『怪人と探偵』とは
江戸川乱歩による小説を基にしたオリジナルミュージカル。
今回が初演。
作詞・楽曲プロデュースは森雪之丞。
テーマ音楽作曲は東京スカパラダイスオーケストラ。
作曲は杉本雄治(WEAVER)。
演出は白井晃。
あらすじ
昭和34年、東京麻布。
巷では怪人二十面相が金銀財宝を手練手管で窃盗する事件が多発しており、名探偵・明智小五郎らは真相解明に東奔西走していた。
そんな中、元子爵北小路家の令嬢リリカと安住財閥御曹司である竜太郎の婚約発表の日、北小路家の大広間では華やかな仮面舞踏会が開催されていた。
パーティーの最中、怪人二十面相からの犯行予告状が発見される。
「3日後10時北小路家の家宝「パンドーラの翼」を頂戴する」
指定の日時、二十面相の犯行を阻止するため、明智が北小路家を訪れる。
明智を一目見たリリカはなぜかショックを受ける。
同時に明智も動揺を隠せない。
実は、以前リリカと明智は互いを想いながらも、ある事実によりその想いを封じた過去があったのだ。
10時を告げる鐘の音とともに、二十面相が現れ、「パンドーラの翼」は爆発。
明智は負傷し、二十面相はリリカを連れ去ってしまう。
キャスト
令嬢リリカ 大原櫻子
中村警部 六角精児
ネコ夫人ほか 高橋由美子
その他メインキャスト 今拓哉、樹里咲穂、水田航生、フランク莉奈
感想
新作日本オリジナルミュージカルということで、初めてKAATまで行ってきました。
▼舞台映像
▼歌唱PV
▼観劇後の感想
『怪人と探偵』正直1幕で帰ろうと思った。音楽と振付が受け入れられず。特にアンサンブルの振付がダサい(すみません)。ソワレでお疲れなのか全体的にもたつき過ぎ。中川晃教さんの歌唱は高音も伸びやかでいい。 2幕のアッキー覚醒前後からいきなり面白くなった。ただ週末なのに空席が多いのも納得。
— るん / Lune (@nyny1121) September 15, 2019
個人的な趣味もあると思いますが、楽曲と振付が受けつけず、特に1幕は冗長な印象を受けました。
しかし、2幕中盤から次から次にストーリーが進んでいき、ラストまで没頭できました。
根本的な問題ですが、推理小説をミュージカル仕立てにすると、映画のようにアップにしたり、意味ありげな視線を送ったりといった描写が舞台ではできないので、事件の鍵を握る描写や伏線が伝わりにくいと感じました。
また、江戸川乱歩作品ということを意識してか、台詞がやや回りくどく、一回聴いただけでは何を意図しているのか捉えにくかったです。
こういう台詞回しは好きではありますが、初めて観る客に伝わらなければ意味がないのです。
メインのナンバーはJ Popらしいメロディーであり、聴かせどころもなくはないですが、大部分は尻すぼみというか、落とし所が決まらずに全体的にぼんやりして締まりがありませんでした。
キャストに関しては、中川晃教さんの歌声を聴くことができて良かったけれど、アッキーがこの役に対するベストな人選だったかは疑問符。
また、脇を固める樹里さんや今拓哉さんといった実力派が良かったです。
その他、以前、莉奈名義で活動されていたフランク莉奈さんをとても久しぶりに拝見しましたが、お元気そうで何よりです。(がんばってね。)