『キューティ・ブロンド』とは
2007年ブロードウェイ初演のミュージカル。
2001年の同名映画を基にしている。
トニー賞7部門にノミネートされたが、1部門も受賞はしなかった。
日本では商業版としては2016年初演で今回が2回目の公演であり、初演に引き続いて神田沙也加が主演した。
日本版演出は上田一豪。
あらすじ
おしゃれが大好きでブロンドが印象的な女子大生エルは、学生寮デルタ・ヌウで友人たちと自由に楽しく暮らしている。
だがある日、婚約間近だった彼氏のワーナーに突然振られてしまう。
その理由は「上院議員を目指す自分の妻としてブロンド娘はふさ合わしくない」という一方的な決めつけによるもの。
納得がいかないエルは、一念発起して猛勉強の末にハーバード大学のロー・スクールに見事合格する。
しかし、ブロンドでピンクのファッションに身を包むエルは学内で目立つ存在となり、黒髪の美女ヴィヴィアンをはじめ、クラスメイトたちから批判を浴びてしまう。
しかもワーナーはヴィヴィアンと婚約してしまったという。
だが、その逆境がエルのやる気に火をつけ、一人前の弁護士を目指して奮闘を始めていく。
尊敬すべき先輩エメットやヘア&ネイリストのポーレットらと知り合い、外見も中身も磨きをかけたエルは、大学の教授でもあるキャラハンの弁護士事務所でインターン生として働き始める。
そこで担当することになったのは、デルタ・ヌウの先輩でもあるブルックに関わる裁判。
はたしてエルは彼女の容疑を見事に晴らし、一人前の弁護士になることができるのだろうか。
キャスト
エル・ウッズ 神田沙也加
エメット・フォレスト 平方元基
ワーナー・ハンティントン三世 植原卓也
ポーレット 樹里咲穂
ブルック・ウィンダム 木村花代
キャラハン教授 長谷川初範
セリーナ まりゑ
マーゴ 美麗
ピラー MARIA-E
イーニッド 武者真由
販売員/エルの母/ディナ/香水売り 青山郁代
ケイト/読書家/検事 折井理子
レイラニ/ホイットニー/リポーター/チャツニー はま平奈津美
店長/キキ/裁判長 山口ルツコ
エルの父/ローウェル/デューイ/カイル 上野聖太
ヴァイオリン奏者/アーロン/法廷速記官 高瀬雄史
チャド/ニコス/看守 古川隼大
感想
ようやく、、、行けました、『キューティ・ブロンド』。
いやぁ、楽しかったです。
この作品は、以前ウエストエンドかアメリカの地方劇場かで観たことがあるのですが(この頃、まだブログをつける習慣がなく、記録もとっていないので記憶が曖昧なのです)、今回改めてこの作品がどれほどエネルギッシュでインスパイアリングで感動的なのか思い知りました。
感想の前に、まずはゲネプロの様子の動画をどうぞ。
▼ゲネプロの様子
ミュージカル『キューティ・ブロンド』ゲネプロ2019/02/10
観劇直後の感想です。
『キューティ・ブロンド』良かった。最後スタンディングで、さーやが感涙していて、私もつられて泣きそうになった。日本向けにややテンション抑えめのエルにされていて受け入れやすかった。平方さん、シュガーの後任大丈夫かと心配していたら、見事な声量。花代さん、樹里さんにも会えて良かった。
— るん (@nyny1121) 2019年2月23日
今回のキャストは最高でした。
BW版と同じテンションで演じると日本ではやや痛い女の子になりがちなエルを、神田さんはやや控えめのテンションで、且つコミカルさはそのままに演じられていました。
平方エメットは流石の歌唱力で会場中を魅了していました。
正直、前回エメットを演じられた佐藤さんは今年ジャン・ヴァルジャンを演じるような実力派中の実力派の方なので、平方さんその後任大丈夫かなと心配していたのですが、そんなものは杞憂に終わり、むしろ一気に平方さんの大ファンになってしまいました。
昨年末に観劇した『サムシング・ロッテン!』とやや似ている、くせっ毛に野暮ったいコーデュロイのジャケットがお似合いのキャラクターが板についていました。
上の動画にもありますが、「Chip On Your Shoulder」という曲のロングトーンからの「生まれ変わったエル・ウッズ(with little Miss Woods comma Elle)」というところがなんとも言えませんね。
このエメットという役はブロードウェイ公演ではクリスチャン・ボールが演じていました。
彼はミュージカルドラマ『SMASH』などにも出演しており、サットン・フォスターの元夫としても有名ですが、彼の演技も素晴らしいので動画を載せておきます。
▼ブロードウェイ公演より「Chip On Your Shoulder」
Legally Blonde the Musical Part 9 - Chip on My Shoulder
花代さんのブルックは今までの花代さんにはなかなかなかった役どころで最初は驚きましたが、さすが見事に演じきっていました。
また、エルの取り巻きのデルタ・ヌーのメンバーも面白かったです。
Δ=デルタのマークを表す三角形をみんなでジェスチャーするのがツボでした。
音が大きいとの前評判だったけれど、私は大丈夫だった。BWの方が耳にガンガンくることが多いと思う。BWで慣れたせいかもしれないけれど、耳栓は使わずに済んだ。
— るん (@nyny1121) 2019年2月23日
前評判で、会場の音量がものすごく大きく、耳栓を使ったほうがいいというような口コミがあったので、とても心配していたのですが、私はそれほど気にならず観劇することができました。
もしかしたら聴覚が敏感な方は大変なのかもしれませんが、ブロードウェイの劇場ではもっとひどいこともあったので自然と鍛えられていたのかもしれません。
私がさーやを初めて観たのは『グリース』のサンディー役(相手役は生田斗真)だったんだけど、今回既視感強いなと思ったら、どちらも同じブロンドで、且つ、好きな相手のために今までの自分自身を変える女の子の役だと今気づいた。結末は違うけれどね。
— るん (@nyny1121) 2019年2月23日
うん、そんなこともありました。
ちなみにその時のリッゾは藤本美貴さんでした。
エルをみて改めて思った。一度落ちてからもう一回がんばれる女は強い。自分の足で這い上がる強さ。この経験しないで、蝶よ花よで生きていく女も多いけど。この強さがその人を輝かせて、他人を魅了していく過程が、ミュージカルというジャンルにうまくハマっていた。
— るん (@nyny1121) 2019年2月23日
一つの恋愛を通して自分自身を高めて、その結果、次のより良い恋愛に繋げられるのは、女子としてかなりレベル高いことなんですよね。
日々生きていると落ち込むことも多いですが、エルを見ているともっと努力しなければと思わされます。
▼ブロードウェイ公演より「So much better」
Legally Blonde the Musical//So Much Better
神田エル、全体的にとても良かったのですが、欲を言えば、上の動画のローラ・ベル・バンディのような力強いbelting outが欲しかったなあと思ってしまいますね。
これは日本人の声帯には難しいことなのでしょうが、エルの意志の強さを表すエネルギッシュな高音をもっといただけたら、それこそもうperfectでした。
Legally Blonde、実は映画もミュージカルも見たことがなかった…にわか〜
— 魔法少女マリア (@mariayuriMagic) 2019年2月25日
作風はチャーミングなんだけど「パーペキ!」みたいな訳とか「ゲイかヨーロッパ人」あたりとかちょっと時代に合わなすぎて「😬」ってなっちゃいましたね…フレッシュなうちに観たかった…
多くの方がご指摘の通り、確かにやや時代錯誤感はありました。
それは仕方ありません。
今日は、私にしてはかなり甘めのキューティブロンドコーデにしてみた。イヤホンもお財布もピンクにして、すっかりエル気分。明日から仕事またがんばろう。 pic.twitter.com/J4kNUxVkdX
— るん (@nyny1121) 2019年2月23日
▼入口にはブルーザーもいたよ。