『ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢』とは
この映画は、2006年にブロードウェイでリバイバル(再演)された『コーラスライン A Chorus Line』のオーディションの模様を、ドキュメンタリーにしたものです。
(残念ながら、この再演版は、2008年8月にクローズしました。)
「ふ~ん、そうなの。」という感じですが、この、ブロードウェイのオーディション風景を公にすることって、本当に珍しいことなんです。
現地では、組合組織がとても強い力を持っていて、こういった裏側を見せるためには、そういった組合の許可を得なければならなかったりと、いろいろと難しい。
だから、今まで、ブロードウェイの裏側を撮影した映像は、皆無に近いんじゃないかと思います。
そういった意味で、この映画は貴重です。
しかも、これは、『コーラスライン』のオーディション風景。
初演時は、約15年もロングランした、もはや伝説的な作品。
『コーラスライン』のストーリーは、ご存知の方が多いと思いますが、まさに、ブロードウェイのミュージカルのアンサンブルのオーディション、そのもの。
だから、この映画は、“実録コーラスライン”とも言えるかと思います。
さらに、この『コーラスライン』の初演版で演出・振付・脚本を手がけた、マイケル・ベネットの、肉声を録音した大変貴重な資料が、ところどころ流れます。
残念ながら、マイケル・ベネットは、87年にエイズにより亡くなっていますが、その他の初演版に携わった人々たちが、今回の再演版をスタッフとして支えています。
彼らが、生前のベネットを偲びながら、『コーラスライン』が出来上がるまでの数々のエピソードを語っているのも、本当に興味深いです。
また、このオーディションでは、応募総数3000人の中から、19人が選抜されるのですが、その中に、日本人女性がいます。
高良結香さんという方で、『マンマ・ミーア!』や『フラワー・ドラム・ソング』などにも出演されたことがある方です。
日本人が出ているというだけで、ブロードウェイに興味のない方でも、親近感をもって観られるんじゃないかと思います。
感想
冒頭の「The Music and the Mirror」の前奏が流れてきた時点で、涙が流れてきました。
ずっと楽しみに待っていたので、「やっと観られているんだ!」という喜びなのか、どうなのかは、わかりませんが、涙が止まらなくて困りましたwww
その後の90分は、あっという間に過ぎました。
個人的には、もうブロードウェイが大大大好きなので、
(ブロードウェイというtheater districtという空間が、ブロードウェイの雰囲気が、ブロードウェイの有り様が、大好きなので、)
ブロードウェイの街並みが少しでも観られたら、もう幸せ♡なんですけどねw
ひとつビックリしたのは、初演でコニ―・ウォンを演じていたバイヨーク・リーが、再演版では演出・振付担当なんですが…
ルックス(体型とか)はかなり変わっているのですが、声だけは初演版のCDと怖いくらいに同じだったということ!
人の声って、年齢を重ねてもあまり変化しないんですね!!
あ、全然作品と関係ないですね(^^;
総じて言うと、すごく楽しめて、すごく感動しました。
ある程度ネタばれを許してもらえれば、ベテランが無名の新人に敗れたり、親友と同じ席を競ったり、あともう少しで自分の物になる役を代役に最後の最後に奪われたり。
そういう最も高いクラスでのサバイバルが、繰り広げられます。
厳しいですよね。
でも、お互いにお互いの実力を認め合って、ハグし合う場面も多くありました。
自分との戦いをやっているんだなぁと感じる場面でした。
映画ファンの方だと、画質が悪い、と思われる部分もあるかとは思いますが、それを上回る充実した内容なので、私は大大大満足でしたよ。
ちょうど今の時期(11月~12月ころ)って、ブロードウェイではオーディションが盛んに行われるシーズンなんだそうです。
この映像は一昨年のものですが、現在もブロードウェイで戦っている人たちに思いをはせて、ぜひぜひ多くの人に、この映画を観てもらいたいです。