『ハロー・ドーリー!』とは
1969年公開のミュージカル映画。
1964年にブロードウェイで上演された同名のミュージカルを映画化したもの。
舞台版は何度も再演を繰り返されるブロードウェイの人気演目のひとつである。
タイトル曲は世界中でカバーされている名曲である。
監督はジーン・ケリー。
あらすじ
舞台は19世紀後半のニューヨーク。
未亡人のドーリーはお節介で面倒見のいい仲人業をしており、郊外のヨンカーズで飼料店を営むホレスに密かに恋している。
ホレスは再婚相手に帽子屋のアイリーンをドーリーから紹介されると早速プロポーズをしにニューヨークへ向かう。
ホレスの姪のアーメンガードは貧乏画家との結婚をホレスに反対され、ニューヨークへ駆け落ちしようとしていた。
さらに、ホレスの従業員のコーネリアスとバーナビーは本当の恋をするためにニューヨークへ向かう。
これもそれも全てドーリーの仕業。
果たして、ドーリーはホレスの心をつかむことができるのか。
全員が幸せな道を歩むことができるのか。
キャスト
ドーリー バーブラ・ストライサンド
ホレス ウォルター・マッソー
コーネリアス マイケル・クロフォード
バーナビー ダニー・ロッキン
アイリーン マリアンヌ・マックアンドリュー
ミニー・メイ E.J.ピーカー
アンブロース トミー・チューン
オーケストラ指揮者 ルイ・アームストロング
感想
ミュージカルに関心のない人でも、このタイトルに聞き覚えがある人も多いのでは。
その反面、実際にこの映画や舞台を見たことがあって、ストーリーまでご存知の方は少ないはず。
これもまた、バーブラ・ストライサンドの魅力満点の一作です。
未亡人のドーリーがホレスに心を惹かれながら、結婚相手を紹介するという一見矛盾した行動をとり、最終的にはホレスが自身に結婚を申し込むように仕向けるというお話。
そして、誰も傷つかず、ハッピーエンド。
やっぱりミュージカルにはハッピーエンドがお似合いだなと改めて思わせてくれました。
ジーン・ケリーが監督というだけあり、ダンスシーンのカメラワークにこだわりを感じます。
一番の見せ場は、「Put On Your Sunday Clothes」でしょう。
これぞミュージカルの醍醐味とでも言いたいくらい。
何度見ても、鳥肌が立ちますね。
おしゃれをして、田舎町ヨンカーズのお店から旅立ち、ニューヨークへの電車に乗り込んで、本当の恋を見つけるまで絶対に帰らない!と歌い上げています。
確かに、冗長な感じを否めないシーンがないとは言えません。
でも、ドーリーの賢さをバーブラ・ストライサンドが、頑固おやじで鈍感なホレスをウォルター・マッソーがそれぞれ上手に演じていて、いつも最後まで見てしまいます。
この作品は、いわゆるミュージカル映画の黄金期の終焉を告げた作品と言われており、この映画を観るたびに失われていく時代を見送るような切ない気持ちにもなります。