とうとう、行ってきました。
仕事に集中しているうちに、東京公演が終わってしまい、慌てて大阪公演のチケットを探していたところ、友人に譲ってもらうことができました。
この作品は、ブロードウェイで観劇して以来。
当時はまだ英語の理解力がなく、しかもイギリスの方言目白押しのため、ジョークなどよく理解できなかった思い出があります。
しかし、そんな私でも、ダンスには圧倒されました。
トニー賞を受賞したTrent Kowalikくんがビリーだったのですが、出待ちをして、お母さんと一緒に帰ろうとする彼に、サインと写真をお願いしたことを覚えています。
その時に思ったこと。
これはさすがに日本人公演はないだろうなぁ。。。
これだけのアクロバティックなものからクラシックバレエやタップまでの幅広いジャンルのダンスをこなし、歌も歌える小学高学年から中学生の変声期直前の男の子って…
私の地元の男子を連想すると、合唱コンクールの練習を恥ずかしがったりサボったり、体育の選択授業でダンスと柔道があれば必ず柔道を選んだりと、ビリーとはかけ離れたイメージばかりでしたので。
そういった訳で、今回のビリー公演は、またまた〜!『アニー』じゃあるまいし、そんな無理に日本人キャストにしなくってもいいんじゃない?と思ってしまったのでしたが、ウェブ上で練習風景などを観ていくうちに、やっぱり観ておこうと考え直し、今回の観劇に至りました。
なんと、ケリー・オハラやマシュー・モリソンが来日した際にも、彼らは出会っているのですが、その時の映像がこちらです。
BILLY ELLIOT Japanese TV show 2017/03/18
この時の未来和樹くんのボーイソプラノ(0:47〜)が本当に素晴らしすぎて、思わず泣いてしまいました。
あらすじ
1984年、サッチャー率いる英国政府は20の炭鉱を閉鎖し、2万人の合理化計画を発表。
これに対して、炭鉱労働者による大規模なストライキが全国的に広まっていた。
少年ビリーは、イングランド北部の炭鉱町イージントンで、炭鉱夫の父、ストに熱中する兄トニー、おばあちゃんと暮らしていた。
ストのため厳しい生活の中、父はビリーに男性らしい強さを求め、ジョージの元でボクシングを習わせていた。
ある日、ボクシングの居残り練習をさせられていたところ、ウィルキンソン先生とその娘デビーたちのバレエクラスに巻き込まれる。
徐々にバレエに魅了されるビリーは、ボクシングをサボるようになる。
しかし、ある日、そのことが父親にバレてしまう。
激怒する父に、ウィルキンソン先生はビリーの才能とロンドンバレエ学校への可能性について語るのだった。
キャスト
ビリー・エリオット 前田晴翔
お父さん 吉田鋼太郎
ビリーのおばあちゃん 根岸季衣
トニー 藤岡正明
ジョージ 小林正寛
オールド・ビリー 栗山廉
マイケル 山口れん
デビー 佐々木琴花
感想
初の梅田芸術劇場!
今回は3階席右サイドからの観劇でした。
一言。
感激しました。
まず、述べるべき点は、ダンス力の高さ。
圧倒されました。
今回ビリーだった前田くんはアポロシアターのアマチュアナイト優勝というとんでもない経歴の持ち主。
ヒップホップが得意で今回オーディションを受けるまでバレエは未経験だったそうです。
そのため、Electricityではヒップホップが得意な彼に合わせた振り付けに変更されていたようです。
でも、特に不自然さは感じず、彼の良さが非常に映える構成になっていたのではないかと思います。
もともと、身体能力の高い子なのでしょうが、バレエ未経験でピルエットなどあれだけできるとは。。。素晴らしいですね。
ダンスではElectricityだけではなく、一幕最後のAngry danceやフライングが印象的なDream balletも非常に見応えがありました。
いや、お疲れさま〜と終演時に思わず声が漏れてしまいました。
舞台演出としては、特に照明が非常に効果的に使われていました。
舞台前方サイドからライトを当てることで、舞台上の人物の影を舞台背景に映す場面が多用されていました。
また、炭鉱夫のヘルメットについたヘッドライトで客席全体を照らしながら後退し、舞台中央に立ったビリーのシルエットを幻想的に浮かび上がらせるという場面も素敵でしたね。
今回は日本語だったので、ブロードウェイの時とは違って、ジョークもバッチリ聞き取れました。
それと同時に、英語の勉強もっと頑張って、ブロードウェイの新作ミュージカルを予備知識なしで楽しめるようになりたいものだと切に思いました。
涙腺刺激ポイントは、やはり、Letterですね。
ウィルキンソン先生に、バレエの振り付けをするから、何か自分の人生に影響を与えたものを持ってくるように、と言われたビリー。
この曲は、その時、亡くなったお母さんからの手紙の文面を歌ったもの。
きっと何回も読んだから覚えてしまったんだよね、ビリー(;_;)
この作品は、ミュージカル愛好家層の大きな部分を占める女性陣の母性を刺激してやまないでしょう。
私もそんな一人です。
今回のビリーのオーディション、実は私が以前通っていたタップダンスの先生の教え子で、とてもダンスの上手な男の子が申し込んでいたそうなのですが、受験時に中2くらいで、そうこうしているうちに声変わりを迎えてしまい、無理だったそうです。
才能と忍耐力はもちろんですが、タイミングと運も含めて、全て手にした子だけが挑戦できる役なのだなと思いました。
最後に、オペラグラスを忘れてしまった私に貸してくださった、心優しい隣席の方、本当にありがとうございました。
他の劇場なら借りるのですが、この劇場は貸し出ししていなかったもので。
東京公演からのリピーターの方だったようで、「もう全部のビリーを見たので、どうぞ使ってください」と天使のようなお言葉をいただきました。
何もお返しできず申し訳ありませんでしたが、私もこのような場面に遭遇した時にはお隣の方に快く貸せるような人間になりたいです。
上手く言えません
言葉にできない
抑えきれない気持ち
自分をなくすような 忘れるような
本当の僕になるような
耳の奥で音楽が鳴り出して
追いかける 追いかける
自分が消える
僕は変わる
何かが燃えて
僕を開くもう逆らえない
僕は舞い上がる鳥のように
まるで電気 そう電気
胸で弾けて
僕はもう自由
「電気のように」より