ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる純粋なミュージカルブログ

『シークレット・ガーデン』2018.7.8.so

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『シークレット・ガーデン』とは

1991年ブロードウェイ初演のミュージカル。

原作はフランシス・バーネット作の同名の児童小説。

トニー賞を3部門で受賞。

今回が日本初演で、今年2018年ブロードウェイで、シエラ・ボーゲス主演で再演が予定されている。

あらすじ

1900年代初頭。

イギリス領インドで育った10歳の少女メアリーは、両親を流行していたコレラで亡くし、イギリスのノースヨークシャーに住む伯父アーチボルドに引き取られる。

しかし、アーチボルドは、最愛の妻リリーを亡くして以来すっかり気難しくなってしまっていた。

彼はリリーの面影を留めた息子とも距離を置き、屋敷にはすっかり沈んだ空気が漂っていた。

庭を散策していたメアリーはある日、「秘密の花園」の存在を知る。

リリーが大切にしていた庭園で、彼女の死後にアーチボルドが鍵をかけて閉ざしてしまったという。

ふとしたことからその鍵を見つけるが、肝心の扉が見つけられない。

日々の暮らしの中でメイドのマーサやその弟ディコンをはじめとした使用人達を徐々に打ち解けて行くメアリー、しかしその一方でアーチボルドは、どこかリリーに似ているメアリーを気に掛けながらも自身の殻から抜け出せずにいた。

アーチボルドの息子コリンは、叔父で医師のネヴィルの言いつけにより屋敷の部屋から出ずに暮らしており、足が不自由なひねくれた少年に育っていた。

突然現れたメアリーにもはじめは猛反発していたが、遠慮なくぶつかってくる彼女に次第に心を開いていく。

ある日、リリーの不思議な導きにより「秘密の花園」の扉を発見したメアリー。

枯れてしまった庭を蘇らせようと、ディオン、庭師べんとともに、アーチボルドには秘密で手入れを始め…


『シークレット・ガーデン』ダイジェスト 舞台映像

キャスト

アーチボルド 石丸幹二

リリー 花總まり

ネヴィル 石井一孝

マーサ 昆夏美

ディコン 松田凌

メアリー 池田葵

コリン 大東リッキー

ベン 石鍋多加史

ローズ 笠松はる

アルバート 上野哲也

苦行僧 大田翔

ライト中尉 鎌田誠樹

ミセス・メドロック 鈴木結加里

アーヤ 堤梨菜

ミセス・ウィンスロップ 三木麻衣子

感想

日曜日ソワレに行ってまいりました。

この作品は、ずっと待ち焦がれていた作品の一つで、何度もオリジナルブロードウェイキャスト盤を聴きながら想像していましたが、今回はそれを全く裏切らない仕上がりで、満足のいく観劇となりました。

今年11月にブロードウェイでリバイバルが予定されている本作ですが、初演ではメアリー役の女優さんが当時最年少でトニー賞主演女優賞を受賞しました。

また、初演時のディコンを、『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』で知られるジョン・キャメロン・ミッチェルが演じており、彼は本作でブロードウェイデビューを飾りました。

ヘドウィグとは程遠い役柄ですよね・・・

今回、石丸さんが演じるアーチボルドは、その時マンディ・パティンキンが演じていますが、石丸さんは彼の役をフォローしているのかなと思っています(『Sunday In the Park With George』のジョージとか)。

↓『The Secret Garden』1991年のトニー賞授賞式でのパフォーマンスです。


The Secret Garden Tony Awards 1991

さて、今回の観劇前に、小学2年生ぶりに原作小説を読んでみましたが、小説ではメアリーやコリン、ディコンなどの子どもたちの視線で描かれている一方、ミュージカルではそれに加えて、アーチボルドやネヴィルの関係性、さらに亡くなったリリーやローズまで回想シーンで登場し、小説では描かれていない大人たちの視線も描いています。

また、舞台上のデザイン、装置、照明が幻想的な雰囲気を醸し出していて美しかったです。

暗い屋敷の中と、閉ざされていた秘密の花園の扉の向こう側の対比が印象的でした。

事前にinstagramで石丸さんが紹介されていた、劇中に使われる効果音を奏でる楽器も、気になりました。

小説の中では、メアリーやコリンは相当放蕩なクソガキとして描かれていますが、子役ちゃんたちはこれをうまく演じていましたね。

特に、メアリー役の池田葵ちゃんはとても声が通り、セリフも歌も非常に聞き取りやすかったです。

石丸さんのミュージカル出演は2019年1月の『Love Never Dies』までお預けのようなので、年内見納めとばかりに、一挙手一投足に目を凝らしてしまいました。

とても素晴らしかった・・・いつも期待以上のパフォーマンスをありがとうございます。

花總まりさん演じるリリーがオープニングで、ブランコに乗りながら登場し、イギリス民謡を想起させる旋律を歌うシーンは夢のようでした。

昆さんは訛りも可愛くて、歌声は相変わらず圧巻でしたね。

笠松はるさんは、実に四季の『赤毛のアン』ぶりかしら。


『シークレット・ガーデン』歌唱披露会見ダイジェスト

確かに、煌びやかな派手さはないナンバーですが、インド音楽やイギリス音楽のモチーフを使うなど、丁寧に作られている印象があり、私は好きです。

『キス・ミー・ケイト』2018.7.8.ma

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『キス・ミー・ケイト』とは

1948年にブロードウェイで初演されたミュージカル。

音楽はコール・ポーターによる。

「So In Love」など、単独曲としてスタンダード化しているメロディアスなナンバーが数多くある。

1953年にはMGMにより映画化された。


『キス・ミー・ケイト』2018年プロモーション映像

あらすじ

ボルティモアの劇場、『じゃじゃ馬ならし』の初日。

脚本・演出・主演・プロデューサーのフレッドは大忙し。

抜擢したロイスに気があるし、相手役の元妻リリーともいい雰囲気。

やがて一つの花束が、大騒動を巻き起こす。

ロイスの恋人ビルは、今日もギャンブルで大負け、フレッドの名前を使い借用書にサインする。

やがて借金の取り立てに、ギャングが楽屋にやってくる。

 そして、舞台は開幕。

リリー演じるキャタリーナはじゃじゃ馬娘、ロイス演じる妹ビアンカを先に結婚させることはできず、父親は大弱り。

そこへフレッド演じるベトルーチオが、持参金つきならOKと、じゃじゃ馬ならしに名乗りを上げた。

舞台裏では、リリーが手紙の宛先に気づいて激怒し、婚約者のハウエル将軍まで登場。

公演中止かと思われたが、機転を利かせたフレッドは、公演できないと借金が払えなくなると、ギャングを味方につけてしまう。

キャスト

フレッド 松平健

リリー 一路真輝

ロイス 水夏希

ビル 大山真志

ハウエル将軍 川﨑麻世

ギャング 太川陽介杉山英司

感想

来年2019年、ブロードウェイで、ケリー・オハラ主演でリバイバルも決まっているこの演目。

日本でも再演が繰り返されているカンパニーの公演に、ようやく行くことができました。

改めてコール・ポーターの最高傑作だなと思いました。

古き良き舞台裏ミュージカルですね。

映画もリバイバル版ブロードウェイキャストCDも何度も見聞きしてきたので、歌唱力とタップダンスシーンが少なく、少し物足りなさもありましたが、来年ブロードウェイで観る前の復習になって良かったです。


『キス・ミー・ケイト』2018年稽古場最新映像

『ライオン・キング』2018. 7. 7. so

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『ライオンキング』とは

同名の1994年公開のディズニー映画を基にした1997年ブロードウェイ初演のミュージカル。

ブロードウェイではライオンなど主要キャストはアフリカ系アメリカ人によって演じられており、現在でも人気のロングラン作品である。

動物たちを表す独特の被り物、アフリカの言葉やダンスのモチーフなど、オリジナル演出はジュリー・テイモアによるもので、彼女はこれでトニー賞を受賞した。

日本では1998年東京初演で、今年で日本初演20周年を迎える。

あらすじ

アフリカの広大なサバンナ。

ラフィキが巡りめぐる生命の讃歌を歌いあげる中、あらゆる動物たちが、シンバの誕生を誕生を祝うためにプライドロックに集まる。

しかし、一人だけ未来の王の誕生を快く思わない者がいた。

光に満ちた王国:プライドランド全土を目の前にして、父王ムファサは息子に「サークル・オブ・ライフ(命の連鎖)」の理念を教える。

「ライオンも死ねば草となり、その草を草食動物が食べ、その草食動物をライオンが食べる。全てのものはこのめぐりめぐる偉大な生命の調和に結びついている。王としてそれを理解し、全ての生命を尊重すべきである」と。

好奇心旺盛なシンバは叔父のスカーから聞いた禁断の場所へ足を踏み入れる。

そこで待っていたのは、ライオンの支配が面白くない三匹のハイエナ。

強がるシンバだが歯が立たず、あわやという時、危機一髪で父に助けられる。

未来の王としてあるまじき勝手な振る舞いを叱る王。

しかし星空の下、王はすっかり意気消沈した息子に父として語りかける。

「過去の偉大なる王たちが、あの星からお前を見守っている。そしてお前を導いてくれるだろう。彼らはお前の中に生きているのだ」と。

しかしその裏では、ハイエナたちがライオンの王国を乗っ取ろうと陰謀を企てていた。

キャスト

ラフィキ  福井麻起子

ムファサ  宇龍真吾

ザズ  雲田隆弘

スカー  本城裕二

ヤングシンバ  丸島颯透

ヤングナラ  小林百合香

シェンジ  川良美由紀

バンザイ  松尾篤

エド  小田春樹

ティモン  布施陽由

プンバァ  福島武臣

シンバ  永田俊樹

ナラ  木内志奈

サラビ  市川友貴

感想

この日は、劇団四季の新作『恋するシェイクスピア』をマチネで観劇した後、久々に、サバンナに行ってきました。

マチソワで、ストレートプレイとミュージカルとジャンルは違えどともに四季作品と、なんとも劇団四季三昧な1日でした。

私は多くの作品を楽しみたいタイプなので、基本的に作品ごとに一度しか観ないのですが、この作品は、もう何回目だろう…少なくとも5回以上観劇しています。

実に6年以上ぶり…烏兎匆匆なり。

そして、四季劇場夏にお引越ししてからは、初めての観劇となります。

日本初演からちょうど20周年ですし、今年の3月にアメリカきら帰ってくる飛行機の中で

劇場に向かう道すがら、少し隣に目をやると、来月のオープンに向けて準備を進めるキャッツシアターが見えました。

来月のキャッツ観劇がますます楽しみになりました。

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さて、今回は、今まで観ていた一階席ではなく二階席の後方の席だったので、舞台全体を俯瞰ことができ、新たな発見も多く、また違った景色を楽しめました。

特に驚いたのはオープニング。

毎度、舞台とは違うどこかから声がするなぁと思っていたのですが、なんと、二階席下手側に俳優さんが!

ようやく長年の謎が解けました。

俳優さんは新しい存じあげない方が多い中、唯一、ザズは多分以前も拝見したことのある方、雲田さんでした。

きっとはまり役なんですね。

そして、何度観ても、親子の愛にやられてしまいますね。

初めて観た時と、時を経て現在と、感じ方がまた違うなぁと、しみじみ思いました。

今はね、すっかりお父さんの気持ちがわかるので、心が揺さぶられますね。

懐かしさと新鮮味を味わいながら、温かい感動をいただきました。

『気儘時代(1938)』Carefree

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『気儘時代』とは

1938年のRKOによるミュージカル映画

アステア&ロジャースのコンビとしては8作目の共演。

2人が映画の中でキスしたのは本作が初めて。

あらすじ

精神科医のトニーは、友人のスティーヴンの頼みで彼のフィアンセであるアマンダを診察することになった。

ラジオ歌手のアマンダは、スティーヴンが再三プロポーズしているにも関わらず、全く承諾しようとしないというのだ。

トニーはアマンダの夢を解析しようとする。

アマンダは夢の中で一緒に踊っている医師はトニーだと気づき、その時はじめてトニーに恋していることに気づく。

トニーに夢の内容を聞かれたアマンダは困惑して、わざと錯乱したようなデマカセの夢を話す。

これを聞いたトニーは、アマンダは稀に見る精神疾患患者だと確信し、催眠術を使い、アマンダの本心を知ろうとする。

しかし、たまたま部屋に入ってきたスティーヴンに連れられ、アマンダは仕事のためラジオ局に行くのだが、酩酊状態で大変なことになる。

次の日、ダンスパーティーでアマンダはスティーヴンに、トニーに恋していることを伝えようとするが、スティーヴンはアマンダが自分のプロポーズを受け入れたと勘違いする。

否定するにもできないアマンダは、思い余って、トニーに自分の気持ちを打ち明けるのだが、友人を裏切らないトニーは、アマンダにスティーヴンを好きになるように、そしてトニー自身を嫌うように、催眠をかけるのだった…

キャスト

トニー・フラッグ  フレッド・アステア

アマンダ・クーパー  ジンジャー・ロジャース

スティーヴン・アーデン  ラルフ・ベラミー

コーラおばさん  ルーラ・ギア

感想

今回のアステアとロジャースは、精神科医と女性患者、という役柄。

ふむ、この関係、どこかで見たことがあるような…

あぁ、『晴れた日に永遠が見える』でもそんな関係が描かれていましたね。

『晴れた日に〜』の方が、催眠をかけることで時空を超えるので、もっとファンタジックですが。

さて、この作品は、正直そこまでスタンダードナンバー化したナンバーはありませんが、お馴染みのアステアとロジャースのダンスを存分に楽しめる内容となっています。

例のごとく、ラストの2人のダンスは見応えがあります。


Fred Astair And Ginger Rodgers the yam dance Carfree

 さらに、今回特筆すべきは、アステアのゴルフをしながらのタップダンスシーンでしょうか。

この演出には、さすがアステアだわと唸ってしまいました。


1001 - Fred Astaire - Carefree - golf dance solo

やはり、返す返すも、スティーヴンかわいそう、と思ってしまいましたが、これはアステアとロジャースのための映画なのだと自分に言い聞かせながら見終わりました。

この作品は興行成績がいまいちで、アステアとロジャースの決別を決定づけたと言われています。

 

『イントゥ・ザ・ウッズ(2014)』Into the Woods

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『イントゥ・ザ・ウッズ』とは

2014年公開のディズニーによるミュージカル映画

1987年ブロードウェイ初演の、スティーヴン・ソンドハイム作詞・作曲による同名の舞台ミュージカルを映画化したもの。

グリム童話シャルル・ペローによる童話を繋ぎ合わせるようにつくられており、メインキャラクターは『赤ずきん』、『ジャックと豆の木』、『シンデレラ』、『ラプンツェル』から採られている。

あらすじ

パン屋の夫婦は子供が授からないことを悩んでいたが、それは隣に住む魔女の呪いによるものだった。

昔、魔女の家の庭にある畑の野菜を食べたいと言う妻の願いを聞き入れ、パン屋の主人の父親は真夜中に畑に忍び込み盗んだ。

魔女は見て見ぬ振りをしていたが、彼が立ち去るときに豆を一掴み取ると、魔女はたちまち醜い老婆になってしまうのだった。

その豆は庭の外には持ち出してはならない、魔法の豆だったのだ。

その事件を機に、魔女はパン屋を呪い続け、3晩のうちに、森の中で「ミルクのように白い雌牛」、「血のように赤いずきん」、「トウモロコシのように黄色い髪」、「金色に輝く靴」を持ってくれば子どもを授けようと、夫婦に言い渡すのだった…


Into The Woods Trailer - Now Playing In Theaters!

キャスト

魔女  メリル・ストリープ

パン屋  ジェームズ・コーデン

パン屋の妻  エミリー・ブラント

シンデレラ  アナ・ケンドリック

シンデレラの王子  クリス・パイン

シンデレラの継母  クリスティーン・バランスキー

赤ずきん  リラ・クロフォード

ジャック  ダニエル・ハッスルストーン

ジャックの母  トレイシー・ウルマ

ラプンツェル  マッケンジーマウジー

ラプンツェルの王子  ビリー・マグヌッセン

オオカミ  ジョニー・デップ

感想

この作品の日本での口コミを読むと、 日本では元々の舞台ミュージカルをご存知ない方も多いのだろうなと感じました。

私自身もliveで舞台を見たわけではなく、liveを録画したDVDを観たことがあるだけなので、大したことは言えないのですが。

ディズニーによる映画化ですが、元々はブロードウェイの巨匠ソンドハイムの代表作とも言える作品です。

舞台との違いですが、まず、ディズニーの魔法がかかることにより、暴力的な場面や性的描写が緩和されて表現されています。(ジャックの母の最期や不倫シーンなど)

また、舞台では多くの場合、シンデレラの王子とオオカミは同じ俳優が一人二役で演じますが、映画版では異なる二人の俳優がそれぞれ演じています。

上述の複数の童話が‘、境界が曖昧な森’という場所で不思議に結びつきます。

オープニングナンバーにある通り、「I wish...」登場人物たちはそれぞれ何か希望を胸にし、「Into the woods」森の中へ入っていきます。

そして、最終的に、それぞれの希望は叶えられるのですが、それは想像していたような甘く素晴らしい結果ばかりではないのです。

赤ずきんはおばあさんにパンを届けに行くけれど、オオカミに食べられてしまい、

ジャックは親友の牛を売らずに済んだけれど、母親が巨人に踏まれてしまい、

シンデレラは望み通り舞踏会に行けたけれど、王子に時めくことはなく、

ラプンツェルは望んだ外の世界に出られたけれど、王子はイバラで失明してしまい、

パン屋は待望の自分の赤ん坊を腕に抱くけれど、妻は不倫した上、亡くなってしまい、

魔女は元の美貌を取り戻すけれど、娘ラプンツェルは恋人と駆け落ちしてしまう。

おとぎ話の世界では、ハッピーエンド、と片付けられているけれど、実際はどうなのだろうという考察を、森という舞台で繰り広げています。

この作品を観手から再度それぞれの童話を読み直すと、また味わいが違うものになるかもしれません。

本作は、盛り込む内容が多く、とにかく展開が早く、息つく暇がない、という印象でした。

ただ、キャスティングが的確で、皆さん素晴らしかったですね。

特に、ストリープとブラントの歌と演技力に大拍手でした。

子役ちゃんたちも素晴らしかったですね。

ジャックは『レミゼ』のガブローシュ役の子と説明した方が手っ取り早いでしょうか。

赤ずきんはつい最近のブロードウェイでの『アニー』にタイトルロールでオリジナルキャストに名前を刻んだリラちゃん。

やはり上手い。。。

オープニングから圧巻でしたね。

これぞ映画の醍醐味と見せつけるかのようなシーンカットの数々、ミュージカル映画の魅力と言えます。


Prologue - Into the Woods 2014 movie (HQ) w/ lyrics

一般評ではつまらないという意見が多いのですが、私はなかなか面白く最後まで拝見しました。

よくもまあこんな脚本を思いつくなと思いましたね。

この作品で、作者は何を言わんとしているのか、色々考えたこともありました。

個人的な考えですが、「子どもに童話を読み聞かせることで大人たちは夢見ることの素晴らしさなどを伝えようとするけれど、実際に人生で起こる種々の問題には童話は触れていない。子どもを教育するのは難しい」というところなのかなと。

最後に、舞台ミュージカルのトニー賞授賞式でのパフォーマンスを載せておきます。


INTO THE WOODS 1988 Tony Awards

『ジプシー(1962)』Gypsy

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『ジプシー』とは

1962年公開のミュージカル映画

実在のストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの自伝を原作とする、1959年初演のブロードウェイミュージカルを基に作られた。

音楽は、スティーヴン・ソンドハイム作詞、ジューン・スタイン作曲。

基の舞台ミュージカルは、初演時、エセル・マーマンがローズを演じ、その後もアンジェラ・ランズベリー、タイン・デイリー、バーナデッド・ピーターズ、パティ・ルポン、イメルダ・スタウントンといった、世代ごとの名女優たちがこぞって演じ続け、今でも再演を繰り返されている人気演目のひとつ。

また、1993年にベット・ミドラー主演でテレビ放送のために再映像化されており、近年ではバーブラ・ストライザンド主演で映画のリメイクの話が持ち上がっている。

あらすじ

ローズは、父のような平凡で退屈な人生を嫌い、2人の娘たちルイーズとジューンをショウビジネスの世界で活躍させようと躍起になる、ステージママ。

オーディションで知り合ったハービーと組み、あちこちの地域の劇場へ娘たちを売り込んでまわるその姿は、まるで‘ジプシー’のよう。

やがて、ハービーがスカウトしてきた4人の少年たちを入れ、「ベイビージューンと新聞売り」の名で舞台に立つと、ローズの狙い通り、娘のジューンのダンスが評判となって瞬く間に人気者に。

劇場関係者に多くの伝手(つて)を持つハービーと、ショウビジネスに人生を懸けるローズは、次第に心惹かれ合うが、早く結婚して持ち家に落ち着きたいハービーと、娘たちのブロードウェイデビューまで放浪の旅を続けたいローズの間には溝があった。

やがて、成長した少年たちが一座を抜け、ジューンは駆け落ちし、一座はバラバラになってしまう。

それでも諦めず、ルイーズと再起を図るローズだったが、ジューンの持つ歌唱力やダンスの技術はルイーズにはなかった。

さらに、時代はトーキー映画全盛で、ボードヴィル業界は斜陽の一途をたどり、一家の生活は厳しくなる一方だった。

そんな時、ある手違いでストリップ劇場の仕事を受けてしまう。

ローズは抵抗するが、お金のためにルイーズは舞台に立つと宣言するのだった・・・


Gypsy (Original Theatrical Trailer)

キャスト

ローズ・ホヴィック ロザリンド・ラッセル

ルイーズ・ホヴィック ナタリー・ウッド

ハービー・サマーズ カール・マルデン

タルサ ポール・ウォレス

ベイビー・ジューン スザンヌ・キュピト

デインティー・ジューン アン・ジリアン

ベイビー・ルイーズ ダイアン・ペイス

感想

ようやくこの映画について書く日がやってきて、心から嬉しい気持ちでいっぱいです。

私がミュージカル『ジプシー』について知ったのは、2008年のブロードウェイでのリバイバルトニー賞授賞式でのパフォーマンスをたまたま観た時のことです。

私が最も好きなブロードウェイスターである、パティ・ルポンが演じるローズの存在感に圧倒され、急いでこの作品について調べてみると、あの『ウエストサイド物語』でマリアを演じたナタリー・ウッドが出演している映画版があるではないですか。

しかし、アメリカでのメジャー感とは対照的に、当時日本ではDVD化されておらず、アメリカ留学時代に図書館で借りて、ようやく初めてこの映画を観ることができました。

(朗報:2018年、復刻シネマライブラリーとして日本でもDVD化されましたよ!)

映画版は、舞台版をある程度、忠実に再現していると思います。

ナンバーの削除も少ないですが、残念なのは私が好きな「Together Wherever We Go」がない点。

そのシーンは実際作られたのですが、時間の都合で削除になったそうです。

ロザリンド・ラッセルのローズは、やはりブロードウェイの歴代のDivaたちと比較すると、歌声は劣っていますが、それを演技力と美貌でなんとか補っているように思いました。

ただ、ラッセルの歌う歌の編曲が、もう少しテンポとピッチを上げても良かったのではと全体的に思いました。

まあ、歌い手の問題が多分にあると思いますが、元々のナンバーが素晴らしすぎるだけに、その良さが全く活かしきれておらず、全体的に遅くだるくなってしまい、残念。

↓ショウビジネスの夢を父親に語る、ローズの決意表明のような一曲「Some People」


Gypsy - Some People - Rosalind Russell 's own voice

ハービーを演じているのは、映画『欲望という名の電車』に出演し、アカデミー賞を受賞したカール・マルデン

彼はまさにハービーらしさが全面に出ていて適役でしたね。

↓エンターテイナーとしての才能のある華やかな妹のジューンとは対照的に、ルイーズはこの時少年たちに混じって地味に舞台を支える「Baby June and Her Newsboys」


Gypsy - Baby June and Her Newsboys (1962)

『ウエストサイド物語』では泣く泣く歌声を吹き替えにしたナタリー・ウッド

歌がマーニ・ニクソンによる吹き替えになることを、本人は撮影終盤まで知らなかったそうです。

この件、本人は相当悔しかったそうで、『ウエストサイド物語』の次の本作の出演にあたり、「次こそ、絶対に自分の声で歌うもん!そうじゃないと、私、絶対に出ないからね!」(言いぶりは勝手な想像)と言ってきかなかったそうです。

そして、念願叶い、ローズの娘、ルイーズを熱演し、歌い、踊っています。

ルイーズはジューンと違い、歌やダンスの才能はないという役柄なので、ある意味、合っていたのかも。

↓可憐な歌声を披露するナタリー・ウッド「Little Lamb」


Little Lamb-Natalie Wood (Gypsy-1962)

 ↓フィナーレを飾る、大曲「Rose's Turn」

終演後のバーレスク劇場の舞台上で、今までの子育てに奮闘した日々、自分の人生を振り返り、独白する印象的なシーンです。


Rose's Turn - Rosalind Russell

 

続きを読む

『夢のチョコレート工場(1971)』Willy Wonka & the Chocolate Factory

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夢のチョコレート工場』とは

ロアルド・ダールによる児童小説『チョコレート工場の秘密』を原作とした、1971年公開のアメリカのミュージカル映画

作品中の「The Candy Man」については、サミー・デイヴィス Jr. がカバーしヒットした。

音楽はアカデミー賞、主演のウォンカ役ジーン・ワイルダーゴールデングローブ賞にそれぞれノミネートされたが、ともに『屋根の上のヴァイオリン弾き』に敗れている。

なお、同原作によるミュージカル舞台版が2013年ウェストエンドで初演されたが、「Pure Imagination」をはじめとする本映画中のナンバーが何曲か採用されている。

あらすじ

父親のいない少年チャーリーは、巨大なチョコレート工場のある大きな町に、祖父母たちとともに貧しい生活を送っていた。

ある日、そのチョコレート工場の経営者ウィリー・ウォンカ氏が自社のチョコレートの中にゴールデンチケットを5枚封入して出荷し、そのチケットを引き当てた子どもとその保護者1名を工場に招待すると発表した。

新聞配達のアルバイトの収入を自分のためではなく、全て家族のために使う心優しいチャーリーに、ジョーおじいちゃんはウォンカのチョコレートを買ってあげるのだった。

そこに金のチケットは入っていなかったが、感謝しながらチョコレートを食べるチャーリー。

ある日、学校帰りにたまたま道端にコインを見つけたチャーリーは、そのコインでウォンカのチョコレートを買ったところ、見事金のチケットを当てたのだった。

ジョーおじいちゃんを引き連れ、喜び勇んでウォンカ氏の工場に向かうチャーリー。

しかしこれは、ウォンカ氏が子どもたちに課した、あるテストだったのだ…


Willy Wonka & The Chocolate Factory (1971) Official Trailer - Gene Wilder, Roald Dahl Movie HD

キャスト

ウィリー・ウォンカ  ジーン・ワイルダー

ジョーおじいちゃん  ジャック・アルバートソン

チャーリー・バケット  ピーター・オストラム

ヴェルーカ・ソルト  ジュリー・ドーン・コール

ヴァイオレット・ボールガード  デニス・ニッカーソン

マイク・ティーヴィー  パリス・セメン

オーガストス・グループ  マイケル・ボルナー

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感想

小学生の頃、ロアルド・ダールの小説を読んだ方も多いのではないでしょうか。

ファンタジーの要素がありながら、子どもたちに善悪を教えるストーリーが印象的だった記憶があります。

本作は公開直後より、しばらく経ってからカルト的な人気が出ました。

なんと言っても、本作のジーン・ワイルダーの奇怪なウォンカ像は印象深く、一度観ると忘れられません。

登場シーンから固唾を飲んで見入ってしまいます。

杖をつきながら歩いてきて、どこか足がよくないのかしらと思わせておきながら、門に辿り着いたらでんぐり返しのサプライズ。

ウォンカ氏のパーソナリティーがこの登場シーンに象徴されています。

ドアが開き、チョコレート工場に入ったシーンがありますが、この撮影の時にキャスト達は初めてセットの全貌を目の当たりにしたそうです。

あの圧倒された表情は自然に生まれたものなんですね。

「Pure Imagination」では、ウォンカ氏は純粋な想像力の大切さを大人たちに訴えているようです。

数々のアーティストにカバーされている名曲ですね。


Gene Wilder - Pure Imagination

Come with me and you'll be

In a world of pure imagination

Take a look and you'll see

Into your imagination

 

We'll begin with a spin

Traveling in the world of my creation

What we'll see will defy explanation

 

If you wanna view the paradise

Simply look around and view it

Anything you want to do it

Want to change the world?

There's nothing to it

 

There is no life I know

To compare with pure imagination

Living there you'll be free

If you truly wish to be

ちなみに、最後にcrispyな音をさせて美味しそうに食べている、花のかたちをしたカップとソーサーは、実際、蝋でできていたそうです。

個人的に大好きな曲なので、他のアーティストによるカバーも載せておきます。

まずは、ドラマ『グリー/glee』キャストによるカバー。


GLEE "Pure Imagination" (Full Performance)| From "Funeral"

そして、2018年トニー賞授賞式で司会を務めた、ジョシュ・グローバン Josh Grobanによるカバー。


Josh Groban Pure Imagination From ''Charlie And The Chocolate Factory''

実際、ウォンカ氏と子どもたちの間の緊迫した雰囲気を出すために、撮影中、ジーン・ワイルダーはわざと子役たちによそよそしく当たっていたそうです。

特殊技術やCG加工を用いない70年代という時代が生み出した、素朴ともいえる手づくり感が、かえって作品にファンタジックなエネルギーを与えている気がして、私の好きな映画のひとつです。

チャーリー役の子役は獣医になっており、その他の子役たちも全員、奇跡的に悪の道に走らず、定職に就いているという意味でも、安心して子どもに見せられる映画といえます。