『巨星ジーグフェルド(1936)』とは
1936年のMGMによる、実在した舞台プロデューサーであるフローレンツ・ジーグフェルド・ジュニアについての伝記ミュージカル映画。
実際にジーグフェルド・フォーリーズに出演していたファニー・ブライスらが本人役で出演している。
ジーグフェルドの2番目の妻ビリー・バークはスーパーバイザーとして参加している。
作品賞・主演女優賞・ダンス監督賞の3部門でアカデミー賞を受賞している。
監督はロバート・Z・レナード。
あらすじ
フローレンツ・ジーグフェルド・ジュニアはショービジネスの世界を志し、「世界一強い男」と謳うサンドウとともに万博などを回っていた。
プロデューサー仲間ビリングスとはいいライバル同士だった。
やがてサンドウが率いるショーは下火になり、ジーグフェルドは美しい衣装を身に纏った美女たちが出演するジーグフェルド・フォーリーズを結成しようと考える。
フランスで出会った女優アンナ・ヘルドを主演に迎え、ブロードウェイで自身のプロデュースするショーを上演することに成功する。
ジーグフェルドはアンナと結婚するが、ジーグフェルド・フォーリーズの出演する様々なショーを手がける彼には女性との噂が絶えず、最終的には離婚する。
その後、女優ビリー・バークと再婚し子どもにも恵まれるが、株で失敗し次第にその勢いは衰えていく。
キャスト
フローレンツ・ジーグフェルド・ジュニア ウィリアム・パウエル
アンナ・ヘルド ルイーゼ・ライナー
ビリングス フランク・モーガン
オードリー ヴァージニア・ブルース
ファニー・ブライス 本人
レイ・ボルジャー 本人
感想
主に1920年代から1930年代にかけて盛況したジーグフェルド・フォーリーズで知られる稀代の舞台プロデューサー、フローレンツ・ジーグフェルド・ジュニアについての伝記映画です。
実際のジーグフェルド・ガールズも多く出演し、壮観な舞台シーンが印象的です。
上映時間は約3時間と長いですが、見どころが多くあっという間でした。
▼trailerです。
ジーグフェルドのモテ男ぶりが半端ないですね。
ビジネスも然りですが、女性関係でも駆け引きがお上手。
プロデューサーは頭が良くないと務まらないわけですね。
故人のことは決して悪く描かないもので、最初の妻との離婚に至る直接的な原因となったシーンは女優の飲酒のせいにされています。
実際には本人のみぞ知ることですが、このあたりは観ていてどんなものかなと思ってしまいました。
スーパーバイザーとして参加しているジーグフェルドの最後の妻ビリー・バーク本人(北の良い魔女グリンダ役)だけでなく、レイ・ボルジャー(かかし役)、フランク・モーガン(オズの魔法使役)と、本作には『オズの魔法使(1939)』の出演者が多く関係していました。
レイ・ボルジャーのダンスシーンはすでにかかし役を連想させるようなパフォーマンスを披露していました。
▼レイ・ボルジャーのダンスシーン
レイ・ボルジャーの他に本人役として出演していたのがファニー・ブライス。
後に彼女についての伝記ミュージカル『ファニー・ガール』が作られ、舞台・映画ともにバーブラ・ストライサンドが主演し彼女を演じました。
アカデミー賞主演女優賞を受賞したのは最初の妻を演じたルイーゼ・ライナーでした。
本人はドイツ人ですが、役どころとしてはフランス人女優。
特に歌唱やダンスが優れているわけではありませんでしたが、ジーグフェルドを心から愛しながらも、彼が仕事柄多くの女優と接することで嫉妬してしまう様子を演じていたのが印象的でした。