『ストライク・アップ・ザ・バンド(1940)』とは
1940年のMGMによるミュージカル映画。
ジュディ・ガーランドとミッキー・ルーニーのコンビの主演作シリーズの一つ。
タイトルナンバーはジョージ・ガーシュウィン作曲、アイラ・ガーシュウィン作詞。
それ以外の新曲はロジャー・エデンやアーサー・フリードが手がけている。
監督はバズビー・バークレー。
あらすじ
リバーウッド高校に通うジミーは、オーケストラ部でドラムを担当していたが、いつか自分のオーケストラを持ち、自作の楽曲を披露することを夢見ていた。
親友のメアリーとともに、学校にダンスバンドを結成してはどうかと校長に掛け合う。
その演奏会が行われると大成功のうちに終わり、学校の抱えていた負債は返済できた。
その後、転校生の誕生会で偶然出会った、有名な指揮者ポール・ホワイトマンの提案で、全米高校生バンド大会に出場することになる。
喜ぶジミーたちだったが、必死で工面した旅費を、友人の緊急手術のために全額使うことになる。
果たしてバンドは大会に出場し、優勝することができるのか。
キャスト
ジミー・コナー ミッキー・ルーニー
メアリー・ホーデン ジュディ・ガーランド
ポール・ホワイトマン 本人
バーバラ・モーガン ジューン・プライサー
フィリップ・ターナー ウィリアム・トレイシー
ウィリー・ブリュースター ラリー・ナン
アニー マーガレット・アーリー
コナー夫人 アン・シューメーカー
感想
ジュディ・ガーランドとミッキー・ルーニーのコンビ主演シリーズの初期の作品です。
このシリーズは大のお気に入りですが、公開年がちょうど大戦と被っているため、日本ではあまりDVD化されていません。
個人的には、ジュディ・ガーランドの最も麗しい時期はこのコンビ時代だと思っています。
おそらく国内では公開されていないため、邦題を見つけることができませんでしたが、もし勝手につけさせてもらえるなら、『バンドを響かせて』もしくは『バンドしようぜ』みたいな感じでしょうか。
本作で、ミッキー・ルーニーは夢に一直線だけれど幼馴染の恋心には気づかない少年を好演しています。
ドラムさばきは吹き替えではなく、彼自身が叩いているのではないかしら。(詳しく知りませんが、実に見事です。)
ジュディ・ガーランドの演じる、密かに幼馴染を想い続ける健気な少女も素敵です。
▼trailerです。
Strike Up The Band (1940) Official Trailer - Judy Garland, Mickey Rooney Movie HD
ガーシュウィン兄弟のタイトル曲よりも、「Our Love Affair」「Do the La Conga」「Drummer Boy」などが耳に残りました。
▼「Our Love Affair」
Judy Garland Stereo - Our Love Affair Pt. 1 - Mickey Rooney - Strike Up The Band
ミッキー・ルーニーのshowmanshipに、ジュディ・ガーランドの可憐さ。
それぞれの最高潮なのではないかと思わせるperformanceでした。
▼「Drummer Boy」
Judy Garland - Drummer Boy (Strike Up The Band, 1940)
またジュディの恋敵を演じるのが、このシリーズではおなじみのジューン・プライサーですが、本作でも柔軟な身体を使った新体操のようなアクロバティックな演技を披露しています。
何度観ても思いますが、この方は憎まれ役の表情の作り方がとてもうまいですね(褒め言葉です)。
描写はやや愛国主義的な面もなくはありませんが、戦時色は決して強くなく、安心して観ることができました。