『ヒット・パレード(1948)』とは
1941年の映画『教授と美女』をミュージカル映画としてリメイクしたもの。
多くの著名なジャズミュージシャンが出演している。
監督はハワード・ホークス。
あらすじ
フリスビー教授を含む7人の見識者たちは、予算不足の中、音楽史事典を編纂していたが、長いこと家の中に閉じこもっていたため、最近の音楽事情には疎くなっていたことに気づく。
フリスビーはナイトクラブなどに出向き、ジャズやブルースなどの音楽に出会い、多くの音楽家と知り合い、彼らに教えを乞う。
ナイトクラブの歌手ハニーの歌に感動したフリスビーは彼女にも名刺を渡すが、ハニーは自分を追っている検事と勘違いし、その場では軽くあしらう。
ハニーは恋人のトニーが殺人事件の容疑者にあがったことから、召喚される恐れがあったのだった。
行き場を失ったハニーは仕方なく、名刺を頼りにフリスビーの元を訪れ、無理やり居座る。
フリスビーはハニーに惹かれていき、プロポーズまで申し込むが、ハニーには全くその気がなく・・・。
キャスト
フリスビー教授 ダニー・ケイ
ハニー ヴァージニア・メイヨー
マーゲンブラッチ教授 ベニー・グッドマン
トウィングル教授 ヒュー・ハーバート
トニー・クロウ スティーヴ・コクラン
ガーキコフ教授 フェリックス・ブレサール
(以下、本人役としての出演)
トミー・ドーシー
チャーリー・バーネット
メル・パウエル
ルイ・ベルソン
感想
ダニー・ケイが主演の映画ですが、脇を固める布陣の個性が強すぎて、いつもの彼らしさは影を潜めている、そんな作品です。
ミュージカル映画に分類されますが、いわゆるミュージカルシーンというより、むしろジャズの演奏シーンこそ本作の見どころと言えます。
特にジャズ好きな方にお勧めしたいです。
▼trailerです。
ジャズにそこまで詳しくない私でも知っているサッチモやベニー・グッドマンが出演しています。
ベニー・グッドマンは本人役ではないので、楽譜を差し出されたシーンで、「ベニー・グッドマンなら演奏できる」と言われ、「ベニー・グッドマンって誰?」と返していたのが面白かったです。
ヨーロッパや中米などを経てアメリカでジャズ音楽が発展していった過程を「遠き山に日は落ちて」のメロディーで表したシーンは圧巻でした。
観てから知りましたが、7人の堅物教授たちと1人の美女という構図は「白雪姫」を模したもののようです。
ダニー・ケイの相手役のヴァージニア・メイヨーは、立派な体格というか、妖艶な雰囲気があり適役でした。