ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる純粋なミュージカルブログ

『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ・スペシャルショー』2017.10.14 so

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待ちに待った、ジョン・キャメロン・ミッチェルが出演するヘドウィグに行ってきました。

映画ヘドウィグについてはこちらに書かせていただきました。

nyny1121.hatenadiary.com

今回のショーは、ジョン・キャメロン・ミッチェル中村中さんのお二方を主演に迎えた舞台でした。

ヘドウィグの歌唱を英語でミッチェルが熱唱し、ヘドウィグやその他の日本語のセリフやイツァークの英語の歌唱を中村中さんが担当しています。

お客さんの中にはヘドウィグのウィッグをつけられた方々が散見されました。

ハロウィンが近いこともあるのか、トミーノーシスの額のジーザスマークをペイントされた方も結構いらっしゃいました。

日本人は概して恥ずかしがりなのに、こういった扮装を見られると、皆さんの強いヘドウィグ愛を感じました。

突然の1階席からのミッチェルの登場で始まった舞台は、Tear me downの熱唱でいきなりスタンディンオベーションの嵐でした。

開演早々、涙が…もう止まりませんでした。

Tear me downでヘドウィグが身にまとうマントに、ちゃんとTokyoの文字が入っていて、とても嬉しかったです。

舞台は歌以外は基本的に日本語で進んで行き、英語の歌の際にはスクリーンに日本語字幕が出るようになっていました。

ミッチェルも所々日本語を挟みながらファンサービス。

「ヨッコイショ」って言った時には笑いが止まらなかったです。

トミー・ノーシスは声のみの出演で、日本語でした。

基本的に、ブロードウェイでのショーをベースに作られたものなので、映画版では削除された楽曲も入っていました。

それが、イツァークのソロ曲である「Random Number Generation」です。

この曲は中村中さんが英語歌詞で、舞台上を飛び跳ねながらパワフルに歌われていました。

ライブで中村中さんを拝見したのは今回が初めてだったのですが、ものすごくおしとやかなイメージだったので、今回の演技は予想外の連続で、圧巻でした。

キャメロンのヘドウィグの勢いに負けないスピード感、パワフル感、凄まじかったです。

例のcar washされたのは、中央ブロック前方左通路側に座られていた方でした。

うらやましい…


ヘドウィグ2017年SPECIAL SHOW ジョン・キャメロン・ミッチェル メッセージ

生きている間に、まさかミッチェルのヘドウィグを見られるなんて思っていなかったので、今日は心底幸せを感じています。

本当にありがとうと心から言いたいです。

『レディ・ベス』2017.10.9 so

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知り合いの方にチケットを譲っていただき、初日に行ってまいりました。

今回観に行くことにしたのは、チケットを譲っていただいたこと、前回見逃した演目であったためなどのため。

それでは行きましょう。

『レディ・ベス』とは

2014年、帝劇にて世界初演されたミュージカル。

エリザベート』や『モーツァルト!』のクリエイター陣が制作にあたった。

45年もの間、英国女王として君臨したエリザベス1世の若き日々が描かれている。

あらすじ

16世紀イギリス。ベスは国王ヘンリー8世の娘にも関わらず、母が反逆罪の汚名を着せられ処刑されたため、片田舎で家庭教師たちとともに勉学に勤しみながらひっそりと暮らしていた。王女らしい理知と少女らしい好奇心に満ちたベスはひょんなことから出会った吟遊詩人ロビンに反発しながらも淡い恋心w抱き始める。しかし、ある日、彼女が現国王である姉のメアリーに対して叛逆を企てているとの疑いをかけられ一変する。忠義心をメアリーに信じてもらえず、市況ガーディナーやスペイン大使ルナールに陥れられ、ついにロビンとも引き離され、ロンドン塔に投獄されてしまう。。。

キャスト

レディ・ベス 平野綾

ロビン・ブレイク 加藤和樹

メアリー・チューダー 吉沢梨絵

ロジャー・アスカム 山口祐一郎

キャット・アシュリー 涼風真世

フェリペ 古川雄大

アン・ブーリン 和音美桜

ガーディナー 石川禅

シモン・ルナール 吉野圭吾

感想

中央の丸い円形傾斜舞台が印象的な舞台セット。

照明が“適材適所”に効果的に用いられていました。

ミュージカルとしては、いまいち盛り上がりに欠けるというか、気持ちが入らなかったですね…

音楽が今ひとつ好みではなかったかな…

ベスが吟遊詩人と恋するという筋書きも、そんなことありえん!と思ってしまい、冷めた目で観てしまいました…

いつからこんなつまらない大人になってしまったのでしょう。。。涙

平野さん、加藤さん、古川さんは初めてでした。

ベスを演じられた平野さんは同年代だったので、自分自身をベスに投影しやすく、とても良かったです。

輪っかのドレスもとてもよくお似合いでした。

加藤さんは舞台から遠いB席からもイケメンぶりがよく伝わってくる演技でした。

アーティスト仲間との掛け合いも楽しかったです。

また、周りの皆さんの古川さんへの熱視線にびっくり!

古川さん登場の場面ではこぞってオペラグラスを覗き込んでいらっしゃいました。

うむ、確かに美青年。私はタイプではないですが。

来年の『モーツァルト!』が楽しみですね。

吉沢さん、お久しぶりでした。

四季時代の赤毛のアンなどの天真爛漫な雰囲気とは全く違った役どころ、見事でした。

 

今回、入場時、全員にメインキャストの顔写真の入った缶バッチがプレゼントされました。

私は、山口祐一郎さんでした♡

大切にします。


『レディ・ベス』2017/10/9 カーテンコール映像

『シカゴ(2002)』Chicago

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『シカゴ』とは

2002年公開のアメリカのミュージカル映画

1975年初演のブロードウェイミュージカルを映画化したもの。

ミュージカルは、記者のワトキンスが調査した実際の犯罪および犯罪者を題材にした同名のストレートプレイを基にしている。

あらすじ

1920年代、禁酒法時代のシカゴが舞台。

ボードビル・ダンサーに憧れるロキシー・ハートはヴェルマ・ケリーが舞台に立つナイトクラブを訪れ、うっとりとその舞台を見つめる。

ロキシーはそのナイトクラブのマネージャーと知り合いであり、自分を売り込んでくると言うフレッド・ケイスリーと浮気をしていた。

しかし、それは真っ赤な嘘だった。

真実を知ったロキシーは怒り狂い、銃でフレッドを撃ってしまう。

夫のエイモスは当初ロキシーを庇おうとしたが、不倫の事実を知り、ロキシーが殺したと言ってしまう。

刑務所に入れられたロキシーは不安の中、敏腕弁護士のビリー・フリンを雇い、なんとか終身刑を回避しようとする。

ビリーはロキシーの身の上話から何から何まで嘘ででっち上げ、マスコミを操って、ロキシーを勝訴へ導こうとする。

たちまち、ロキシーは新聞一面を飾るほどの、世間の注目の的となるのだった。

キャスト

ロキシー レネー・ゼルウィガー

ヴェルマ キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

ビリー リチャード・ギア

メイトロン・ママ・モートン クイーン・ラティファ

エイモス ジョン・C・ライリー

バンドリーダー テイ・ディグス

メアリー・サンシャイン クリスティーン・バランスキー

ニッキー チタ・リヴェラ

感想

『シカゴ』のブロードウェイキャストレコーディングを何回聴いたことでしょう。

1日に10回聴いた日もありました。

2008年の米倉涼子和央ようか主演の日本版も観に行きました。(なんと日本初演のロキシーは草笛光子さんだったんですね!びっくりです!)

もちろん映画も大好きです。

この映画は、2000年代のミュージカル映画ルネッサンスのきっかけになった作品と言っていいでしょう。

ミュージカル映画として久々にヒットし、この作品以降、より頻繁にブロードウェイミュージカルが映画化されるようになりました。

この映画化にあたって、やはり楽曲が削られていたり、登場人物もやや変わっています。

「Me and My Baby」はよく耳を澄ませると、instrumentalでバックに流れていますが、この曲大好きだったので、歌われなかったのはちょっと残念。

「Class」も本編では削られていましたが、DVDには特典映像で入っていたので、撮影はされていたんですね。

報道記者のメアリー・サンシャインは映画版ではクリスティーン・バランスキーが演じていますが、舞台版では男性が女装をして演じ、高い歌声を披露して、最後にカツラを外して男性と明かされる展開が多いです。

クリスティーン・バランスキーは『マンマ・ミーア!』などに出演している歌って踊れる女優さんなのですが、今回はそういった場面はお預けでした。

さて、映画の秀逸な点ですが、やっぱり冒頭の「All That Jazz」。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズの鋭い視線とかっこいい歌声に心掴まれます。

「Cell Block Tango」では、囚人女性たちが被害者たちを自業自得だと歌うのですが、ブロードウェイで現役、あるいは過去に活動している/していた女優たちが演じており、非常にtheatricalで迫力があるものに仕上がっています。(よく見たら、チタ・リヴェラとか出てますし!)

バンドリーダーのテイ・ディグスは『レント』のベニー役でお馴染みですね。

そんな中、リチャード・ギアがハリウッド臭をさせて浮いていると言うことなく、ダンディなビリー・フリンを演じています。

さすがです。

レネー・ゼルウィガーの舌ったらずのおばかちゃんの演技も、ロキシーそのもの。

素晴らしかったです。

この作品の特徴として、歌が現実の世界から離れたところで歌われると言う特徴があります。

警察がロキシー宅の殺人現場に訪れた際に歌われる「Funny Honey」の始まりには「この歌は献身的な夫エイモスに捧げられます」と言う解説が入ります。

つまり歌っているのは現実の世界ではなく、ロキシーの心の中と言うことになります。

このほかも多くの楽曲がこのスタイルで歌われ、多くの場合、背景は黒で統一され、鏡やピアノなどシンプルなものが置かれているだけです。

「When We Both Reach For the Gun」「Mr,Celophan」では道化師のようなあからさまなメイクで、フェイクの世界であることが強調されています。

だからこそ、最初の「All That Jazz」と最後の「Nowadays/Hot Honey Rag」のライブ感がより一層際立っているのではないでしょうか。

また、このことは、この物語自体が当時の社会におけるマスコミや刑事裁判をテーマにした、あくまで風刺劇に過ぎないことを示唆しているのです。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000)』Dancer in the Dark

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ダンサー・イン・ザ・ダーク』とは

2000年公開のデンマークの映画。

奇跡の海』『イディオッツ』に続く『黄金の心』3部作の3作目。

あらすじ

舞台はアメリカのある町。チェコからの移民セルマは、息子ジーンと2人暮らしをしていた。貧乏だが工場での労働の他に、地元のミュージカルに『サウンド・オブ・ミュージック』のマリア役として出演するなど、日々楽しいものだった。

だが、セルマは先天性の病気で徐々に視力が失われつつあり、今年中には失明する運命にあった。ジーンもまた、彼女からの遺伝により13歳で手術をしなければいずれ失明してしまうため、必死で手術費用を貯めていた。

しかし、セルマは視力の悪化により仕事上のミスが重なり、ついに工場をクビになってしまう。しかも、ジーンの手術費用として貯めていた金を親切にしてくれていたはずの警察官ビルに盗まれてしまう。セルマはビルに金を返すよう迫り、もみ合っているうちに拳銃が暴発、ビルは死んでしまうのだった。

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キャスト

セルマ ビョーク

キャシー カトリーヌ・ドヌーヴ

ビル デヴィッド・モース

ジェフ ピーター・ストーメア

ノーマン ジャン=マルク・バール

ジーン ヴラディカ・コスティック

リンダ カーラ・シーモア

オールドリッチ ジョエル・グレイ

サミュエル ヴィンセント・パターソン

感想

この映画を初めて観たとき、一週間くらい引きずって、もう二度と観たくないと思いました。

でも、また、何度か観てしまう自分がいます。

主人公はチェコから息子の眼の手術のために渡米したセルマ。

ミュージカルが大好きで、地元のミュージカルに出演したり、工場で働いている間もミュージカルの白昼夢を見るほど。

ただ徐々に視力を失いつつあり、ミュージカル映画を観てもキャシーが隣で解説をしないとわからないこともよくある状態。

工場の単調な作業、数々の受け止め難い現実。

そういったものをセルマは全て頭の中でミュージカルにして、自分の理想的な世界に変えて乗り越えていくのです。

ミュージカルは往々にて明るく勧善懲悪のhappy-go-luckyな世界と捉えがちですが、この作品は辛い、辛すぎる現実への対処法としてミュージカルを用いています。

この点では、少し『嫌われ松子の一生』に近いのかなとも思いました。

ビョークのアンニュイな歌声と言うのでしょうか、独特な歌声が手持ちカメラのラフな撮影方法に合っていて、なんとも不思議な雰囲気を持ったミュージカル映画になっています。

ミュージカルの華やかな舞台には立てなかったセルマですが、最期には皮肉にも別の舞台(絞首台)に立つことになることから、まさに文字通りダンサー・イン・ザ・ダークなのです。

脇を固める俳優陣は『シェルブールの雨傘』のカトリーヌ・ドヌーヴや『キャバレー』のジョエル・グレイなど、ミュージカル映画史を彩ってきた名優ばかり。

初めて観たとき、こんなに暗い映画があるのかと思いました。

しかし、さらに暗い、もう一つ別のラストの案もあったそうです。

それは、セルマが最期の時、ジーンの手術が失敗したという知らせが入り、セルマが半狂乱になるというもの。

結果的にビョークが猛反対し却下されたそうですが、トリアー監督どこまで鬼なのか。

暗い結末に目を背きたくなることは何度もありますが、この映画描いているのは、子どもの幸せを願う、ある母親の子どもへの愛です。

どなたにも、一度は観ていただきたい一作です。


Dancer in the Dark - Trailer

『ハッピー・フィート2 踊るペンギンレスキュー隊(2011)』Happy Feet Two

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『ハッピー・フィート2 踊るペンギンレスキュー隊』とは

2011年公開の3DCGアニメーション映画。

2006年に制作された『ハッピー・フィート』の続編。

あらすじ

タップダンスの達人として成長し、幼馴染のグローリアとも結婚したマンブルは、ある悩みを抱えていた。それは二人の間に生まれた息子エリックがダンス嫌いであること。ある日、エリックはマンブルの元から飛び出すが、そこで空飛ぶペンギンのマイティ・スヴェンと出会う。そんな時、ペンギンたちが暮らすエンペラー帝国が巨大な氷山の倒壊に巻き込まれ、グローリアや仲間たちが氷山に閉じ込められてしまう。エンペラー帝国の外にいて無事だったマンブルやエリックらは仲間たちを救うために奔走。エリックはそんなマンブルの勇敢な姿を見て大切なことを学んでいく。

キャスト

マンブル イライジャ・ウッド

エリック エイヴァ・エイカーズ

ラモン/ラブレイス ロビン・ウィリアムズ

スヴェン ハンク・アザリア

グローリア アレシア・ムーア(ピンク)

ウィル ブラッド・ピット

ビル マット・デイモン

カルメン ソフィア・ベルガラ

シーモア コモン

感想

前作と続けて観ました。

エリックがとっても可愛くて癒されました。

あのペンギン歩きといったら・・・!

まぁ、相変わらずキャストが豪華でびっくりです。

採用されている楽曲はポップなものからオペラの替え歌まで様々。

マンブルみたいなダンスの才能はなくても、おばあちゃんおじいちゃん譲りの美声を持つエリックはオペラの替え歌でしたね。

映画自体は嫌いではなかったですが、特に心に残るシーンなどなく観終わりました。


Happy Feet 2 Trailer 2 Official (HD)

『ファインディング・ネバーランド』2017.9.24 so

『ファインディング・ネバーランド』とは

2015年ブロードウェイ初演(2012年にライセスターでプレミア公演)のミュージカル。

2004年公開のジョニー・デップ主演の映画『ネバーランド』をミュージカル化したもの。

さらに、映画版はアラン・ニーの「A Man Who Was Peter Pan」を基にしている。

ブロードウェイ初演ではテレビドラマ『glee』のウィル・シュースター先生役のマシュー・モリソンが主演を務めた。

2019年には石丸幹二主演で日本版が制作される予定。

あらすじ

 19世紀後半のイギリス。仕事が行き詰まって落ち込んでいた劇作家J.M.バリは、未亡人シルヴィアと4人の子ども達と出逢う。父親を亡くし傷心していた三男ピーターは悲しみを乗り越えるため、自らの純粋な心を閉ざし、大人になろうとしていた。しかし劇作家バリと交流を深めていくうちに、「物語(小説)」という「想像」が生み出す輝かしい世界に希望を見いだし始め、同時に、自分の夢や希望を捨てることが大人になることではないと悟る。

 そんな風に成長するピーターや、兄弟たちの無邪気さをみて、バリも劇作家としての自分の原点を思い出す。「劇playとは遊びplayだ、自分の純粋な気持ちに正直になっていいんだ」と。そして自分が空想した世界を基に「ピーターパン」の物語を作る。高尚な芝居が求められた当時のロンドンでファンタジーは無謀ともいえるチャレンジであった。そんな中、無惨にもピーターと兄弟たちを新たな悲しみが襲う。そのときピーターがみつけたものとはー。永遠の物語を生み出した作家と彼を囲む人達の知られざる真実。

キャスト

J.M.バリ ビリー・タイ

シルヴィア クリスティン・ドワイヤー

チャールズ/フック船長 ジョン・デイヴィッドソン

デュ・モーリエ夫人 カレン・マーフィー

感想

この日は久々にマチソワ*1しました。

海外に行った時は当たり前のマチソワですが、国内では久しぶりです。

通常、私は来日公演を観に行くことはあまりありません。

ブロードウェイ界隈のキャストオーディションでは、まずブロードウェイキャストが選ばれ、次にアメリカ全土をめぐるUSツアーキャストが選ばれ、最後にinternationalツアーキャストが選ばれるのです。

もし、『レント』などの国際的に有名なショーのinternationalツアーキャストと、無名のショーのブロードウェイ初演キャストに同時に選ばれたら、その俳優は間違いなく後者を選びます。

ブロードウェイの舞台に立つということは、それほどまでに俳優たちの大きな夢なのです。

初演キャストだと確実に名前が残りますし、写真やCDのレコーディングへの参加もできるので。

しかし、この作品はブロードウェイで上演されていた時から興味を持っていて、ウエストエンドで上演されるより先に日本にやってきたので、迷わず行ってしまいました。

初のシアターOrbで、わくわく。

上に書いた通り、ピーターパンの生みの親、ジェームズ・バリがどのようにして彼を創りだしたのかを描いた物語です。

トニーにノミネートされることはありませんでしたが、今回観て、音楽もお話も演出も素晴らしく、非常に見応えがありました。

音楽はゲイリー・バーロウというイギリスのテイク・ザットのメンバーの方。

ピーターパンでは避けられないフライングシーンですが、人間が人間を持ち上げ、飛んでいる人間だけに光を当てて、飛んでいるように見せています。

この演出については最初は学芸会か!と思っていましたが、実際に見るとワイヤーで吊った演技より、本当に自由に自然な動きができるんです。

また、シルヴィアのラストシーンで見られる金吹雪が非常に美しかったです。

下から風を起こす装置が円状に配置されていて、スノーダストの中にいるかのように見えました。

子ども好きなバリが子どもたちと一緒に空想の世界で遊ぶなど、心の交流が描かれている場面は微笑ましく、癒されました。

また、一番の涙腺刺激ポイントはシルヴィアに関する事実を知ったピーターを諭すシーンで歌われる「When your feet don't touch the ground」。

思わず涙してしまいました。


ミュージカル『ファインディング・ネバーランド』より「When your feet don’t touch the ground 」(日本語字幕付き)

*1:マチネ公演とソワレ公演の2公演を1日で観ること。

『百鬼オペラ羅生門』2017.9.24 ma

『百鬼オペラ羅生門』とは

イスラエル出身の演出家、振付家であるアブシャロム・ポラック、インバル・ピントによるホリプロの、芥川龍之介の同名小説を基にした音楽劇。

あらすじ

永遠にも似た時間、音楽隊が旅を続けている。雨が降り出すと、百鬼たちが現れる。そのうち雨は嵐となり、百鬼たちが乱舞する。彼らが見つめるのはあらゆる生き物、特に人間。短い時をせわしなく生き、死ぬ、無様で愚かな人間たち。

嵐の中、羅生門にやってきた下人は女のしたいの髪の毛を抜く老婆に出会う。殺そうとした老婆に逃げられ、取り残された下人の前で、やがて死んだ女が目を開き、むくりと起き上がった。「変わらないね」下人は女の記憶を探す旅に出る。

旅の途中、下人は様々な人々と出会う。鼻に劣等感を抱く内供とその小姓。3人の旅人たちが語る真砂と夫の武弘、盗賊の多嚢丸が関わる殺人事件。

下人はついに悪夢にも飲み込まれていく。

巡り合いを重ね、もつれ合う無数の糸。その交点に火花が散る。やがて下人は女を思い出す。その激しくも鮮やかな生き様を。女の記憶を取り戻した下人は、再び雨の中にいる。そして羅生門に戻っていく。

キャスト

下人/多嚢丸 柄本佑

女/真砂 満島ひかり

主人/武弘 吉沢亮

百鬼/内供/旅人(木こり) 田口浩正

百鬼/小姓/旅人(放免) 小松和重

老婆/旅人(巫女)/母 銀粉蝶

感想

不思議な世界観でした。

前回、日本でアブシャロム・ポラック*1インバル・ピント*2が演出を務めた公演、ミュージカル『100万回生きたねこ』は見逃してしまったので、今回とっても楽しみに劇場に向かいました。

芥川龍之介は高校時代夢中で読んだきりで、最近はすっかりご無沙汰でしたが、シアターコクーンへの道すがら、はるかなる記憶を呼び起こしていました。

実は、何気に初シアターコクーンで、ちょっとそわそわ。

中2階からの観劇でしたが、想像以上に舞台に近かったです。

舞台自体は、最初にも書いた通り、不思議な世界でした。

満島ひかりら役者陣の幻想的なフライングシーン。

この舞台のために演出家たちが創作した独自性の強いかわいい妖怪たち。

個性的な衣装を身につけた独特な楽器演奏。

コンテンポラリーダンスを中心とした舞踊シーン。

それら全てがこの不思議な空間をつくっていました。

かわいい妖怪たちというのは、文字ではなんとも表現しづらいのですが、お花の妖怪とか・・・とにかく百鬼と言うだけあってたくさん色々な妖怪たちが登場します。

日本昔話に登場しそうな、よく見ると足がない妖怪もいれば、やはり海外の方でないとこういうデザインは出てこないなという妖怪もおり、多種多様。

こう見ていると、よくこんなデザイン思いつくなぁというものが多いですが、お花の妖怪でディズニーの『ファンタジア』のくるみ割り人形の葦笛の踊りを思い出しました。

ミュージカル的要素の主軸である歌ですが、所々出てきますが、うーん、オペラと名前をつけるのは如何なもの?という程度のもので、あらかたセリフで進行していきます。

残念ながら、特に印象に残っている歌はありません。

おそらく、原作を読んでいない、あるいはほぼ記憶にない方がこれをご覧になっても、非常にテーマを捉えづらく、難解なお芝居をみた、という感想で終わってしまうのではないかと思います。

というか、原作を熟知していても、この作品はまた羅生門とは別のものと捉えた方が、世界に入りやすかったのかもしれません。


百鬼オペラ「羅生門」 30秒スポット映像

*1:Avshalom Pollak 1970年イスラエルに生まれる。俳優として正式な訓練を受け、数多くのテレビ、映画、演劇作品に出演。俳優業以外では、CMの制作チームに関わった他、CGデザイナーやプロの料理人の仕事も経験している。1993年にピントとダンスカンパニーを創設し、数々のオリジナル作品を発表。舞踏団以外でもオペラ、ミュージカルの演出とデザインを手がける。

*2:Inbal Pinto 1969年イスラエルに生まれる。15歳でダンスを始め、エルサレムのベザレル・アカデミーでグラフィック・アートを学ぶ。ダンサーとしてバットシェバ舞踏団に在籍。1990年から振付師の活動を開始した。2000年『Wrapped』でニューヨークのベッシー賞を受賞した。2007年イスラエル文化賞、テルアビブ市賞を受賞。