ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』2019.10.13.13:00 @よみうり大手町ホール

f:id:urara1989:20191222211118j:image

『ストーリー・オブ・マイ・ライフ』とは

2006年トロントで初演され、ブロードウェイでは2009年に初演されたミュージカル。

キャスト、登場人物はそれぞれ2人のみ。

作詞作曲はNeil Bartman。脚本はBrian Hill。

今回が日本初演で、平方元基と田代万里生がダブルキャストとしてそれぞれの役を交互で演じた。

演出は高橋正徳。

f:id:urara1989:20191222211232j:image

あらすじ

トーマスは幼馴染の親友アルヴィンの葬儀を前にして、弔辞で彼との35年にわたる友情について書こうと思い至る。

しかし、なかなか書くことができないため、アルヴィンの魂を呼び起こし、教えてもらうことにする。

小学1年生の時、ハロウィンで、アルヴィンの映画『素晴らしき哉、人生』の守護天使の仮装に、クラスで唯一気づいたのがトーマスだった。

その日から2人は大の仲良しになり、アルヴィンの父親の本屋で多くの時間を過ごすようになる。

トーマスが作家になりたいと思うようになったきっかけも、元はと言えばアルヴィンの自由な想像力から生まれる言葉からだった。

しかし、アルヴィンは年齢を重ねてもやや子どもっぽく、周囲からは変わった子という目で見られてしまい、トーマスと距離ができ始める。

時は流れ、トーマスは大学に合格し、父親の本屋を継ぐことになったアルヴィンとは離れ離れになることになってしまう。

f:id:urara1989:20191222211155j:image

キャスト

トーマス 田代万里生

アルヴィン 平方元基

感想

田代万里生さんと平方元基さんの出演する2人ミュージカルを観劇してきました。

たった2人の出演者こミュージカルなので、尋常じゃない台詞量なのですが、息のあった演技で見事でした。

sung-throughというわけではないのですが、一曲一曲が長めのつくりになっていました。

ブロードウェイ公演ではウィル・チェイスが演じていたのですね。

知りませんでした。

▼観劇後の感想です。

旧友の弔辞を書くオープニングから、2人の友情の歴史が描かれていきました。

トーマスとアルヴィンは全く違う性格なのだけれど、不思議と惹かれあって幼い日に親友となります。

成長とともにトーマスは変わっていくけれど、アルヴィンは出会った頃のままの純粋な心でトーマスに接していて、切ない気持ちになりました。

▼オリジナルブロードウェイキャストであるウィル・チェイスが歌うミュージカルナンバー「Butterfly」 


Will Chase "The Butterfly Effect" from THE STORY OF MY LIFE by Neil Bartram

繰り返しになりますが、2人だけの出演者なので、友情のもつれや、それに伴う複雑な気持ち、もどかしさ、やりきれない気持ちがより直接的に伝わってきて、序盤から号泣してしまいました。

平方元基さんの純粋なアルヴィンの可愛さ、笑顔が忘れられません。

f:id:urara1989:20191222211307j:image

田代さんはあえて笑顔はつくらず淡々とした演技だったからこそ、最後のアルヴィンへの思いがこみ上げる場面は非常に感動的でした。

f:id:urara1989:20191222211338j:image

可能なら逆キャストでももう一度観てみたいと終演後に思うほど、良かったです。

男性2人の友情をここまで全面に出したミュージカル作品ってあったでしょうか。

国籍、性別、年齢など、様々な意味でボーダーレスな作品ですし、再演を期待したいところです。