ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『Oklahoma!』2019.9.22.20:00 @Circle in the Square

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『Oklahoma!』とは / あらすじ

前回観劇した際の記事を参照してください。

nyny1121.hatenadiary.com

キャスト

Curly McLain    Damon Daunno

Laurey Williams    Rebecca Naomi Jones 『I Can Get It for You Wholesale』

Jud Fry    Patrick Vaill

Aunt Eller    Mary Testa

Ado Annie Carnes    Sasha Hutchings

Will Parker    James Davis

Andrew Carnes    Mitch Tebo

Ali Hakim    Will Brill

Gertie Cummings    Mallory Portnoy

Lead Dancer    Demetia Hopkins-Greene

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感想

2回目の観劇です。

トニー賞リバイバル作品賞を受賞した本作は、ブロードウェイミュージカルのクラシック作品『Oklahoma!』を、bluegrass調のorchestrationで、現代的解釈も加え、ドラスティックに演出し直し、話題となりました。

基本的に限られた枠の中でなるべく多くの作品を観たいため、同じ作品を再び観ることはないのですが、前回GWの観劇の時、あまりの衝撃で圧倒されて終わったので、どうしてももう一度観たかったのです。

前回の観劇の記事はこちらです。

nyny1121.hatenadiary.com

▼trailerです。


Highlights From Broadway's Oklahoma!

こちらCircle in the Square劇場はアリーナ型の劇場になっています。

前回は上手前方席で近くで役者さんの表情を見ることができる席でした。

今回は、センター後方から舞台全体を観てみることにしました。

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▼観劇後の感想です。

劇場の形状による部分もありますが、観る席によって印象がここまで変わるとは思いませんでした。

落ちてくる靴は前回、ものすごく大きく感じたのですが、今回は通常より少し大きい程度のブーツという印象でした。

薄暗い中でブーツの下による音が大きく響くので、異常に大きな靴のように感じていたのでしょう。

今回は2回目ということもあり、冷静に観られたのかもしれません。

緑照明になる場面は、前回はdrugなんじゃないかと勘繰り過ぎていましたが、今回観て、恋愛の高揚感やときめきをドラマティックに演出したかっただけなのかなと推測しました。

dream balletの解釈はやはり難しかったです。

dream balletのdancerがunderstudyの方で、前回の方とは違ったので、もしかすると振付も部分的に変わっていたかもしれません。

また、Ado Annieもunderstudyの方でした。

この役でトニー賞を受賞したAli Stokerの演技を前回観て感動したのですが、今回はそれとは全く違った印象のアニーでした。

おそらくまだ若手で、でも一生懸命されているのはわかるのですが、やはりAliの印象が強く、物足りなさを感じてしまいました。

その分、Will役のJames Davisの熱演が光りましたね。

はい、Daunnoさんは安定のかっこよさです。

セクシーで歌が上手くて、それでいて嫌味じゃない演技ができて、ずるいですね。

Naomiさんとの掛け合いもさらに磨きがかかっていました。

▼Daunnoさんが歌う「Oh What a Beautiful Morning」


Oklahoma! star Damon Daunno performs an acoustic "Oh, What a Beautiful Mornin'"

 
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そして、残念ながら、休憩中に振舞われるチリとコーンブレッドは今回もいただくことはできませんでした。

でも、舞台上のperformanceだけで、私はお腹も心もいっぱいで帰路に着いたのでした。

『Scotland, PA』2019. 9.22.15:00 @The Laura Pels Theatre

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『Scotland, PA』とは

2019年7月よりオフブロードウェイで初演されたミュージカル。

2001年の同名映画を基にしている。

シェイクスピアの『マクベス』の舞台設定を、1975年のペンシルベニア州スコットランドに置き換えたストーリーになっている。

作詞・作曲はAdam Gwon。

演出はLonny Price。

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あらすじ

1975年、ペンシルベニア州スコットランド

この平凡な田舎町でファストフード店に勤める若い夫婦、マックとパットはより良い暮らしを求めていた。

その気持ちは徐々に膨らんでいき、勤務先に強盗に入る計画を立てる。

アリバイを作るために、2人は同僚のバンコを誘ってキャンプに行き、その途中で買い物に行くと言い残し、犯行に及ぶ。

しかし、予想に反して店長と強盗現場で遭遇してしまい、2人は誤って店長を殺してしまう。

希望に満ち溢れていたはずの2人は、嘘に重ねた嘘により、身動きが取れなくなっていく。

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キャスト

Mac    Ryan McCartan

Pat    Taylor Iman Jones

Banko    Jay Armstrong Johnson 『Parade』

Jessie    Alysha Umphress

Stacey, Brenda    Wonu Ogunfowora

Hector    Kaleb Wells

Duncan, Ray    Jeb Brown

Malcom, Bert    Will Meyers

Doug, Andy, Gary    David Rossmer

Mrs. Lenox    Lacretta

Peg McDuff    Megan Lawrence

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感想

秋は、オフブロードウェイの方がミュージカルが華やかですね。

本作は、シェイクスピアの『マクベス』がベースにあるので、劇中にも随所にマクベスに関連する表現が出てきます。

原作を原語で読んでいないので全てわかりませんでしたが、台詞にもオマージが込められているそうです。

▼trailerです。


Scotland, PA | A Killer New Musical

▼観劇後の感想です。

ダークコメディという説明だったので、どんなものだろうと思っていたら、キャッチーな音楽が魅力的な楽しいミュージカルコメディでした。

殺人の場面はやはりグロテスクではありましたが、なぜか笑いが起きてしまうような雰囲気。

まだpreview中だったので、全体的にやや粗さは目立ちましたが、特にメインの役者、Ryan, Taylor, Jayの3人が素晴らしかったです。

ブロードウェイのロングラン作品で二枚目を演じている2人ですが、本作では全く違う役どころを演じています。

特にBanko役のJayの、少しおつむが弱そうな人の演技は、しゃべり方や仕草にいたるまで秀逸でした。

若い妻を演じたTaylorは、故郷からニューヨークに出てきてすぐにブロードウェイデビューを決めたという逸話の持ち主で、最近だと『Groundhog Day』や『Head Over Heel』などに出ていました。

よく通り伸びやかなbeltingと豊かな表情が魅力的な若手女優さんです。

▼若い妻を演じるTaylor Iman Jonesの素晴らしい歌声


"What We've Got" from SCOTLAND, PA

もう一曲、本作中のキラーチューンが「Why I Love Football」です。

この曲は、サッカー部に参加している理由を語りながら、自身がゲイであることをカミングアウトする内容になっています。

このナンバーの後は、しばらく拍手が止まりませんでした。

▼「Why I Love Football」


"Why I Love Football" from SCOTLAND, PA

 小物をたくさん使うため、テンポがずれると一気に崩れてしまうので、ちょっとヒヤヒヤする場面もありましたが、何とかうまくいっていました。

ナンバーやカラフルな舞台、個性的なキャラ、所々ダークな部分も好みで、楽しい時間を過ごせました。

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