ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『踊る不夜城(1937)』Broadway Melody of 1938

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『踊る不夜城(1937)』とは

1937年のMGMによるミュージカル映画

「Broadway Melody」シリーズとしては3作目。

ジュディ・ガーランドクラーク・ゲーブルへの憧れを歌う「You Made Me Love You」のシーンは、その後の主演シリーズ作、『オズの魔法使』の主演起用に繋がった。

監督は、ロイ・デル・ルス。

あらすじ

馬の調教師であるサリーは、ソニーとピーターと友達になる。

ソニーとピーターは、サリーがかつて調教していた馬の世話をするために雇われていた。

その馬の体調を気遣い、ニューヨークまで運ばれる道中、船に忍び込む。

警備員に見つかってしまい、ソニーたちがうまくかばってくれるが、その時に芸能エージェントのスティーヴと出会う。

ティーヴはサリーのダンスの才能に気づき、ニューヨークで主演としてショーに出演してほしいと彼女に出演依頼する。

一方、スティーヴの芸能事務所には毎日大勢の芸能志望者が押しかけており、クレイトン夫人は娘のベティをスティーヴに売り込もうとするが、なかなか会うことができない。

様々な思惑が交錯する中で、サリーはスティーヴのことを思って主演を降りようとするが、果たして公演は成功するのか。

キャスト

ティーヴ・ラリー ロバート・テイラー

サリー・リー エレノア・パウエル

ベティ・クレイトン ジュディー・ガーランド

ピーター・トロット バディ・エブセン

アリス・クレイトン ソフィー・タッカー

ソニー・レッドフォード ジョージ・マーフィー

キャロリン・ウィップル ビニー・バーンズ

ハーマン・ウィップル レイモンド・ウォルバンレイモンド・ウォルバン

ダフィー ロバート・ベンクリー

感想

「Broadway Melody」シリーズの中でも、人気の高い作品です。

『ザッツ・エンターテイメント』の中にもジュディ・ガーランドの歌う「You Made Me Love You」は登場するので、部分的にご存知の方も多いと思います。

ようやくこの作品が日本でディスク化されたため、観てみることにました。

 

  ジュディ・ガーランドによる「You Made Me Love You(I Didn't Wanna Do It)」


'DEAR MR GABLE' - ( 'YOU MADE ME LOVE YOU' ) sung by JUDY GARLAND.

若き日のジュディ・ガーランドの可愛らしいシーンですが、この時にはすでに、当時白人にしては珍しかった爆発するような歌唱力を持っていることがわかります。

また、本作はジュディの飛躍のきっかけとなった作品ではあるのですが、それ以上に今回の鑑賞で印象に残っていのがエレノア・パウエルのタップダンスシーンです。

「タップの女王」の異名をとった彼女のタップダンスには度肝を抜かれました。

これまで女性ダンサーでタップといえばアン・ミラーだったのですが、エレノア・パウエルは、アン・ミラーの素早いタップとはまた違って、速さに関係なく優雅にタップを踏むんですね。

特に、終盤での長尺のタップシーンは、トップハットに燕尾服のアステアを彷彿とさせるスタイルで、周囲の男性ダンサーを圧倒し、圧巻のperformanceを繰り広げていました。

エレノア・パウエルのタップシーン


Eleanor Powell - Broadway Melody (dance, finale)

全体を通じてですが、本作での恋愛の主軸はスティーヴとサリーに置かれていますが、実際にはソニーもサリーに気持ちを寄せているのではないかなと感じました。

実際、スティーヴはソニーに対してサリーが好きかと問いかけるシーンがあり、ソニーは言葉を濁しています。

最終的にはサリーが幸せになるハリウッドらしいエンディングなのですが、個人的には友人としてしか見られなくてもサリーを陰ながら支え続けるソニーに、より感情移入してしまいました。

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