『MJ』とは
2022年ブロードウェイで初演した、マイケル・ジャクソンの人生を描いたジュークボックス・ミュージカル。
マイケル・ジャクソンが歌った楽曲で綴られている。
脚本はリン・ノッテージ。
トニー賞では10部門でノミネートされ、4部門で受賞した。
演出・振付はChristopher Wheeldon。
あらすじ
1992年、ツアー公演の準備をしているマイケルの元に記者が訪れインタビューを申し込む。
マイケルは記者から質問を受けながら、子ども時代を思い返す。
父から守ってくれた優しい母、ジャクソン5としての活躍、クインシー・ジョーンズとの仕事など。
インタビューの後、マイケルはツアーの売り上げの一部をチャリティーに当てたいと伝えるが、スタッフらは難色を示す。
その後もリハーサルの合間を縫って、マイケルはインタビュアーにアーティストとしての葛藤について語っていく。
キャスト
Michael Jackson Aramie Payton
Middle Michael Tavon Olds-Sample
Little Michael Christian Wilson
Jackie Jackson Blu Allen
Tito Jackson / Quincy Jones Harris Matthew
Jermaine Jackson Lamont Walker Ⅱ 『Hell’s Kitchen』
Marlon Jackson Zelig Williams
Randy Jackson Lloyd A. Boyd Ⅲ
Joe Jackson / Rob Apollo Levine
Katherine Jackson Ayana Jackson
Rachel Whitney Bashor
Alejandro Gabriel Ruiz
Berry Gordy / Nick Antoine L. Smith
Susanne de Passe Dasia Amos
Dave Kyle Robinson
感想
昨シーズンの作品ですが、ずっと機会を逃していました。
マイケル・ジャクソンの音楽は街中で聴くくらいで、そこまで興味はなかったのですが、脚本がリン・ノッテージということでドラマに期待して観にいくことにしました。
BOで購入しメザニン最前列から観劇しました。
▼trailer
▼観劇後の感想
8本目『MJ』見逃してきて遂に。パフォーマンスが圧巻なのは無論だけど、場面転換や曲の始まり方にアッと言わせる様々な仕掛けがあり、メザニン最前列からはよく見渡せて面白かった。親子愛に弱い私は開演早々「I’ll Be There」で号泣。replacementのstandbyと言えど卓越していて役者の層の厚さを実感。 pic.twitter.com/aQVJEAw2K0
— るん / Lune (@nyny1121) 2023年6月22日
お話はリハーサルからツアー初日までの数日間ですが、インタビューを通して幼少期からの人生も描かれ、小・中・大の3人の役者によってマイケルが演じられます。
これまでの大物アーティストのジュークボックス・ミュージカルと類似の形式ですが、この作品の魅力はやはりダンスと歌といったショーマンシップにあると思います。
私が観た回はすでにトニー賞主演男優賞を受賞したマイルズ・フロストは降板しており、replacementのさらにunderstudyが演じていましたが、それでもパフォーマンスは圧倒的でした。(マイルズ・フロストは2024年のロンドン公演のオリジナルキャストとして同役を続投する予定です。)
私はマイケル・ジャクソン自身のパフォーマンスについては断片的な映像以外で観たことがないので、マイケル・ジャクソン自身のファンがこの作品を観てどのように感じるのかは分かりませんが、ムーンウォークやアイコニックなスリラーの振付はそのまま模倣されていたようです。
▼「Beat It」
ドラマは彼のキャリアの変遷というよりは、家族との関係やアーティストとしてのキャリアに影響を与えた人々など、個人的な部分に焦点が当てられていました。
ダンサーを志すきっかけとなったフレッド・アステアやボブ・フォッシー。柔軟な身体を使いアクロバティックなダンスを披露していたニコラス・ブラザーズ。
ポップス界で伝説的な人が黄金期のミュージカル映画や舞台の関係者から影響を受けたのはかなり意外でしたが、だからこそ『ウィズ(1978)』へのカカシ役での出演を決めたのかもしれないとも思いました。
▼幕間の緞帳にはマイケルがノートに記した文字が模写されている。
あとは、音響が立体的で耳に心地よかったです。
▼「Smooth Criminal」