ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『チップス先生さようなら(1969)』Goodbye Mr. Chips

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チップス先生さようなら』とは

ヒルトン作の有名な同名小説を基にした、МGМ製作のミュージカル映画
1939年に同じ原作で一度映画化されているが、こちらはミュージカル映画ではない。

あらすじ

1920年代、イングランド南部にあるブルックフィールド・スクールに勤めるアーサー・チッピングは、独身で真面目な教育熱心の教師だったが、生徒の受けはあまりよくなかった。
ある時、イタリア旅行中、ロンドンに滞在した時、舞台女優のキャサリンと出会う。
その後、ポンペイで再会を果たした二人は急速に惹かれ合う。
彼らは結婚し、学校関係者は堅物教師の突然の結婚に目を丸くする。
キャサリンは、たちまち学校の人気者となるが、有力者のサタウィック卿の脅迫に遭うなど、風当たりも強かった。
この頃から、生徒たちからの評判も良くなり、次期校長の有力候補者にあげられるのだが…

キャスト

アーサー・チッピング ピーター・オトゥール
キャサリン ペトゥラ・クラーク
校長 マイケル・レッドグレーヴ
サタウィック卿 ジョージ・ベイカ
マックス マイケル・ブライアント
ウィリアム ジャック・ヘドレー
アーシュラ シアン・フィリップス

感想

心温まる作品でした。

イギリス的な(決してアメリカ的でない)音楽も素敵でした。

ストーリーがサクセスストーリーでもなく、とびきり明るいものではないので、

ミュージカル化しにくい部類のような気がします。

しかし、主役のピーター・オトゥールペトゥラ・クラークの存在が、ほんわかした幸せな雰囲気を醸し出していました。

キャサリンをミュージカル女優とすることで、どうにかミュージカルシーンを盛り込もうと必死になっている感じもなくもありませんでしたが。

実際、ミュージカルっぽい曲はキャサリンが音楽劇中で歌い踊る「London is London」くらいで、

その他は、非常に落ち着いた(ややもすると、退屈気味の)楽曲が続きました。

この落ち着いた感じが、このストーリーにはとても似合っていたと感じました。

ドラマチックな展開はありませんが、

チップス先生の素朴な人柄や、キャサリンの愛情、2人のかけあいがとても微笑ましくて、

落ち着いた印象を受ける、ミュージカル映画となっていました。


PETULA CLARK - LONDON IS LONDON (from Goodbye Mr Chips)

『ファニー・ガール(1968)』Funny Girl

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『ファニー・ガール』とは

1968年のミュージカル映画
1920年代に活躍した喜劇女優ファニー・ブライスの半生を描いたブロードウェイ・ミュージカルを映画化したもの。
バーブラ・ストライサンドが映画初主演した作品で、アカデミー主演女優賞を獲得した作品。
アカデミー賞授賞式のスピーチで、劇中の台詞「Hello,gorgeous!」と言ったことは有名です。
「People」「Don't Rain on My Parade」「My Man」など有名なナンバーがあります。

あらすじ

「ファニー・ブライス」のネオンが光るウィンター・ガーデン劇場。
開場前のしばしの時間、ファニーは物思いに耽っていた――。
若い頃のファニーは、容姿の問題と度重なる失敗でコーラスガールを解雇されかけていたが、それが逆にウケ、評判が評判を呼び、ジークフェルド一座にスカウトされる。
ちょうどその頃、踊り子の間では有名だったギャンブラーのニック・アースティンと恋に落ち、二人は結婚して一女をもうける。
しかし、ニックの仕事がうまくいかなくなってから、ニックは「ミスター・ブライス」と呼ばれるようになり、自尊心を傷つけられ、ギャンブルに溺れるようになる。。。 


I'M THE GREATEST STAR - BARBRA STREISAND

キャスト・スタッフ

監督…ウィリアム・ワイラー ハーバート・ロス

ファニー・ブライスバーブラ・ストライサンド
ニック・アースティン…オマー・シャリフ
ローズ・ブライス…ケイ・メドフォード
ジョージア・ジェームス…アン・フランシス
フローレンツジークフェルド…ウォルター・ピジョン

感想

この映画の主人公のファニー・ブライスと同様に、バーブラ自身も一躍スターダムに上り詰めました。

映画初主演なのに、すでにバーブラ独特の個性が歌や演技に現れています。

「Don't Rain on My Parade」以外にも、「People」や「My Man」など、

全ての楽曲がいつ聴いても素晴らしいです。

ストライサンドは歌声を、時に力強く、時にはかなく、自由自在に変化させています。

圧倒的な歌唱力と表現力です!

この歌声を聴けるだけで、私にとっては、もう感動ものなのです(T_T)


Don't Rain On My Parade - Barbra Streisand (Funny Girl)

 

お話は、よくありがちなシンデレラ・ストーリーですが、

田舎娘から、ジークフェルドのレビューのスターまで、

バーブラ・ストライサンドの演技のふり幅の大きさには、何度も驚かされます。

 

実在の人物、ファニー・ブライスをモデルにしています。

1920年代当時、美人さんを各地から集めてつくっていたジークフェルドのレビューで、

お世辞にも美人とは言えないのに、花形として活躍していたのがブライスです。

が、作品中のエピソードは全て実話というわけではないようです。

例えば、ジークフェルドの考えに背き、

レビュー「美しい花嫁」で、妊婦の格好でウェディングドレスを着た場面などは、

スタッフの思いつきで、実際、ファニーとジークフェルドの間で、議論や言い争いはなかったそうです。


PEOPLE ~ Funny Girl

「People」を聴くたびに、バーブラの横顔の美しさに見とれてしまいます。

髪をアップにすると突然大人の女性の表情になる不思議なバーブラ、大好きです。