『アニー(1999)』とは
1999年のディズニーによるミュージカル映画。
1977年にブロードウェイで初演された同名舞台ミュージカルを映画化したもの。
1982年の同名映画に引き続き、2度目の映画化となった。
監督はロブ・マーシャル。
あらすじ
孤児院で暮らす少女アニーは、いつの日か両親が迎えに来てくれることを夢見ていた。
そんなある日、秘書のグレースによって、億万長者のウォーバックス宅に引き取られることになる。
当初、男の子を望んでいたウォーバックスだったが、快活なアニーと過ごすうちに考え方を変える。
ウォーバックスはアニーの両親さがしに乗り出し、報奨金まで用意するが、孤児院長のハニガンはそれを悪用することを思いつく。
キャスト
オリバー氏 ヴィクター・ガーバー
グレース オードラ・マクドナルド
ミス・ハニガン キャシー・ベイツ
ルースター アラン・カミング
リリー クリスティン・チェノウェス
モリー サラ・ハイランド
女優の卵 アンドレア・マッカードル
感想
1982年版に次ぐミュージカル『アニー』を映画化した作品です。
製作はディズニーなので、ディズニープラスで配信されています。(2021年9月現在)
▼trailerです
注目すべき点はオードラ・マクドナルドのグレース、ブロードウェイやニューヨークの街並みが映し出される「NYC」。
オードラ・マクドナルドといえばブロードウェイを代表する大女優ですが、彼女が歌うたびに鳥肌が。
グレースが歌う場面は少ないのですが、本作では「Maybe」のリプライズなど、彼女の歌唱シーンが多くなっています。
ミュージカルナンバーについては、1982年版と比べて舞台版が尊重されている印象を受けました。
1982年版のようにこの映画のために書き下ろされた新曲はありませんが、前作でカットされた部分が採用されていました。
特に1982年版ではカットされた「NYC」では実際のニューヨークの街並みやブロードウェイの劇場街や舞台シーンもあり見応えがありました。
ブロードウェイの舞台のシーンで、女優の卵(Star-To-Be)を演じているのは舞台版でオリジナル・ブロードウェイ・キャストとしてアニーを演じたアンドレア・マッカードルです。
オリジナル・ブロードウェイ・キャスト盤を初めて聴いた時、彼女の歌う力強くて伸びやかな「Tomorrow」に感動したのですが、本作でもその歌唱力を存分に発揮しています。
アニー役を演じたアリシア・モートンは、悪くはないのですが特筆すべきものがないというか、あえて書くとしたら「普通っぽさ」がいいのかもしれません。
演技は上手くないし(特に泣きの演技)、歌は可もなく不可もなく、どうして彼女に決まったのかよくわかりませんでした。
先に述べたアンドレア・マッカードルは歌、1982年版のアイリーン・クインは天性の愛らしさが売りでしたが、彼女にはそういったものがこれといってありませんでした。
時代が変わったためか、ディズニーによる製作だったためか、カラーブラインドキャスティングが目を引きました。
とはいえ、孤児の構成を見ると、アフリカ系アメリカ人の子1人、アジア系の子1人、ヒスパニック系の子1人、それ以外ホワイトといった具合でしたが。
また、ラストのアニーの両親騒動での一悶着が本作だと割とあっさりと済まされてしまい、1982年版のようなスリルは少なめでした。
ハニガンはやはり前作のキャロル・バーネットの強烈なメイクや演技が印象的すぎて、本作の方もいいのですがやや霞んでしまった感はあります。
ハニガンの弟ルースターとその彼女リリーは、アランとクリンティン。
この2人好きです。
トニー賞授賞式などでも組んでやっていたことがありますし、彼らはなんだかんだ仲良しなのではないかと思いますね。