ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ジェイミー(2021)』Everybody's Talking About Jamie

The young stars of the upcoming film 'Everybody's Talking About Jamie'  share how it all started – The Columbia Chronicle

『ジェイミー(2021)』とは

2021年のミュージカル映画

2011年のドキュメンタリー映画を基にした、2017年にウエストエンドで初演された舞台ミュージカルを映画化したもの。

作曲はダニエル・ジーレスピー・セルズ、作詞はトム・マックレー。

監督はジョナサン・バタレル。

あらすじ

ジェイミーはサウスヨークシャーに住む高校生。

彼がゲイであることを支持してくれる母親とともに暮らしている。

将来の夢について考える授業で、ジェイミーはドラァッグ・クイーンになりたいと密かに思い、親友のプリティにだけそのことを打ち明ける。

その後、ドラァッグ・クイーンである舞台衣装貸屋のヒューゴに出会い、いろはを教えてもらったジェイミーはパブのショーに出るが、学校のいじめっ子ヒューゴらは野次を飛ばす。

ジェイミーの母親は彼がドラァッグをすることに賛成だったが、父親がジェイミーのジェンダーセクシャリティに関して否定的であることをまだ本人に伝えられていなかった。

ある日、父親の元を突然訪れたジェイミーは父親の本心に気づき、母親がこれまで嘘をついていたことに怒る。

学校ではプロムの準備が進んでおり、ジェイミーは自分の思う通りの衣装で参加しようとするが、ヘッジ先生はそのことに反対する。

キャスト

ジェイミー   マックス・ハーウッド

マーガレット(ジェイミーの母)   サラ・ランカシャー

プリティ   ローレン・パテル

レイ   ショナ・グラティ

ウェイン(ジェイミーの父)   ラルフ・イネソン

マスウッド校長   アディール・アクター

ディーン   サミュエル・ボトムリー

ヘッジ先生   シャロン・ホーガン

ヒューゴ/ロコ・シャネル   リチャード・E・グラント

若き日のロコ・シャネル   ジョン・マクレア

感想

ドラァッグ・クイーンを夢みる高校生ジェイミーの成長物語です。

主人公が基本的にpositiveな子なので、暗くなりすぎずに最後まで観られました。

▼trailer


www.youtube.com

舞台版との比較はできないので、推測での話になってしまいますが、映画化したことで、南ヨークシャーの田舎町であることが視覚的に強調されたのかなと思います。

台詞でも出てきますが「ここはサンフランシスコじゃないんだよ」ということ。

このミュージカルは実話を基にしていて、実際には今から10年以上前の話になるわけですが、現在2021年でもドラマ作品などではLGBTQ+について描かれることが増えたものの、地方では偏見が強いと感じます。

学校で疎外感を感じているプリティは医者を目指している子ですが、彼女もジェイミーとともに成長していく様子もよかったです。

高校生のお話なので、学校での学生たちの群舞もありました。

私は母親の歌うナンバー「He's My Boy」で号泣してしまいました。

やはり親子愛にめっぽう弱いのです。

ウェストエンドで上演されていることはずっと知っていて、日本でも2021年夏に初演され、気になってはいたのですが、舞台版はまだ観られていません。

新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたら(いつになることやら…)、ロンドンに飛んで観たいと思っています。

舞台版とは別でキャスティングされているのですが、舞台版の役者さんも一部出演しています。

例えば、舞台版のオリジナルキャストでジェイミーを演じた方が若き日のロコ・シャネルを演じています。