『踊るアメリカ艦隊(1936)』とは
1936年に公開されたMGMによるミュージカル映画。
ほとんどのミュージカルナンバーの作詞・作曲はコール・ポーター。
1934年に初演されたミュージカル『Anything Goes』の中で使われている「You'd Be So Easy to Love」が、作中で使用されている。
この作品のために書かれた「I've Got You Under My Skin」はアカデミー賞歌曲賞にノミネートされた。
監督はロイ・デル・ルース。
あらすじ
ノーラはニューヨークでダンサーの仕事を探しているが、なかなか見つからず途方に暮れていたところ、ジェニーに出会い、彼女の家に借り住まいさせてもらうことになる。
ジェニーには出征中の海兵の夫との間に娘がいたが、まだ夫には娘の存在を伝えていない。
一方、ジェニーの夫であるガニーは兵役を終え、友人のテッドやペピーとともに妻に会いに行くものの、ジェニーはガニーの顔を忘れてしまっている。
ノーラはテッドと出会い、恋に落ちる。
その後、海軍を訪問した女優ルーシーの愛犬を救った縁で、テッドはルーシーに目をかけられるようになる。
舞台公演の宣伝のため、テッドとルーシーが密会していると新聞に報道させ、それをみたノーラは落ち込む。
舞台に出たいと願うノーラのために、テッドはルーシーの出演する予定の舞台にノーラの出番を作るようプロデューサーに直談判するが…
キャスト
ノーラ エレノア・パウエル
テッド ジェームズ・ステュアート
ルーシー ヴァージニア・ブルース
ジェニー ウーナ・メルケル
ガニー シド・シルヴァー
ペピー フランセス・ラングフォード
ディングビー大佐 レイモンド・ウォルバーン
マッケイ アラン・ダインハート
マッシュ バディ・イブセン
感想
タップダンスの女王の異名を持つエレノア・パウエルの初の主演映画です。
コール・ポーターの楽曲とともに彼女のタップダンスを楽しむことができました。
また、ミュージカルのイメージは全くないですが、後年、数々の名作に出演したジェームズ・ステュアートが吹き替えなしで歌っている最初の作品でもあります。
▼trailer
見どころはエレノア・パウエルのタップダンスに尽きます。冒頭と大団円にある、長尺のダンスシーンでは高速の連続ターンと柔軟性を発揮したタップシークエンスを披露しており、圧巻です。
大団円では、軍艦を模したセットで軍服姿のパウエルが大勢のダンサーを引き連れて踊ります。
ジェームズ・ステュアートも意外とソロで歌いますし、最初の方でタップを踏むシーンもあります。
コール・ポーターによる「Easy to Love」や「I've Got You Under My Skin」はとてもロマンティックに作品を彩っていました。
エレノア・パウエルの歌唱部分は、マージョリン・レインによって吹き替えられています。