『ピートとドラゴン(1977)』とは
1977年のディズニーによるアニメと実写を交えたミュージカル映画。
原作はシートン・ミラーとS・S・フィールドによる未出版の短編小説。
音楽はアルフレッド・カシャとジョエル・ヒルシュホーンによる。
監督はドン・チャフィー。
あらすじ
孤児のピートは、お茶目なドラゴンのエリオットと旅をしている。
引き取られた先のゴーガン一家のもとでひどい扱いを受けたピートは、必死の思いで逃げ出してきたのだ。
ピートとエリオットが辿り着いたのはパッサマクワディという街だった。
街の人々を驚かせないように、エリオットは透明になるが、いたずら好きなエリオットは騒動を起こす。
エリオットはうっかりして灯台守のランピーに自らの姿を見られてしまうが、「ドラゴンを見た」と慌てるランピーを皆は酔っ払いの戯言としか思わない。
ピートは透明になったエリオットとともに洞窟にいるところを、ランピーの優しい娘ノーラに見つけられ、家に招待される。
ランピーとノーラは暖かくピートを迎え、実の家族のように親しくなる。
同じ頃、街に詐欺師のターミナス博士とホーギーがやってくる。
最初はドラゴンの噂話を冗談だと考えた博士だったが・・・。
キャスト
ピート シーン・マーシャル
ノーラ ヘレン・レディー
ランピー ミッキー・ルーニー
ターミナス博士 ジム・デール
ホーギー レッド・バトンズ
リーナ・ゴーガン シェリー・ウィンター
テイラー先生 ジェーン・キーン
市長 ジム・バッカス
マール・ゴーガン チャールズ・タイナー
ゴーガン夫妻の息子たち ギャリー・モーガン、ジェフ・コナウェイ
ポール カル・バートレット
エリオット(声のみの出演) チャーリー・カラス
感想
ディズニーによる心温まるファンタジックなミュージカル映画でした。
日本ではDVDの発売がなく、長いこと観られなかった作品でしたが、現在ではディズニープラスで観られるようになりました。
日本版ディズニープラス公式サイト:https://disneyplus.disney.co.jp/
しかし、おそらくディズニーランドでのエレクトリカルパレードで、エリオットを見たことがある方は多いかと思われます。
最近はどうかわかりませんが、数年前に見た時はパレードの初めの方に登場していました。
よく見るとピートもエリオットの手の上に乗っていますね。
それでは、作品についてです。
▼trailerです。
Petes Dragon 1977 Official Trailer
ピートとエリオットの友情、ピートが初めて知る家族の愛が描かれています。
実写+アニメのディズニー映画ですと、『南部の唄』、『メリー・ポピンズ』などがありますが、これらはアニメーションの世界に実写が登場する形式でした。
本作は実写の世界にアニメーションが登場する形式で描かれた初めてのディズニー映画と言われています、確か。(おぼろげな記憶)
ピート役の子役ちゃんは当時小学6年生くらいですが、実際にはいないドラゴン相手に巧みな演技を披露していると感じました。
作品を彩るミュージカルナンバーも非常に美しいです。
「It's Not Easy」は「エリオットのように親しくなれる存在に出会うのは簡単なことじゃない」とピートが歌うナンバーですが、大人が歌うとまた別の意味合いにも捉えられますね。
▼「It's Not Easy」
続いて「Candle on the Water」です。
ノーラが灯台から海を臨み、航海に出たきり戻らない婚約者ポールを思って歌う、映画の白眉とも言えるシーンです。
もともとこの映画はミュージカル映画として作られるはずではなく、この曲が唯一の歌唱シーンとなる予定でしたが、これがあまりに素晴らしかったため、全体をミュージカル作品として作る方針に変更されたという逸話があります。
▼「Candle on the Water」
Pete's Dragon - Candle on the Water
最後に、「Brazzle Dazzle Day」です。
晴天のもと、すっかり仲良くなったピート、ピンキー、ノーラの姿を見ることができます。
和やかな気持ちになれるシーンの一つです。
▼「Brazzle Dazzle Day」
Pete's Dragon - Brazzle Dazzle Day
灯台守のピンキーを演じたのは、ジュディ・ガーランドとともにミュージカル映画黄金期を彩ったミッキー・ルーニーです。
ミュージカル映画黄金期の当時はアイドル的な存在だった彼も、本作では57歳(それでも若いですが)で老人役が板についています。
ラストは切なさもありながら、ピートのこれからの生活とエリオットが救う子どもたちとの出会いを思いながら、エリオット視線の遠景を清々しい気持ちで見られました。