ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『Buena Vista Social Club』2023.11.25.20:00 @Linda Gross Theater

f:id:urara1989:20240111134043j:image

Buena Vista Social Club』とは

2023年にオフ・ブロードウェイのアトランティック・シアターで初演されたジュークボックス・ミュージカル。

音楽はブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブによる。creative consultantにDavid Yazbek。

脚本はMarco Ramirez。振付はPatricia DelgadoとJustin Peck。

演出はSaheem Ali。

あらすじ

舞台は1996年、キューバハバナ

楽家たちがスタジオに集まり、かつてのナンバーを再度レコーディングしようとしている。

メインボーカルを務めるはずのOmaraの姿はすでに国民的大スターになっていた。

プロデューサーのJuanは彼女を説得してバンドに招き入れるが、彼女は音楽に納得せずうまくいかない。

Omaraは若き日に、Haydeeと姉妹デュオを組んでいたことを思い返す。

ナイトクラブでHaydeeと歌っていた日々は楽しかったが、スカウトされたのはOmaraだけだった。

成功を手にするたび、Omaraは多くの別れを経験し、その背景でキューバ政権は大きな変革の時を迎える。

f:id:urara1989:20240111134108j:image

キャスト

Omara    Natalie Venetia Belcon

Ibrahim    Mel Semé

Ruben    Jainardo Batista Sterling

Young Omara    Kenya Browne

Young Haydee    Danaya Esperanza

Young Ibrahim    Olly Sholotan

Young Ruben    Leonardo Reyna

Young Compay    Jared Machado

Eliades    Renesito Avich

Juan De Marcos    Luis Vega

感想

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブは、アメリカ人音楽家ライ・クーダーキューバを旅した時に一緒にセッションしたミュージシャンたちと結成したバンド。

この作品は、彼らの音楽を使ったジュークボックス・ミュージカルとなっています。

creative consultantにミュージカル『The Band's Visit』などで知られる音楽家David Yazbekの名が記されていて、そう言われればユニゾンしたところなど、ふと『The Band's Visit』がフラッシュバックしたような覚えも。

上演台本は英語であるものの、ミュージカルナンバーは原曲と同じくスペイン語で歌われるため、スペイン語を話さない自分のような者にとっては歌の内容が理解できないのですが、それまでの話の流れや曲調からおおよそ意味を推測して楽しむことができました。(でも、字幕があっても良かったな。)

ミュージカルナンバーは「Chan Chan」「El Cuarto de Tula」「Veinte Años」「Drume Negrita」など。

床面の絨毯を含めて、赤を基調とした鮮やかな舞台セット。

バンドは舞台の中程〜やや後方で左右方向に長く配置していました。

演技がメインになる時は、バンドメンバーは左右の椅子に腰掛けるスタイル。


f:id:urara1989:20240111134118j:image

f:id:urara1989:20240111134135j:image

大筋はグループで唯一スター歌手として大成したOmara(実在のオマラ・ポルトゥオンドがモデル)が、成功と引き換えに姉妹や恋人Ibrahim(実在のイブラヒム・フェレールがモデル)と離れ離れになるものの、40年の月日を経てバンド仲間と再会し音楽を奏でるというもの。

このお話は事実とは異なる部分が多くあるので、これまでに多く作られたアーティストの伝記的なジュークボックス・ミュージカルとは言えないようです。

振付にニューヨーク・シティ・バレエのJustin Peckの名前があったので、どのような振りになるのか気になっていたのですが、キューバ的なエネルギッシュなダンスを基本として、姉妹が踊るシーンなど部分的にバレエの要素を入れている感じでした。

演奏するバンドメンバーに加えて、1950年代のシーンではクラブで大人数で踊るため、舞台上はかなり混み合っている印象で、お話も2つの時代をまたいで進行するためかなり目一杯でした。

歌の内容を理解できればまた違ったのかもしれませんが…パフォーマーたちの熱気を感じられただけでも力をもらえて良かったです。

f:id:urara1989:20240111134145j:image