『ラ・ラ・ランド(2016)』とは
2016年のミュージカル映画。
作曲はジャスティン・ハーウィッツ、「Start a Fire」以外の作詞はベンジ・パセックとジャスティン・ポールが担当した。
監督はデミアン・チャゼル。
ゴールデン・グローブ賞7部門受賞、アカデミー賞は6部門で受賞した。
あらすじ
舞台はロサンゼルス。
女優を目指すミアはカフェで働きながらオーディションを受け続ける毎日。
一方、ジャズピアニストのセブはいつか自分の店を持って愛するジャズを演奏することを夢見ながら、歴史ある名店でピアニストとして働いている。
しかし、言われた通りの音楽を弾くことに辟易し、ある日店をクビになってしまう。
その日、たまたま通りすがりで店に立ち寄ったミアは、セブの演奏に魅了されるが、クビになったことで苛立っていたセブとはすれ違ってしまう。
その後、偶然再会した2人はお互いの夢を語るうちに、徐々に距離が縮まっていく。
キャスト
ミア・ゴードン エマ・ストーン
セバスチャン(セブ )・ワイルダー ライアン・ゴズリング
キース ジョン・レジェンド
ローラ ローズマリー・デウィット
トレイシー キャリー・ヘルナンデス
アレクシス ジェシカ・ローテ
ケイトリン ソノヤ・ミズノ
ビル J・K・シモンズ
グレッグ フィン・ウィットロック
デヴィッド トム・エヴェレット・スコット
ミアの母 ミーガン・フェイ
感想
映画館で公開当時、観ることができました。
チャゼル監督については師弟関係を描いた『セッション』のスピード感のある作風が好きで、最初はミュージカル映画とききたいそう驚いたのですが、彼は古き良き時代のミュージカル映画、例えばアステアやロジャースが主演した作品から、もう少し若い作品だとジャック・ドゥミとミシェル・ルグランによる『シェルブールの雨傘』などのフレンチミュージカル映画に至るまで、子どもの頃からミュージカル映画の大ファンだったそうです。
本作はチャゼル監督のミュージカル映画愛が随所で炸裂しており、普段ミュージカル作品を見る機会が少ない若い方達には新鮮に映るでしょうし、往年のミュージカル映画ファンにとっては数々のオマージュを感じ取ることができる作品となっています。
▼trailerです。
La La Land (2016 Movie) Official Trailer – 'Dreamers'
冒頭のカーラジオから流れるチャイコフスキー作曲の「1812」*1からして、チャゼル監督にややフランス贔屓な印象を受けたのは私の思い過ごしでしょうか。
作中の衣装は往年の作品を思わせるような黄や赤といった原色をメインで用いていますが、それとは対照的に背景に用いられるのは紫や星空といった、とても美しくdreamyな色合いであり、まさに「ラ・ラ・ランド」です。
監督は主演のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングの2人に、ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアのようにしたかったと言っていますが、あくまで「アステア&ロジャース風」なのであり、ダンスに関しては全く彼らに及ぶものではありません。
しかし、ミュージックビデオをただ繋げたような、ライトなミュージカル映画が多い昨今、本作の主演はストーリーの流れの中で歌を入れるという点で非常に素晴らしかったと感じました。
もちろん監督、クリエイティブ陣の手腕によるところもあるのでしょうが、観客の多くはミュージカルと意識する間も無く、ストーリーに没入することができたのではないでしょうか。
蛇足ですが、男女の恋愛で「お互いに愛しながらキャリアなどの他の要因で別れを選ぶ」という作品では、個人的に、あらすじという観点ではバーブラ・ストライサンドの『追憶』が一番好きですが、優美さという点では本作もそれに匹敵する作品となりました。
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