『ガール・クレイジー』とは
1943年のMGM製作のミュージカル映画。
1930年初演のブロードウェイミュージカルを映画化したもの。
舞台版では、エセル・マーマンがブロードウェイデビューを飾った舞台として有名。
楽曲は、すべてジョージ・ガーシュウィンによるもの。
「I Got Rhythm」「But Not For Me」など、スタンダードナンバーになっている名曲が多い。
1992年初演の『Crazy for You』の元ネタでもある。
これは、何度か映画化されているうちの一つ。
MGM内では、ルーニー&ガーランドのペア出演で多産されたミュージカル映画の一つ。(全10作品の9番目)
あらすじ
父親の命令で、ぼんぼんのダニーは、砂漠の真ん中にある田舎の大学へやってくる。
そこで働いているジンジャーに出会い、やがて2人は恋に落ちるが、
そんな折、大学が経営破たんするという知らせが入る。
働き口がなくなるジンジャーは途方にくれるが…
キャスト・スタッフ
監督…ノーマン・トーログ、バスビー・バークレー
ダニー…ミッキー・ルーニー
ジンジャー…ジュディ・ガーランド
バッド…ジル・ストゥラットン
感想
これは、アメリカにいる時に図書館から借りてきて観ました。
ミッキー・ルーニーとジュディ・ガーランドのコンビの出演作は、日本ではなかなか観られないので。
この時期のMGMは、特にルーニーとガーランドの出演作品は、粗製乱造が否めないような感じなのですが、
この『ガール・クレイジー』だけは、音楽の質の高さに支えられて、観る価値があるように思えました。
「ラプソディ・イン・ブルー」や「パリのアメリカ人」で有名なガーシュウィン(この場合ジョージの方)ですが、
初期はブロードウェイのショーをたくさん手がけていました。
兄のアイラが作詞、弟のジョージが作曲、というのが主なスタイル。
その中で、一番のヒット作がこの『Girl Crazy』でした。
それが、あのエセル・マーマンのデビュー作であると思うと、すごく感慨深いです。
お話は、お決まりのboy meets girl。
舞台版とはストーリーが違うらしいですが、どのあたりが違うのかは不明。
ストーリーは、どうでもいい部類の作品ですが、音楽はとても楽しいです。
音楽のためにある映画、という意味でのミュージカル映画という気がしました。
ジュディはまだあどけない感じがしますが、声は相変わらず素晴らしいです。
当時の彼ら2人は、時代は違えど、今で言う『High School Musical』シリーズのザックとヴァネッサみたいな扱いだったんでしょうね。