ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

ミュージカル普及のためのテレビ利用~ジュリー・アンドリュースの『シンデレラ』 動画付

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今日は、『サウンド・オブ・ミュージック』などでおなじみのジュリー・アンドリュースJulie Andrews主演のミュージカル『シンデレラ』を、動画とともに少し紹介したいと思います。

このミュージカルは、ロジャース&ハマースタインの作品として、現在では再演が繰り返されていますが、
この作品は元々、舞台用ではなくテレビ用に書き下ろされたものなんです。

この作品が創られた1957年当時、客足が減り、ブロードウェイは深刻な不況に陥っていました。
そこで、『マイ・フェア・レディ』でブロードウェイのスターとなっていたJulie Andrewsが主演、
ヒット作を放っていたロジャース&ハマースタインが音楽を担当し、
大がかりなテレビ・ミュージカルのプロジェクトが立ち上がったのでした。
残念ながら白黒ですが、衣装やセットなど、実際の舞台スタッフが手掛けています。

下の動画から、Part2,Part3…とトレースしていくと、1957年TV版が全編観られます。
「In My Own Little Corner」など美しい曲たちばかりです。
22歳のジュリーがすごく初々しくて、なのに歌声は相変わらず素晴らしくて、なぜか微笑んでしまいました。
全部で、1時間20分弱なので、お時間のある時にでも。





舞台は、本やテレビや映画と比較すれば、生のパフォーマンスを肌で感じられるという魅力があります。
その反面、宣伝がしづらく、ごく少数の観客にしか伝えられないという面も。
もちろん、舞台にまつわる放送やチャネルは増えつつありますが、やっぱり少ない。
殊に、ミュージカルとなると、ますます少ない、というか殆どありませんよね。
唯一、定期的に(かしら?)放送されていたのが、
毎年秋ごろに放送されている劇団四季のファミリー・ミュージカルかなと思います。
(去年放送されたかチェックしなかったんですけれども)
実際に、私がミュージカルに目覚めたきっかけもコレでした。

ミュージカル界が、広告に力を注いでいることも知っています。
けれど、残念な感じなのが、私だけなのか、
テレビに流れる劇団四季ミューのCMには、かなり違和感を感じてしまったりするのです(^^;
なんだか、映画の予告編なんかと違って…うまく言えないけれど。
あの雰囲気の100分の1も表してないと思うのです。

実際に、交通費を含めたら韓国まで旅行に行けそうなド高いチケットを買って、
劇場までわざわざ行かなければ、舞台の面白さって絶対に分からない、と思うんです。
内心の事業仕分けがあったら最初に予算削っちゃいますよね普通。

私は全然業界関係者じゃないですけれど、ミューの一ファンとしてミューの発展を願っている者ですが、
この例は極端ですが、こんな風にテレビでオリジナルのミュージカルを上演してしまったり、
そんな社会になったらどんなにか楽しいだろう…と、ありもしないことを思ってしまいました。
オリジナル作品でさえ、出てくるのが難しい社会なので、到底無理ですが、
どうにかテレビという、国民に最も影響を与えやすいメディアをうまく使って、
ミュージカルの輪が広がったらいいな、なんて白昼夢を見てしまった次第です。