『パリの恋人』とは
1927年初演の同名のブロードウェイ・ミュージカルの楽曲をいくつか採用しているが、プロットは全く別のものになっている。
基となったブロードウェイ・ミュージカルには、アステアは姉とともに主役として出演している。
作詞・作曲はガーシュウィン兄弟によるもので、「S'wonderful」など現代のスタンダードナンバーとなっている楽曲もある。
あらすじ
ロケで書店を訪れた、ファッション誌の大物編集長とその右腕の写真家ディック・エイブリー。
ディックは、哲学を語るインテリ書店員、ジョー・ストックトンの風変わりな魅力に心を惹かれ、パリに一緒に飛んでモデルにならないかとスカウトする。
ファッションに何も興味のないジョーだったが、パリに行けば崇拝するフロストル教授の講義を聴くことができると考え、申し出を了承する。
パリに飛んだジョーは、瞬く間に世界的スーパーモデルになり、ディックと恋に落ちる。
そんな折、ジョーはフロストル教授とたまたま出くわすのだが・・・
キャスト
ジョー・ストックトン オードリー・ヘップバーン
ディック・エイブリー フレッド・アステア
マギー・プレスコット ケイ・トンプソン
エミール・フロストル教授 ミシェル・オークレール
ポール・デュパル ロバート・フレミング
感想
フレッド・アステアとオードリー・ヘップバーンの共演作。
オードリーが、花のパリを舞台に、愛くるしい表情をくるくる変えながら歌い踊ります。
映画『マイ・フェア・レディ』では、歌の部分が吹き替えとなったオードリーですが、本作では吹き替えなしでご自身の声で歌っています。
膝を叩いて褒め称えるほどの歌唱力ではありませんが、アルトでハスキーな声のオードリーに合う楽曲が多く、アステアと歌ってもそこまで不自然な感じはありませんでした。
様々なパリのロケーションが次々に登場するので、パリ好きな方にとっては間違いなく楽しい映画と言えるでしょう。
Funny Face (1957) - "Bonjour Paris" Song - Audrey Hepburn & Fred Astaire (4 of 10)
まだ新人のオードリーの初々しさ、そしてそれをうまくリードしようというアステアがなんとも微笑ましいのです。
もちろん、アステア&ロジャースコンビには敵いませんが、これはこれで美しいコンビでしたね。
↓湖畔の美しいデュエット「He Loves and She Loves」
Funny Face (1957) - "He Loves and She Loves" Song - Audrey Hepburn & Fred Astaire (7 of 10)
写真の現像室での赤いライトの中で踊るシーンは、目がシバシバしてしまいましたが、現代的というか幻想的な雰囲気でしたね。
↓オードリーのなんとも言えない不思議なダンスシーン
Funny Face Song - Audrey Hepburn's Dance - Crazy Dancing (5 of 10)
ストーリーはMGMによるミュージカル映画に見られるような予定調和ですが、アステアとオードリーという2大スターの息の合った演技を見られる稀有なミュージカル映画と言えるでしょう。
↓名曲「S'wonderful」も2人によって歌われています。
Audrey Hepburn & Fred Astaire - S'wonderful - Song from Funny Face (10 of 10)