ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『スカーレット・ピンパーネル』2017.12.2.17:30 @赤坂ACTシアター

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『スカーレット・ピンパーネル』とは

原作は、バロネス・オルツィによる小説「紅はこべ」。

1997年ブロードウェイ初演。

作曲はフランク・ワイルドホーン。

日本では宝塚歌劇団により2008年初演。

あらすじ

1794年、フランス革命の只中。

ロベスピエールを指導者とするジャコバン党の革命政府と公安委員会は、無実の貴族たちを反革命の罪で逮捕し、ギロチンで次々に処刑していった。

このような中、貴族たちを救い出す謎の集団「スカーレット・ピンパーネル(紅はこべ)」がパリの町中を騒がせていた。

スカーレット・ピンパーネルは王太子ルイ・シャルルの救出を目的として動き出す一方、革命政府全権大使のショーヴランはその正体を暴き壊滅を目論んでいた。

物語は、スカーレット・ピンパーネルのパーシー・ブレークニーを中心に、パーシーの妻マルグリット、そしてショーヴランの3人の愛情と疑念、そして憎しみを描きながら展開していく。

キャスト

パーシー・ブレークニー 石丸幹二

マルグリット・サン・ジュスト 安蘭けい

ショーヴラン 石井一孝

ロベスピエール 上原理生

アルマン 松下洸平

デュハースト 泉見洋平

ベン 久保田秀敏

ファーレイ 藤田玲

エルトン 多和田秀弥

ジー 久保貫太郎

ハル 東啓介

マリー・グロショルツ 則松亜海

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感想

この作品を観るのは初めてでした。

今回の観劇したいと思った理由は、①以前から観たい作品だったため、②石丸さんに会いたかったから、③安蘭さんが同一作品で宝塚でパーシー役、退団後マルグリット役と男女2役を経験されたということで興味を持ったから。

以前、NHKのラジオ番組「今日は一日〇〇三昧」のミュージカル特集の時に、たまたま石丸幹二さんの「ひとかけらの勇気」を耳にし、この作品を知りました。

その後、安蘭けいさんver.を毎日聴くようになり、すっかりハマってしまいました。

村岡花子さん訳の文庫本も読んでみました。

解説にありましたが、村岡さんも当時相当この小説に夢中になっていたそうです。

そして、、、

石丸さんに会いたかったんです、すごく笑。

5月に『パレード』で感動して以来、7ヶ月ぶりに。

この舞台を一言で表すと、「石丸・石井・安蘭の安定の三本柱をバックにした石丸幹二の独壇場」。

本当に素晴らしかったです。

ワイルドホーンさんの楽曲って、ラストがロングトーンで伸ばしながらクレッシェンドして盛り上げる流れが多い気がしますが、石丸さんは抜群の歌唱力で演じられていました。

ただ素晴らしいだけではなくて、周りを牽引していく力があって圧倒されました。

「ひとかけらの勇気」はいつも安蘭けいさんのを聞いていたので、今回の舞台版では違う歌詞だったので、まったく違う曲に聞こえました。


 

石丸幹二/ ひとかけらの勇気

舞台全体の感想ですが、ストーリーは予定調和のところがあるものの、石丸さんを軸に笑いを交えて緩急をつけながら進んでいきました。

ただ、小説とは結構違うシーンがあり、ほとんど違う作品ですね。

「ショーヴランがどうして革命運動に参加することになったのか」、「マーグリットはどうして革命運動に参加していたのに翻って現在は反革命派なのか」など、もう少し背景が描かれていてもよかった気がします。

もちろんその辺りは時代背景を考慮した上で想像してください、ということで済ましてもいいのですが、やはりその辺り作品の厚みに欠けてしまう気がします。

ここまで完成しているのに、本当に残念。

ドレスを着て群舞するシーン、フェンシングのシーンなどは当時の雰囲気が出ていて素敵でした。

ギロチンのシーンは何回も出てきたのですが、やはり何度見てもゾッとしますね。

フランスのシーンでは「バリケード」が出てきたり、男性が一堂に会して結束する場面など、所々にレミゼ色が出ていた気が…特に石井さんと上原さんが出ていらっしゃったからかしら笑。

安蘭けいさんは初めましてでした。

各方面で素晴らしい人柄であることを聞いていましたので、本当に楽しみにしていました。

安蘭さんの歌、聴き惚れてしまいました。

この舞台上で一番多く、この作品に出演されているだけあり、ふとした表情や感情表現などが流石でした。

また『サンセット大通り』をされたら絶対に行きます!