加えられたものとして聞き取れたのは、「ダニエル・ラドクリフが出演しているミュージカルが・・・」というHudson Theatredで上演中の『Merrily We Roll Along』を仄めかすような台詞であったり、ブロードウェイはユダヤ人のもの、というような内容のナンバーで、ユダヤ人の有名が列挙されていき、その最後にGeorge Santos*1の名前が出てきたり、といった具合です。
舞台装置に頑丈な城壁があるわけではなく、ペラペラの板でできた城風情があるのみで、背景の上部は液晶画面で映像が流れる仕様になっていました。最近、映像ばかりを流す舞台背景が増えていることに対して方々から苦言が呈されていますが、今回はこのチープな感じが作品と合っていました。それにしてもまあ、目が痛くなりそうなくらい派手でした。
▼休憩中
この作品を観るのが今回が初めてだったので、私自身は楽しめましたが、アメリカ国内ではこれまで地方で上演される機会がかなりあった作品ということもあってか、実際、空席が目立ちました。runの終焉は時間の問題かと思われます。
▼終演後