ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『思い出を売る男』2019.12.28.13:00 @自由劇場

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『思い出を売る男』とは

加藤道夫による1幕もののプレイ。

1953年に文学座で初演され、劇団四季では1992年から断続的に上演されている。

演出は浅利慶太

あらすじ

どこか不思議な雰囲気の漂う薄暗い裏街。

一人の男が古ぼけたサクソフォンを吹いている。

思い出を売ります。美しい音楽に蘇る幸福の夢。公代、思い出に生き給え。思い出は狩の角笛。

彼の奏でる音楽に惹きつけられるように様々な人が現れる。

まだ思い出を持つことがない、無邪気で幼い花売娘。

世間をたくましく、したたかに生きている広告屋

そして重く暗い影をひきずる街の女。

その女は「巴里の屋根の下」に涙し、サクソフォン吹きの恋人との幸福な思い出を蘇らせる。

男は女に詩を書いてやる。

その後も、故郷に愛しい少女を残してきたG.I.の青年、陽気な乞食も訪れる。

突然、街がざわめきだす。

この界隈の親分、黒マスクのジョオが人を殺し、ピストルを持ったまま逃走しているというのだ。

男の目の前に現れたジョオは、警官の目から逃れるため、男にピストルを突きつけ、上着と帽子を奪い、さらに男のサクソフォンを吹き始める。

そのメロディーは街の女が恋人との思い出の曲だと言って涙を流したあの「巴里の屋根の下」だった。

キャスト

思い出を売る男 近藤真行

花売娘 林香純

広告屋 加藤敬二

街の女 野村玲子

G.I.の青年 佐久間仁

恋人ジェニイ 山本紗衣

乞食 山口嘉三

黒マスクのジョオ 宮川智之

アンサンブル 大島宇三郎、劉毅、東泰久、田邊祐真

シルエットの女 佐田遥香

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感想

年末に拝見しました。

劇団四季作品も数多く観てきましたが、こちらは初見でした。

▼trailer


浅利慶太追悼公演:5作品連続上演:プロモーションVTR

▼観劇後の感想です。

全く予備知識もないまま観劇しましたが、ラストまでその世界に没入して観ることができました。

客席の頭上には電柱から伸びるライトがかかり、自由劇場がある街角に。

様々な人物がサックス吹きの前に現れ、思い出に浸るのですが、奏でられる音楽はオリジナル曲からアメリカ民謡まで様々。

舞台はシンプルですが、中央に影絵を映し出す装置があり、人々の思い出や懐かしい記憶が浮かび上がるようになっていました。

黒マスクの男の運命を考えながら、戦争で引き裂かれた人々、戦争の無情さに思いを馳せました。

『ロカビリー☆ジャック』2019.12.14.17:30 @シアタークリエ

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『ロカビリー☆ジャック』とは

今回2019年12月に初演されたオリジナルミュージカル。

脚本、作詞、楽曲プロデュースは森雪之丞

作曲は斉藤和義さかいゆう福田裕彦

演出は岸谷五朗

あらすじ

1950年代に誕生し、エルヴィス・プレスリーら人気シンガーが牽引し、一世を風靡したロカビリー音楽。

ロカビリーに魅せられた売れない歌手ジャックは、スターになるために悪魔と契約を交わす。

それは"愛"を歌えないジャックにシンガーとしての成功を約束する代わりに、彼の中に"愛"が生まれ大きく育った時、命とともにそれをもらうという契約だった。

一年後、成功の階段を駆け上がるジャックの前に、一人の女性シンガーが現れ、二人は一瞬で恋に落ちる。

悪魔がささやく「こりゃ意外と早く"愛"を味わえそうだ」。

情熱的な若者たちの愛、友情、青春、予想のつかないどんでん返しの物語に、コミカルでキャッチーかつ感動的な音楽が絡まる日本初の一大エンターテイメント。

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キャスト

ジャック・テイラー 屋良朝幸

ビル・マックロー 海宝直人

ルーシー・ジョーンズ 昆夏美

テッド・ロス 青柳塁斗

魔女 岡千絵

サマンサ・ロッシ/クランキー(声) 平野綾

悪魔 吉野圭吾

ベティ・ブラウン 真瀬はるか

メリー・ライアン 中村百花

ステファニー・ブルース かちゃ

ヘル 蛭薙ありさ

ボブ・ミラー 田村雄一

マーチン・ゲイ 上野聖太

マイク・ハワード 宮野怜於奈

サム・スチュアート 村井成仁

フィル・グッドマン 常川藍里

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感想

最前列で観劇してきました。

劇団四季以外では、かなり久しぶりに日本のオリジナルミュージカルを観劇するということで興味津々でした。

▼trailer


『ロカビリー☆ジャック』PV【舞台映像ver.】

▼ミュージカルナンバーの数々


『ロカビリー☆ジャック』プロモーション映像

▼観劇後の感想です。

なかなか面白かったというのが個人的な感想です。

日本発というとどこかで白けてしまうかなという不安もあったのですが、少なくとも私はそんな場面は一つもありませんでした。

なぜか、どこか懐かしさを感じるロカビリーミュージックのナンバーを基本としたナンバーも、帰り路にハミングできるほどキャッチーで楽しめました。

主演の屋良さんはコール・ポーター役以来かしら。

今回も良かったです。(いい言葉が思い浮かばないけれど、お世辞じゃなく良かったです!)

その友人役の海宝さんもいつも通りの歌唱力。

大変身を遂げる昆ちゃん。

コメディエンヌとしての彼女を初めて観たかもしれません。

可愛さと歌唱力はそのままで、面白い昆ちゃん、最高でした。

ファンタジーの要素である悪魔や魔女もチャーミングでいて演技も素晴らしかったなと。

特に吉野圭吾さんの悪魔がもう『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリーにしか見えなくてww

途中で何度もツッコミたくなってしまいました。

平野さんは何度観ても多種多様の顔を演じ分けられていて圧倒されますが、このブログを書いていて初めて知ったのは、なんと今回あのワンちゃんの声も担当していたということ。

アンサンブル含めてキャストも個人的に大好きな方々ばかりで、非常にレベルが高かったと思います。

この作品、CDでないかしら?需要あると思うので、よろしくお願いします!

最近、多忙のため睡眠時間を削って書いていますが、内容が乏しくなりがちです。

後日、振り返って書き足していきたいと思います。

よろしくお願いいたします。