『踊るニュウ・ヨーク(1940)』とは
1940年のMGMによるミュージカル映画。
「ブロードウェイ・メロディー」シリーズの4作目で最後の作品。
主な音楽はコール・ポーターが手がけている。
監督はノーマン・タウログ。
あらすじ
ジョニーとキングはダンスでパートナーを組んでいたが、キャリアは泣かず飛ばずで無給で働くこともあった。
ある日、キングはブロードウェイのスターであるクレアのダンスパートナーとしてスカウトされる。
しかし、実はこれはマネージャーであるボブの人違いで、本来はジョニーがスカウトされるはずだった。
ジョニーとキングはパートナーを解消するが、ジョニーはキングの仕事がうまくいくように手助けする。
クレアはジョニーの方がダンスが上手であることに気づくとともに、彼に恋をする。
初日、キングは酔っ払い、代役としてジョニーが出演することとなる。
キャスト
ジョニー フレッド・アステア
クレア エレノア・パウエル
キング ジョージ・マーフィー
ボブ フランク・モーガン
バート イアン・ハンター
エイミー フローレンス・ライス
エミー リン・カーヴァー
パール アン・モリス
ジャグラー トリクシー・フィルシュキ
感想
「ブロードウェイ・メロディー」シリーズの最終作、当時もトップを極めていたエレノア・パウエルとフレッド・アステアの競演を堪能できるミュージカル映画です。
▼trailerです。
「ブロードウェイ・メロディー」シリーズはそれぞれに良さがありますが、時代を経て映像技術が改善したことを抜きにしても、主演を飾る2人のダンスの技術力は本作が圧倒的で、その他の作品群を凌駕していると思います。
アステアといえばジンジャー・ロジャースですが、アステアとロジャースのペアは、2人ともダンスが達者ではあるけれど、なんだかんだ言ってアステアがリードして、ロジャースがリードされる側なんですね。
男役と娘役がはっきりしているといいますか。
でも、パウエルとアステアはまさに文字通り「競演」。
恋人同士というより競い合うライバル、戦友という感じなんですね。
アステアに対して、パウエルは全く引きませんし、そんなパウエルとのダンスを楽しんでいることもアステアの生き生きとした表情から読み取れます。
トップを極めた2人のダンサーの頂上決戦を観ているような気分になりました。
▼パウエルとアステアのダンスシーン
音楽の多くはコール・ポーターが手がけていますが、多くは既出曲です。
下の「Begin the Beguine」も元々は1935年の舞台ミュージカル『Jubilee』のために書かれた楽曲ですが、歌はなくオーケストレーションのみで、多面鏡を使ったセットでタップダンスが繰り広げられます。
▼「Begin the Beguine」
今回はトリデンテの報われない役を演じたジョージ・マーフィーですが、前作の『踊る不夜城(1938)』にもエレノア・パウエルと一緒に出演しています。
▼「Please Don't Monkey with Broadway」