ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『ライオンキング』2019.1.12.13:00@四季劇場夏

f:id:urara1989:20190114225253j:image

『ライオンキング』とは / あらすじ

前記事を参照してください。

nyny1121.hatenadiary.com

キャスト

ラフィキ 井上智映子

ムファサ 宇龍真吾

ザズ 明戸信吾

スカー 道口瑞之

ヤングシンバ 勝田朝陽

ヤングナラ 若山桜子

シェンジ 川良美由紀

バンザイ 松尾篤

エド 川野翔

ティモン 近藤聡明

プンバァ 福島武臣

シンバ 鈴木智

ナラ 木内志奈

サラビ 川原晶絵

感想

2019年の観劇初めに行ってまいりました。

約5ヶ月ぶりの『ライオンキング』。

日本での公演は先月2018年12月に20周年を迎えました。

おめでとうございます。

何度も観ていると、この役はこう歌ってほしいなど色々希望が出てきてしまうものですが、今回はラフィキとザズは残念ながらちょっと受け付けませんでした。

ラフィキはオープニングの第一声からして期待はずれでした。

ラフィキの第一声の伸びや安定性やpitchがその回のキャスト陣の宣誓みたいなもので、これが少しでも期待に逸れるとそのあと観る気が半減してしまいます。

ザズはもう言うまでもなく、声の高さがもう少し高めでキャラ感を出そうという感じをほとんど感じられませんでした。

ムファサの威厳を示す低い声に対して、ザズはあの小さい体なのだからもっと高い声でしょうと思ってしまいます。

唯一の救いはヤングシンバでした。

13日の公演を観るついでに行くことにした公演なので、それにしては楽しめました。

今回はそれ以上加えることはありません。

『王様と私(1956)』The King and I

f:id:urara1989:20190110180901j:image

王様と私(1956)』とは

1951年初演の同名のブロードウェイミュージカルを基にした1956年公開のミュージカル映画

舞台版は、実話に着想を得た1944年の小説『アンナとシャム王』を基にしている。

アカデミー賞5部門受賞。

音楽はリチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタインⅡ世による。

監督はウォルター・ラング

あらすじ

未亡人のイギリス人教師アンナは息子のルイスとともに、シャム王の子どもたちの家庭教師として赴任する。

アンナは王の妻たちに幅広い知識を教え、彼らも一生懸命に勉強する。

しかし、アンナは王に対して、使用人として扱われることを拒み、衝突してばかりしてしまう。

ある日、アンナは、王がイギリスを脅威に感じていることを知り、励ますうちに次第に打ち解け心を通わせて行く。

一方、ビルマから貢物として送られてきたタプティムは、密かに使者のランタと恋仲になっており、結ばれることのない2人をアンナは度々助ける。

ある日、イギリス特使ラムゼイ卿一行が突然、王宮を訪れるという知らせが届く。

シャム植民地化のための視察ではと苦慮する国王に、アンナは西欧式の晩餐会でラムゼイ卿を歓迎し、シャムが近代的な国のように見せるよう提案する。

王はアンナの提案を受け入れ、それが功を奏する。

そんな次第に親しくなる2人にも別れの時が近づいていた。

キャスト

アンナ・レオノーウェンズ デボラ・カー(歌:マーニ・ニクソン

王 ユル・ブリンナー

タプティム リタ・モレノ(歌:リオナ・ゴードン)

チャン王妃 テリー・サウンダース

クララホム首相 マーティン・ベンソン

ルイス・レオノーウェンズ レックス・トンプソン

チュラロンコーン王子 パトリック・アディアート

ランタ カルロス・リヴァス(歌:ルーベン・フェンテス)

感想

「祝・Kelli O'hara主演『The King and I』2019年来日」ということで、映画版を改めて観てみました。

「Shall We Dance」「I Whistle a Happy Tune」「Getting to Know You」「Hello, Young Lovers」などのロジャース&ハマースタインによる名曲が全編を彩っており、音楽から楽しめました。

歌声については、ユル・ブリンナー以外はほとんど吹き替えで、アンナ役のデボラ・カーはかの有名なマーニ・ニクソン*1ですね。

↓iconicなシーン「Shall We Dance」


Yul Brynner and Deborah Kerr perform "Shall We Dance" from The King and I

この作品が時代を経ても愛され続けている理由の一つに、王とアンナの踏み込みすぎない、淡い恋愛関係にあるのではないでしょうか。

キスシーンもありませんし、思いを打ち明け合うこともありません。

でも互いに好意を感じていて、そのプラトニックな激情は「Shall We Dance」で絶頂を迎えます。

未亡人の女性と一夫多妻制に則っている男性が、文化・慣習や言語の違いを超えて理解し合い、惹かれあい、結局、結末を見るまで目が離せません。

時代背景もあり、女性蔑視や民族蔑視のセリフも出てくるので、きっとタイ国内では議論を呼ぶ内容かと思いますが、個人的にはアメリカ人のアジアに対するイメージを垣間見られ興味深かったです。

ロジャース&ハマースタインのミュージカルではアメリカ人が1人も登場しない、珍しい作品でもあります。

 

 

 

 

*1:マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘップバーンや『ウエストサイド物語』のナタリー・ウッドなどの歌の吹き替えで有名。『サウンド・オブ・ミュージック』ではシスター役として出演している。