『マイアミの月(1941)』とは
原作はStephen Poweyによる小説・戯曲『Miami』(のちに『Moon Over Miami』にタイトルのみ変更された。)。
音楽はLeo RobinとRalph Raingerによる。
タイトルナンバーはJoe BurkeとEdgar Lesileによるものだが、映画の中ではinstrumentalのみで歌われていない。
監督はウォルター・ラング。
あらすじ
キャサリンとバーバラのラティマー姉妹は、テキサスにあるドライブインレストランで叔母スーザンと一緒に働いていた。
55,000ドルの遺産額が税金などを差し引かれ、結局4,000ドルしか残らないことを知った彼らは、マイアミで億万長者を見つけて玉の輿に乗ろうと画策する。
キャサリンは裕福な家の令嬢、バーバラは秘書、スーザンはメイドに扮し、マイアミにある高級ホテルに宿泊する。
そこでキャサリンは大富豪の息子ジェフリーが主催するパーティーに潜り込むことに成功し、彼の大学の同級生であるフィルに出会う。
ジェフリーとフィルの2人からアタックされるキャサリンだったが、遺産が底をついてしまい、宿泊費が払えなくなってしまう。
キャサリンは知らず知らずにうちにフィルに惹かれていくが、フィルは現在一文無しであることをキャサリンに告げ、キャサリンは思わずフィルに結婚する目的はお金であることを話してしまう。
そこでフィルはキャサリンのため身を引き、ジェフリーと彼女を結びつけようとする。
キャスト
フィル・オニール ドン・アメチー
ジェフリー・ボルトン2世 ロバート・カミングス
バーバラ・ラティマー キャロル・ランディス
ジャック・オハラ ジャック・ヘイリー
スーザン・ラティマー シャーロット・グリーンウッド
感想
玉の輿を夢見て結婚詐欺を計画する姉妹のお話です。
例えお金目当てだったとしても、ベティ・グレイブルと結婚できるのだったら詐欺だなんて誰も思わないだろうなと思いますが、いかがでしょう。
『遙かなるアルゼンチン』にひき続き、ベティ・グレイブルとドン・アメチーのペアが主演のミュージカル映画です。
ドン・アメチーは何というか、少し悪っぽい感じ(ちょいワルと言うのでしょうか)がセクシーだなと個人的に思います。
心躍るミュージカルナンバーがたくさんあり楽しめました。
やはり1930〜1940年代のミュージカル映画は最高だなと思わせてくれる一作です。
▼trailerです。
いつものことながら、本作でもベティ・グレイブルがとっても可愛いです。
歌って踊って演じていますが、今回はタップの振りが多かった印象があります。
▼「You Started Something」
映画『オズの魔法使』のブリキ男役などで知られるジョン・ヘイリーもホテルの執事役として出演しています。
姉妹の叔母であるシャーロット・グリーンウッド演じるスーザンと恋仲になるという役柄。
シャーロット・グリーンウッドは映画『オクラホマ!』のエラおばさん役としても知られています。
そんな2人が歌う「Is That Good?」は恋する気持ちを表した小気味いいナンバーです。
▼「Is That Good?」
大人数でのコンガのシーンも壮観です。
▼「Kindergarten Conga」
キャサリンの妹バーバラの憂いを帯びた控えめな表情が姉とは対照的でとても良かったです。
姉が太陽だったら妹は月という感じで、もしどちらも太陽タイプだったらくど過ぎてしまっただろうなと思います。
そういう意味でキャロル・ランディスの演技に拍手を送りたいです。
正直、終盤が何だかなぁというところもありましたが、全体通してミュージカルシーンの尺も満足できるものでミュージカル映画好きとしては観て良かったです。