『ダニー・ケイの天国と地獄(1945)』とは
アカデミー視覚効果賞を受賞している。
作曲はレイ・ハインドルフ。
監督はH・ブルース・ハンバーストーン。
あらすじ
エドウィンとバジーは一卵性双生児で外見は瓜二つだが、全く異なる性格の持ち主。
バスターは「ペリカンクラブ」というナイトクラブでコメディアンをしていた。
一方、エドウィンは毎日図書館で歴史書を執筆する真面目なタイプ。
お互いに10年以上顔を合わせていなかった。
ある日バスターは殺人現場を目撃してしまったために、その殺人犯の一味に殺されてしまう。
エドウィンは意中のエレンに近づきたいため、女性恐怖症を克服しようとしていたが、突然聞こえてくる音楽に引き寄せられるようにバスに乗り、ある公園に辿り着く。
そこでバスターと久々に再会するが、彼は幽霊になっていた。
バスターはエドウィンの体にのり移り、エドウィンをコメディアンとして働かせようとする。
しかし、殺したはずの男が舞台にいることでナイトクラブは大騒ぎになる。
また、バスターの婚約者も彼の性格の変化に周囲は戸惑うばかり。
キャスト
エドウィン・ディングル/バスター・ディングル(バジー・ベルー) ダニー・ケイ
エレン・スタンリー ヴァージニア・メイヨー
ミッジ・マロン ヴェラ・エレン(歌唱はジューン・ハットン)
モンテ・ロッスン ドナルド・ウッズ
シュミット S・Z・サカール
感想
この作品では、ダニー・ケイが1人2役、しかも正反対の性格を持つキャラクターをユーモラスに演じています。
死んだ双子の一方がもう一方にのり移って繰り広げられるドタバタコメディーです。
この作品中にも、動物の鳴き真似など、ダニー・ケイのコメディアンとしての才能が垣間見られるシーンがいくつもありました。
ミュージカル映画としては音楽的な面白さというより、ダニー・ケイのコメディーセンスとヴェラ・エレンのダンスで持っている作品という印象でした。
▼clipです
ナイトクラブでコメディアンをしているバジーの相手役はヴェラ・エレンが演じました。
彼女は歌える人ですが、落ち着いた歌声の持ち主なので、本作ではヴァージニア・メイヨーとの対比のためか、高めの声を持つ歌手に吹替えされています。
視覚効果賞は、幽霊となったバジーに対するものでしょうか。
きっと1945年当時としては画期的なものだったのでしょう。
幽霊が出てくるといっても、ホラー映画の要素は皆無なので、ご安心を。