『デュバリイは貴婦人(1943)』とは
1943年のMGMによるミュージカル映画。
1939年の同名の舞台ミュージカルを映画化したもの。
舞台版ではバート・ラー、エセル・マーマン、ベティ・グレイブルらが主演していた。
音楽は舞台版のコール・ポーター作曲のナンバーに何曲か加えられた。
監督はロイ・デル・ルース。
あらすじ
メイ・デイリーはナイトクラブの花形スターとして、デュバリイ夫人を演じ大好評を博していた。
クロークで働くルイとナイトクラブを仕切るアレクは、ともにメイに夢中だが、メイは大富豪と結婚すると固く心に誓っていた。
ある日、ルイは万馬券を当て、一夜にして大金を手にし、思い切ってメイに求婚する。
メイは内心アレクに心を惹かれていたが、アレクへの当てつけにルイの申し出を承諾しようとする。
ルイは恋敵であるアレクに睡眠薬を飲ませようと画策するが、誤って自分で飲んでしまい、深い眠りにつく。
夢の中で、ルイはルイ15世になり、デュバリイ夫人となったメイは、ブラックアローであるアレクに惹かれていることを知る。
キャスト
メイ・デイリー/デュバリイ夫人 ルシル・ボール
アレク・ホウ/ブラック・アロー ジーン・ケリー
ジニー ヴァージニア・オブライエン
チャーリー ラッグズ・ラグランド
ラミ ゼロ・モステル
ナイアガラ ルイーズ・ビーヴァース
トミー・ドーシー 本人
感想
レッド・スケルトン、ルシル・ボール、ジーン・ケリーの三角関係が描かれているミュージカル映画です。
レッド・スケルトンのコメディアンっぷり、ルシル・ボールの美しさ、ジーン・ケリーの安定したダンスを堪能することができました。
▼trailerです。
個人的な感想ですが、レッド・スケルトンの演技は、舞台だと丁度いいと思うのですが、映画だと少し大げさすぎるかなという印象を受けました。
しかし、体を張ってコミカルに演じていることはわかりました。
ルシル・ボールはやはり美しいですね。
彼女の歌は今まで通りほとんどが吹き替えられています(今回はマーサ・ミアーズ)が、一曲だけ彼女の実の歌声を聴くことができるナンバーがあります。
それが「Friendship」です。
このナンバーはコール・ポーターによる名曲ですが、舞台ミュージカル『Anything Goes』でもブロードウェイ再演では取り入れられています。
▼「Friendship」唯一ルシル・ボールが吹き替えなしで歌っているシーン
ジーン・ケリーは二枚目としての演技が素晴らしいですが、本作でも安定したダンスを披露しています。
元体操選手らしいアクロバティックな場面も盛り込みながら、軸がぶれない、素晴らしいダンスシーンとなっていました。
▼ジーン・ケリーのダンスシーン
Gene Kelly in Du Barry Was a Lady
個人的な感想ですが、舞台版とは異なり純粋なコール・ポーター作品ではなくなってしまっていたのがやや残念でした。
また、途中トミー・ドーシー一座の演奏シーンがあるのはいいのですが、ちょっと長めで、あまり作品とリンクしておらず、間繋ぎとしてはいただけなかったかなという感想を持ちました。