
『A Wonderful World: The Louis Armstrong Musical』とは
2021年マイアミでプレミア上演され、2023年シカゴ公演を経て2024年ブロードウェイで初演された、ルイ・アームストロングの伝記ジュークボックス・ミュージカル。
ルイ・アームストロングがパフォーマンスしたことのある、縁のある楽曲が使われている。
演出はChristopher Renshaw。


あらすじ
1970年代を生きるルイが自身の人生を振り返り、生まれ故郷のニューオーリンズで過ごした若い日にタイムスリップする。
ミュージシャンとしてのキャリアを築いていくシカゴ時代に次ぎ、映画界に進出する1930年代、そして終のすみかとして愛したニューヨーク。
ルイのミュージシャンとしての人生とともに、4人の妻との関係を描く。

キャスト
Louis Armstrong James Monroe Iglehart
Daisy Parker Dionne Figgins
Lil Hardin Jennie Harney-Fleming
Alpha Smith Kim Exum
Lucille Wilson Darlesia Cearcy
King Joe Oliver Favin Gregory
Fate Marable Dewitt Fleming Jr.
Mr. Karnofsky / Joe Glaser Jimmy Smagula
Band Members Brandon Louis Armstrong, Willie Clyde Beaton Ⅱ, Ronnie S. Bowman Jr., Brett Sturgis
Professor Davis Brandon Louis Armstrong
Banjo Ben Eeean S. Cochran
White Gangster/Crooner/Larry The Reporter Matt Magnusson
Director Tally Sessions
Lincoln Perry Dewitt Fleming Jr.
Sound Engineer Tally Sessions

感想
ルイ・アームストロング、またの名をサッチモ。ミュージカル好きとしてはミュージカル映画『ハロー・ドーリー!(1969)』や『上流社会(1956)』でのパフォーマンスで知っていただけで、今回初めて彼の半生について知りました。
今回の観劇の前に、クイーンズのコロナにあるルイ・アームストロングの家を訪れました。家の前には博物館があり、予約をすると家の中のツアーにも参加でき、おすすめです。トランペット吹きの方はご自身のマウスピースを持参すると、ルイ・アームストロングが実際に使用していたトランペットを演奏することができるそうです。
▼「The Louis Armstrong House Museum」の公式サイト
▼本作に関する報道
たまたま月曜日のソワレを見つけて予約。オーケストラ席サイドで観劇しました。
▼開演前

主演は『Aladdin』のオリジナル・ブロードウェイ・キャストとしてジーニー役でトニー賞を受賞したJames Monroe Iglehart。ヘアスタイルなどの容姿だけでなく、歌声もルイに似せていました。これまでJamesのパフォーマンスは何度か観ていますが、あまりにイメージが違っていたので驚きました。トランペットも実際に彼が吹いているように見えましたが、どうでしょう。
ルイは幼少期、ニューオーリンズで育ち、ユダヤ人の家で仕事をしているうちに音楽的な素養を培い、小さい頃からantisemitismを目の当たりにしてきましたが、そういったことは本作では描かれませんでした。主に描かれているのはキャリアに加えて、4人の妻との関係性です。前の結婚にケリをつけずに付き合っているなど、優柔不断なルイですが、基本的に妻の尻に敷かれているような優しい男性として描かれていました。2人目の妻とは離婚後も長く友好関係を保っていたそうです。上記のクイーンズにある家は4人目の妻とともに最期まで暮らしていた場所ですが、そこに2人目の妻も遊びに来ていたというエピソードもあります。
同じくblackの友人が理不尽に捕まったり、ハリウッドでblackらしい役回りしか与えられなかったり、と人種差別に直面する姿も描かれていました。
「Avalon」や「It Don't Mean a Thing」、「Oh, When the Saints Go Marching In」、「Hello, Dolly!」、「What a Wonderful World」など、聞き馴染みのあるナンバーが続きました。全曲がルイが初めてオリジナルで発表した楽曲ではなく、カヴァー曲も多くあり、「Avalon」などでのアンサンブルによるダンスも見応えがありました。