ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる純粋なミュージカルブログ

『ロバと王女(1970)』Peau d'Âne

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『ロバと王女』とは

ジャック・ドゥミ監督とミシェル・ルグラン作曲によるフランスのミュージカル映画

原作は「シンデレラ」や「長靴をはいた猫」などのシャルル・ペローによる同名の童話(邦題『千匹皮』)。

あらすじ

宝石を生むロバのおかげでとても裕福な“青の国”の王がいた。

しかしお妃が病気になり「私より美しい女性と再婚して」と遺言を残し亡くなってしまう。

お妃より美しい女性はこの世にただ一人、王女だけ。

父親である王に結婚を申し込まれ困った王女はロバの皮に身を隠し、姿を消してしまう。

そんなある日、王女の正体を知らない「赤の国」の王子がたちまち恋に落ち・・・

キャスト

王妃、王女 カトリーヌ・ドヌーヴ

王様 ジャン・マレー

王子 ジャック・ペラン

赤の国の王妃 ミシュリーヌ・プレール

リラの妖精 デルフィーヌ・セイリグ

赤の国の王 フェルナン・ルドゥー

医者 アンリ・クレミュー

大臣 サッシャ・ピトエフ

ナレーター ジャン・セルヴェ

感想

シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』などでおなじみの、ドゥミ監督×ルグラン作曲×ドヌーヴ主演のミュージカル映画

全二作のおかげで、本作は豪華な衣装や演出が用いられてファンタジーの世界が表現されています。

「シンデレラ」や「眠りの森の美女」などで有名なペローですが、私は「千匹皮」についてはこの映画を通して知りました。

日本ではマイナーな作品かと思われますが、ドゥミ監督は幼少期読んだこのお話がとても印象に残っており、ぜひ映画化したいと長年温めて来られたそうです。

上記の通り、近親相関をモチーフにしている作品です。

古来から童話やいいつたえを通して啓蒙されることが多いテーマですね。


ロバと王女(字幕版)

やはりドヌーヴの美しさは本作でも健在。

豪華なドレスを身につけて、より一層輝きを放っています。

お気に入りのシーンはお菓子作り。

王子のためにレシピを見ながら愛のケーキを作るシーンはとっても女の子らしくて可愛いです。

このシーンでは、ロバの皮ver.と太陽のドレスver.の2人を登場させることで、よりドレスを着た王女の美しさを際立たせています。

ルグランの音楽は、他の作品と比べると、そこまでキャッチーな音楽はないかなぁと感じました。

なぜか、全体的に、あまりルグランっぽくないんですよね。

また、一つ一つ演出が凝っていますね。

空のドレス、月のドレス、太陽のドレスなどの衣装。

王子を導く、目と口のあるピンクの薔薇。

王女の歌を歌うおうむparrot。

痰をだす代わりにガマガエルを口から出す、ロバの皮を下女にする女。

ケーキ作りで卵を割ったら飛び出すひよこ。

他にもたくさんありますが、ドゥミ監督が7歳くらいの子供の視点に立って作ったとおっしゃる意味がわかります。

ただ、ラストのヘリコプターで王様が登場するシーンは「???」となってしまいました。

映画全体の雰囲気が台無しです!

確かに題材に馴染みがなく、途中興味消失してしまうことがないとは言えませんが、ドヌーブの美しさ、映画全体に漂うファンタジー感は一見の価値ありです。

ヘリコプターを除けば、この作品の終わり方はなかなか好みです。

「王様と結婚したのよ」と意気揚々とやってくる妖精に続いてやって来た王様が、「王女よ、こんなところにいたのか。また一緒に暮らそう」と笑顔で言い、やや不満な表情で妖精の隣に立ちます。

「???」

このラストはどう解釈したらいいのでしょう。

王様はまだ王女を諦めていない?というようにも受け取れなくもないのです。

曖昧なまま終わらせ、後はおのおのに委ねるという形をとることで、映画が終わった後にファンタジーの余韻に幾度となく浸ることができますね。