『青い鳥(1976)』
原作はメーテルリンクの同名の童話劇。
音楽はアーウィン・コスタル(アメリカ)とアンドレイ・ペトロフ(ロシア)による。
監督は『マイ・フェア・レディ』の監督としても知られるジョージ・キューカー。
あらすじ
兄妹のチルチルとミチルは、夢の中で魔女の姿の光の女王に出会い、病気の子のために青い鳥を探す旅に出る。
過去や未来、欲望や闇の世界を旅し、青い鳥を見かけるものの、カゴに入れているといつのまにか死んでしまったり、色が変わってしまったりする。
しかし、結局のところ、幸せの青い鳥は身近な場所にいたのだった。
キャスト
光の女王/母/魔女/母の愛 エリザベス・テイラー
贅沢 エヴァ・ガードナー
猫のタイレット シシリー・タイソン
時 ロバート・モーリー
父 レオニド・ネヴェドンスキー
樫の木 ハリー・アンドリュース
チルチル トッド・ルッキンランド
ミチル パッツィー・ケンジット
祖父 ウィル・ギア
祖母 モナ・ウォッシュボーン
犬のタイロ ジョージ・コール
パン リチャード・ピアーソン
ミルク マルガリータ・テレコヴァ
水 ヴァレンチーナ・ガニバロヴァ
火 ユージーン・シュシェルバコフ
青い鳥 ナデズダ・パヴロワ
弟 グラント・バーズリー
ピエロ オレグ・ポポフ
感想
エリザベス・テイラーやエヴァ・ガードナーなどのハリウッドの大物女優たちと、ロシアのバレエダンサーたちが出演する、バレエが中心のミュージカル映画です。
ミュージカル映画としては歌唱シーンは少なめです。
原作であるメーテルリンクの言わずと知れた名作にあるように、登場するのは抽象化された存在であり、それらがバレエを中心としたダンスで見事に表現されていると感じました。
パンや犬、猫などは着ぐるみや被り物で表現されています。
また、数々の名作映画に出演してきた大物俳優たちが、子どもたちのために熱演しています。
主演の子役2人も可愛らしく、情感豊かで素晴らしいです。
ただ残念ながら、映画としては原作の感動を表現し尽くせているとは言えないものでした。
▼作中の数少ない歌唱シーン
Scenes D' Art 1976 The Blue Bird Real George Cukor
キューカー監督を悪く言いたくはありませんが、これはキャストの問題ではなく、総指揮やクリエイティブ陣の問題だと思います。
コンセプトもいいですし。
アメリカとソ連の初の合作映画ということで、両者のスタッフやキャスト間で、言語の違い、文化の違いを乗り越えるのに大変難渋したそうですが、その息苦しさがそのまま映像に表れてしまっている気がします。