『キャンプ(2003)』とは
アナ・ケンドリックやロビン・デ・ヘススのデビュー作となった。
監督はトッド・グラフ。
あらすじ
演劇のサマーキャンプに集まった高校生たちはそれぞれの思いを抱えていた。
プロムに女装姿で出席しようとして暴行を受けたマイケル。
容姿に自信が持てず、恋にためらいがちなエレン。
演劇をしている間は強迫症状が抑えられるヴラッド。
歌の上手なジルの影にいつも隠れているフリッツィ。
2週間ごとに1作品を上演するという過酷なスケジュールの中、彼らは交友を深めていく。
そのキャンプの指導者はバートという今では売れないミュージカル作曲家だった。
彼の音楽のファンだったヴラッドはそのことを本人に伝えるが、足蹴にされてしまう。
しかし、若者たちとの活動の中でバートの心も変わっていくのだった。
キャスト
ヴラッド ダニエル・レタール
エレン ジョアンナ・チルコート
マイケル ロビン・デ・ヘスス
フリッツィ アナ・ケンドリック
ジル アラナ・アレン
スピッツァー ヴィンス・リモルディ
バート ドン・ディクソン
感想
演劇を志す若者たちを描いた作品ということで、『フェーム』のような感じなのかしらと想像しながら、お友達に教えてもらって観てみました。
お話自体はまぁ何というか、特にヴラッドには共感できませんでしたが、音楽がやはりミュージカル好きにはたまりませんでしたね。
▼trailerです。
劇中では既存のミュージカルのナンバーが登場します。
行きのバスの中から、ミュージカル『Follies』の「Losing My Mind」を歌うなんて素敵すぎます。(大好きな曲です)
スティーヴン・ソンドハイムの『Company』からバート・バカラックの『Promises, Promises』まで幅広い作品から引用されていて、舞台ミュージカルファンの方も楽しめるのではないかなと思いました。
▼「Turkey Lurkey Time」ミュージカル『Promises, Promises』より
「Turkey Lurkey TIme」はほぼオリジナルに近い振付だったのではないかと思います。
この他にも良い曲が多いです。
そして、初々しいアナとロビンが何とも可愛らしかったです。
アナは『ピッチ・パーフェクト』シリーズなど、映画で日本でも有名ですが、13歳でミュージカル『High Society』でトニー賞助演女優賞にノミネートされており、ブロードウェイ上がりの方です。
ロビンはミュージカル『In the Heights』などのオリジナル・ブロードウェイ・キャストとして知られ、これまでトニー賞に3回ノミネートされていますし、最近だとブロードウェイでも上演されNetflixで映画化された『真夜中のパーティー』にエモリー役で出演しています。
▼アナの歌う「Ladies Who Lunch」(ミュージカル『Company』より)
ロビンもまだあどけなくて可愛かったです。
個人的には、ロビンの役柄が一番感情移入できました。
ミュージカル好きの方は往年のミュージカルを思い返しながら観られますし、ミュージカルに馴染みのない方でも音楽中心に楽しめると思いました。
そして、何よりスティーヴン・ソンドハイム自身が出演しているのには驚きました。
彼はどちらかというと内向的な方で、このような客演ってそんなに多くない人だと思うので、相当なレアケースだと思います。