ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『スクルージ』2019.12.14.12:00 @日生劇場

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スクルージ』とは

1992年にブリミンガムで初演され、1994年に東京で初演されたミュージカル。

チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を基にしている。

音楽は1970年公開の同名のミュージカル映画を基にしている。

演出は井上尊晶。

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あらすじ

19世紀半ばのイギリス、ロンドンのクリスマス・イヴ。

街には賛美歌が流れ、大勢の買い物客や物売りたち、子どもたちで溢れんばかり。

誰もが愛する人と聖夜を祝うべく、楽しげな足取りで家路を急ぐ。

そんな賑やかな街とは対照的に、陰気な金貸しのスクルージ&マーレイ商会は未だ営業中だ。

老主人のエベネザー・スクルージは、巷で評判のけちん坊で、気難しく意地悪という、筋金入りのへそ曲がり。

甥のハリーが挨拶に来ても無愛想。

唯一の従業員ボブ・クラチットがたった1日のクリスマス休暇を取るだけで許可を渋る始末だ。

スクルージは街に出ると、イヴにも関わらず借金の取り立てに勤しんだ。

これだから、スクルージは嫌われる一方。

本人も「嫌いだ、人間!嫌いだ、クリスマス!」とますます頑に心を閉ざしてしまう。

帰宅してベッドに入ると、そこに7年前に亡くなった共同経営者ジェイコブ・マーレイの亡霊が現れた。

欲深いマーレイは、死後、鎖に縛られて彷徨っており、自分みたいにならないようにと、かつての親友に忠告しに来たのだ。

深夜の1時、2時、3時にそれぞれ精霊が現れ、ヒントを授けてくれる、との予言も。

マーレイの言葉どおり、スクルージは過去、現在、未来の精霊の導きにより、自分の人生を辿る旅に出る。

そこで見て経験したことが、彼の人生を大きく変えてゆく。

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キャスト

エベネザー・スクルージ 市村正親

ボブ・クラチット 武田真治

ハリー/若き日のスクルージ 田代万里生

ヘレン/イザベル 実咲凜音

トム・ジェンキンス/若者/パリのパーティー客 畠中洋

ジェイコブ・マーレイ/ヒューゴ・ハーティ 安崎求

過去のクリスマスの精霊/クラチット夫人 愛原実花

フェジウィッグ夫人/ディルバー姉 今陽子

現在のクリスマスの精霊/カーステアーズ氏 今井清隆

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感想

チケットを間違えて取っていましたが、何とかお譲り先が見つかり、私も無事目的のマチネの当日券を手に入れ、無事に観劇することができました。

予約する時は予定をチェックすることを徹底したいと思いました。

▼trailer


ミュージカル『スクルージ』~クリスマス・キャロル~ 2019 PV

ゲネプロの様子


ミュージカル『スクルージ』~クリスマス・キャロル~ 2019 ゲネプロ 市村正親 武田真治 田代万理生 実咲凜音 愛原実花

▼観劇後の感想です。

市村さん演じるスクルージのソロは圧巻のロングトーンで、会場全体が魅せられていました。

作品としては、正直そこまでメロディアスなナンバーもなく、クリスマス作品だけれどやや地味な印象でしたが、素朴さな温かさがあり、子役を含めた全キャストが一丸となっている雰囲気で優しいファミリーミュージカルに仕上がっていました。

ただ、作品の真髄は「死」という重いテーマを扱っており、観劇後少し考えてしまいました。

演出家さんからのメッセージは「メメント・モリ」とのこと。

日々の仕事や家族への向き合い方が改まったような気持ちになりました。

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『I Am From Austria』2019.12.8.15:00 @東京宝塚劇場

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『I Am From Austria』とは

2017年にオーストリアで初演されたミュージカル。

日本では今回2019年初演。

作詞・作曲はラインハルト・フェンドリッヒ。

演出は斎藤吉正。

あらすじ

ここはホテル・エードラー、ウィーンにある老舗の四つ星ホテル。

跡取りのジョージ・エードラーは、伝統と格式を重んじる両親に対して、今の時代に合わせた改革を進めていくべきだと考え、積極的に経営に参加している。

そのホテル・エードラーではこの日、悲願の五つ星達成をかけた大物ゲストを迎える準備が進められていた。

なんと、ハリウッドで成功を収め、今や世界的な有名人となったオーストリア出身の女優エマ・カーターがお忍びで滞在することになっているのだ。

しかし、このトップシークレットを一人の従業員がSNSに投稿してしまい、ホテルは大混乱に。

ジョージは、SNSに投稿したのは自分だと嘘をつき、そのばを取り繕うが、エマと彼女のマネージャー、リチャードの怒りは収まらない。

ジョージは、エマに謝ろうとホテルの名物エードラー・トルテを手にスイートルームを訪れるが、あろうことか扉を開けたエマにトルテをぶつけてしまう。

彼女の苛立ちは頂点に達するが、トルテを一口食べたエマはその味に感激。

やがて言葉を交わすうちに二人は意気投合し、ジョージはホテルを案内しようとエマを連れ出すが・・・

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キャスト

ジョージ・エードラー 珠城りょう

エマ・カーター 美園さくら

リチャード・ラッティンガー 月城かなと

ロミー・エードラー 海乃美月

パブロ・ガルシア 暁千星

フェリックス・モーザー 風間柚乃

ライナー・ベルガー 輝月ゆうま

ヴォルフガング・エードラー 鳳月杏

ミス・ツヴィックル 白雪さち花

デニス 紫門ゆりや

ヘルタ・ヴァルトフォーゲル 夏月都

エルフィー・シュラット 光月るう

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感想

珠城りょうさん率いる月組さんによる、オーストリアうまれのミュージカルを観てきました。

オーストリアミュージカルといえば、まず思いつくのが『エリザベート』ですが、本作はそれとはまた違ったポップな作品となっていました。

また、2019年から宝塚観劇を始めた宝塚超初心者の私ですが、今回は初めて当日券にチャレンジしてきました。

当日券の買い方などについても簡単に書いていきたいと思います。

▼観劇後の感想です。

ホテルの御曹司を演じた珠城りょうさんの、なんというんだろう、恰幅の良さというか、体幹がしっかりしている感じが頼もしくて、魅力的でした。

後で調べたらソフトボールを嗜むスポーツ少女だったとのことで、納得です。

2幕のヘリコプターのシーンは今まで劇場ではあまり観たことがないほど舞台から迫り出すセットで、2階最後列でしたが興味深く拝見しました。

楽曲はポップスが中心で、なかなかキャッチーなものが多く、帰り路にハミングしたくなるような素敵なものでした。

タイトルにもある通り、「I am from Austria.」とクリエイターたちの母国オーストリアへの愛が感じられる歌詞が散りばめられていました。

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続いて、当日券について。

特に初心者の方ですと友の会の抽選ではなかなか当選しませんし、かといって各組でファンクラブに入るなんていうことはできないので、first-come, first-served形式の当日券はとても魅力的だと感じました。

▼当日券取得に関して時系列でかんたんにまとめてみました。

2階席最後列ですが、舞台上はほんの少し切れるかなというくらいで、そこまでpartial viewではないので、おすすめです。

当日券の支払いは現金のみなので、事前にお財布を確認して行った方が良さそうです。