『ドリー・シスターズ(1945)』とは
実在した、ハンガリー出身の歌手であるJennie DollyとRosie Dollyをモデルにしている。
監督はアーヴィング・カミングス。
あらすじ
ジェニーとロージーの姉妹は、ハンガリーからおじとともに、つてを頼りにアメリカにやってきた。
歌とダンスが得意だった姉妹は、様々な場所でパフォーマンスを披露するが、その途中で俳優志望のハリーに出会う。
ハリーのアイディアで、姉妹はオスカー・ハマースタインに気に入られ、ニューヨークの舞台に立つまでになる。
一方、ハリーはなかなか役者として芽が出ず、作曲を手がけるようになっていた。
ある日、ハリーはジェニーのために書いた「I'm Always Chasing Rainbows」をきっかけに作曲家として軌道に乗るようになり、2人は結婚する。
しかし、ハリーが戦地に赴くようになったり、姉妹がヨーロッパ興行などをするようになると疎遠になってしまうのだった。
キャスト
ジェニー・ドリー ベティ・グレイブル
ハリー・フォックス ジョーン・ペイン
ロージー・ドリー ジューン・ヘイヴァー
姉妹のおじさん S・Z・サカール
トニー レジナルド・ガーディナー
感想
実在した姉妹エンターテイナーの人生を描いた伝記ミュージカル映画です。
主演は姉妹ですが、やはりジェニーを演じたベティ・グレイブルの方に重きが置かれています。
もちろんジューン・ヘイヴァーもいいのですが、ベティ・グレイブルの艶やかさがやはり際立っていました。
筆者は女性(ストレート)ですが、ため息が出るほどの美しさです。
▼左がジューン・ヘイヴァー、右がベティ・グレイブル
本作でも全盛期のベティ・グレイブルの歌、踊りを堪能することができました。
▼trailerです。
劇中で何度もrepriseされる「I'm Always Chasing Rainbows」は、ハリーが作曲したような描かれ方をしていますが、原曲はフレデリック・ショパンによる「幻想即興曲」の中間部のメロディーを引用したもので、歌詞はジョセフ・マッカーシーによるものです。
1918年ブロードウェイ初演のミュージカル『Oh, Look!』の中で、ドリー・シスターズによって歌われたナンバーですが、その後、1941年公開のミュージカル映画『美人劇場』でジュディ・ガーランドによっても歌われています。
その後、LGBTQ+アイコンとなったジュディ・ガーランドから、LGBTQ+ flagが虹色になりましたが、それは彼女が歌った「Over the Rainbow」そしてこの楽曲によると思われます。
さて、映画に戻りますが、姉妹と比べてなかなかキャリアがうまくいかなかったハリーがこの曲を歌うと、歌詞がとても心にしみます。
最初はショパンの名曲を替え歌しただけじゃないかと思っていたのですが、このシーンを見て考えを改めました。
衣装は『巴里のアメリカ人』などを手がけた方によるもので、華やかなしょービズの世界を見事に表現していました。
ただ舞台衣装といえども、全体的にちょっと帽子を盛りすぎではと思うほど、帽子が突飛でした。
当時の流行だったのでしょうね。
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