『チップス先生さようなら』とは
ヒルトン作の有名な同名小説を基にした、МGМ製作のミュージカル映画。
1939年に同じ原作で一度映画化されているが、こちらはミュージカル映画ではない。
あらすじ
1920年代、イングランド南部にあるブルックフィールド・スクールに勤めるアーサー・チッピングは、独身で真面目な教育熱心の教師だったが、生徒の受けはあまりよくなかった。
ある時、イタリア旅行中、ロンドンに滞在した時、舞台女優のキャサリンと出会う。
その後、ポンペイで再会を果たした二人は急速に惹かれ合う。
彼らは結婚し、学校関係者は堅物教師の突然の結婚に目を丸くする。
キャサリンは、たちまち学校の人気者となるが、有力者のサタウィック卿の脅迫に遭うなど、風当たりも強かった。
この頃から、生徒たちからの評判も良くなり、次期校長の有力候補者にあげられるのだが…
キャスト
アーサー・チッピング ピーター・オトゥール
キャサリン ペトゥラ・クラーク
校長 マイケル・レッドグレーヴ
サタウィック卿 ジョージ・ベイカー
マックス マイケル・ブライアント
ウィリアム ジャック・ヘドレー
アーシュラ シアン・フィリップス
感想
心温まる作品でした。
イギリス的な(決してアメリカ的でない)音楽も素敵でした。
ストーリーがサクセスストーリーでもなく、とびきり明るいものではないので、
ミュージカル化しにくい部類のような気がします。
しかし、主役のピーター・オトゥールとペトゥラ・クラークの存在が、ほんわかした幸せな雰囲気を醸し出していました。
キャサリンをミュージカル女優とすることで、どうにかミュージカルシーンを盛り込もうと必死になっている感じもなくもありませんでしたが。
実際、ミュージカルっぽい曲はキャサリンが音楽劇中で歌い踊る「London is London」くらいで、
その他は、非常に落ち着いた(ややもすると、退屈気味の)楽曲が続きました。
この落ち着いた感じが、このストーリーにはとても似合っていたと感じました。
ドラマチックな展開はありませんが、
チップス先生の素朴な人柄や、キャサリンの愛情、2人のかけあいがとても微笑ましくて、
落ち着いた印象を受ける、ミュージカル映画となっていました。