『私の夫は二人いる(1955)』とは
1955年のコロンビア・ピクチャーズによるミュージカル映画。
1919年のサマセット・モームによる戯曲Home and Beauty(のちの1923年『夫が多すぎて』Too Many Husbands)を基にしている。
音楽は既出曲。
監督はH・C・ポッター。
あらすじ
舞台女優のジュリーは、夫のマーティーが朝鮮戦争の最中に行方不明になったと知らされていたが、ある日突然マーティーが帰ってくる。
実はジュリーはマーティーはすでに亡くなっていると信じ、マーティーの同僚であるヴァーノンと結婚していたのだった。
そのことをマーティーに言い出せないジュリーだったが、親友のグウェンの勧めもあり打ち明ける。
その後、ジュリーはマーティーとヴァーノン2人と結婚している状態でも法的に問題ないことを知り、2人と結婚生活を送ろうと四苦八苦する。
一方、グウェンは密かにヴァーノンに憧れていた。
キャスト
ジュリー ベティ・グレイブル
ヴァーノン ガワー・チャンピオン
グウェン マギー・チャンピオン
マイク マイロン・マッコーミック
感想
ベティ・グレイブルが主演で、チャンピオン夫妻も出演するということで、これは観なければ!と思い観ました。
ミュージカル映画としては小作品で、音楽も既出曲のみではありますが、芸達者な4人の役者たちそれぞれの役者魂のぶつかり合いをみたような気がします。
▼trailerです。
サマセット・モームの戯曲にうまく既存曲を当てはめて作ったミュージカル映画という印象ですが、特徴としてはドリームバレエを多用している点です。
ジュリーが2人の男性を夫にして好き放題している想像をするシーンなど。
このベティ・グレイブルが男性をたぶらかす役柄というのは彼女の真骨頂なのではないかと思いました。
オリジナリティは低く、音楽的な面白みは少ないですが、やはりダンス、特にチャンピオン夫妻のダンスシーンは淀みなくseamlessでとても美しいです。
チャンピオン夫妻の共演映画は他にも『ショウ・ボート(1951)』などもあります。
音楽は「I've Got a Crush On You」や「Someone to Watch Over Me」、「How Come You Do Me Like You Do?」など。
『私の夫は二人いる(1955)』Three for the Show 米盤 2年ぶりに夫が妻の元へ戻ったが、彼女は夫は亡くなったと知らされ既に他の男性と結婚していて…というミュージカルコメディ映画。多用されているdream balletが見事。2人の男性を振り回すこの役はベティ・グレイブルの真骨頂かも。 pic.twitter.com/P2hgEkMLnt
— るん / Lune (@nyny1121) 2021年9月16日
彼女に「I’ve Got a Crush on You」なんかを歌われた日には何でも許してしまうはず。
— るん / Lune (@nyny1121) 2021年9月16日
Marge & Gower Champion夫妻のseamlessなダンスは本作でも見事。ダンスシーンのみみれば、主役を食っている感もあるほど。
Three For The Show https://t.co/pB7XlOrxuO @YouTubeより