ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる純粋なミュージカルブログ

『Frozen』『アナと雪の女王』2018.9.19.so

f:id:urara1989:20181113013037j:image

『Frozen』とは

2017年にデンバーで初演され、2018年にブロードウェイで初演されたミュージカル。

ディズニーによる同名のミュージカルアニメ映画を基にしている。

舞台化に際して、新たに追加された曲も、映画版と同じくロバート&クリステン・ロペス夫妻による。

トニー賞に関しては3部門ノミネートに留まった。

あらすじ

同名映画に準ずる。

アレンデール王国の王女エルサは触れたものを氷に変えてしまう力を持っていた。

幼い頃、誤って妹のアナを事故に巻き込んでしまい、以来力を封印していたが、両親が海難事故に遭い、王位を継ぐことになったエルサは、戴冠式で久しぶりに人前に出ることになった。

しかし、その場でエルサは国全体を凍らせてしまい、エルサの妹アナは国とエルサを守るため立ち上がるのだった。

キャスト

Elsa    Caissie Levy

Anna    Aisha Jackson

Kristoff    Noah J. Ricketts

Hans    John Riddle

Olaf    Greg Hildreth

Pabbie    Timothy Hughes

Weselton    Robert Creighton

Oaken    Kevin Del Aguila

Sven    Adam Jepsen

Young Elsa    Ayla Schartz

Young Anna    Mattea Conforti

Queen Iduna    Ann Sanders

King Agnarr    Nicholas Ward

Bulda    Alicia Albright

感想

2018年9月のブロードウェイ遠征の続きです。

ミーハーと言われようと、とにかく観たいものを観ようと元々心に決めていたので、今回も例に漏れず、行ってきました。

とはいえ、アナ雪のファンではそれほどありません。

エルサ役のキャシーのことは2011年に観た『ヘアー』以来知っていたのですが、今回彼女が大役のオリジナルキャストを射止めたと知り、これはお祝いしなければという気持ちも込めて観劇しました。

キャシーはこれまで『ウィキッド』のエルファバなどブロードウェイで主役級を演じてはいますが、オリジナルキャストで大役は初かなと思います。

Congratulations, Cassie!


'Frozen' comes to Broadway with new songs and a feminist twist

さて、作品ですが、良くも悪くも予想通りというか、期待を上回るものはありませんでした。

新曲もありましたが、やはり映画で耳馴染みがあることもあり既存曲の方が会場が沸き立っていました。

ただ、「Let It Go」では最新の視覚効果が使われていて確かにハッとさせられましたが、こちらもミュージカルというより、アミューズメントパークのアトラクションという印象を受けてしまいました。

↓「Let It Go」のハッとさせられる視覚効果


Frozen The Broadway Musical's Caissie Levy Performs 'Let It Go'

また、二幕はじめに歌われる新曲の「Hygge」コメディックなアキラ100%ばりのパフォーマンスでしたし、「Let It Go」とは別にエルサが歌う、凍った街を溶かすためにどうしたらいいのか、自分自身と対峙する「Monster」など、舞台ミュージカルらしいナンバーも楽しむことができました。

終演後は恥ずかしげもなく家族連れに混じって出待ち。

残念ながらキャシーには会えませんでしたが、他のメインキャストの方々とは交流でき嬉しかったです。

キャシーはお家に小さいお子さんがいらっしゃるので、仕方ないですね。

うーん、期待していただけにそこまで…

言い方は悪いですが、観光客目当てのところは大きい作品かなと思います。

『Dear Evan Hansen』『ディア・エヴァン・ハンセン』2018.9.19.ma

f:id:urara1989:20181108145949j:image

『Dear Evan Hansen』とは

2015年のワシントンD.C.でのプレミア公演の後、2016年にオフブロードウェイ初演、ブロードウェイ初演を迎えたミュージカル。

トニー賞を6部門受賞した。

作詞作曲を担当した一人、パセックの高校時代に起きた出来事を基に構想を膨らませ、レヴェンソンが脚本を書いた。

日本での公演は来日含めて2018年11月現在叶っていない。

f:id:urara1989:20181109025406j:image

あらすじ

17歳のエヴァンは人に接するのが苦手で、高校でも友人がひとりもいなかった。

かかりつけのカウンセラーの勧めで、“Dear Evan Hansen”で始まる自分に宛てた手紙という形式で、日記を書くことを日課にしていた。

母ひとり子ひとりの家庭ではあったが、愛情あふれる母親にエヴァンは将来を嘱望されていた。

そんなある日、エヴァンは木から落ちて、右腕を骨折してしまう。

アメリカでは怪我が早く治るようにとギプスに寄せ書きしてもらう習慣があるが、友人のいないエヴァンのギプスは真っ白のままだった。

そこで、たまたま出くわした同じく友人の少ないコナーに声をかけるが、逆にからかわれてしまう。

コナーの妹ゾーイは兄の振る舞いをエヴァンに謝るのだが、密かにゾーイに想いを寄せていたエヴァンは実は胸を高鳴らせていた。

その後、パソコン室で“自分への手紙”をプリントアウトしていたところ、エヴァンはコナーに再会するが、前回とは違いコナーは反省した様子で、ギプスにサインすると申し出るのだった。

しかし、コナーはそこでエヴァンの“自分への手紙”を発見してしまい、そこに記されていたゾーイへの恋心を読み取り、エヴァンが自分をからかうためにプリントアウトしたのだと勘違いして憤り、その紙を奪って逃げて去ってしまうのだった。

その数日後、コナーが自殺したと連絡が入った。

コナーは自殺した時、遺書も何も残していなかった–––たったひとつの手紙を除いては。

それがエヴァンの“自分への手紙”だったのだ。

コナーの両親は、死の前に息子が親友であるエヴァンに宛てた手紙だと勘違いし、エヴァンを夕食に招く。

自分たちの息子には友人がいたということを喜んでいるコナーの両親の目の前で、エヴァンは真実を話せず、「コナーとはずっと親友で、密かにメールで交友していた仲だった」と嘘をついてしまう。

それまで社会との接触を極力絶っていたエヴァンは、SNS上で「自殺した生徒の唯一の友人」として一躍注目され、時の人となった。

さらに、コナーの死を悼むための「Conner project」を創設し、代表を務めるまでになる。

ゾーイは次第にエヴァンに好意を抱くようになり、2人は惹かれ合うが、エヴァンは彼女にも嘘をついているという後ろめたい気持ちを抱えていた。

その間も、エヴァンのついた嘘は予想もつかないほど膨れ上がっていたのだった。

f:id:urara1989:20181109025326j:image

キャスト

Evan Hansen.   Michael Lee Brown

Heidi Hansen.   Lisa Brescia

Zoe Murphy.   Mallory Bechtel

Cynthia Murphy.   Jennifer Laura Thompson

Larry Murphy.   Michael Park

Connor Murphy.   Alex Boniello

Alana Beck.   Phoenix Best

Jared Kleinman.   Sky Lakota-Lynch

感想

2018年9月のブロードウェイ遠征の続きです。

この作品のために今回渡米したと言っても過言ではないくらい期待していて、唯一Telechargeでチケットを前もって買っていた作品。

観劇前、実は「プロット読んだけれどなんだかなぁ…そこまで響かないなぁ…」と思っていたのですが(本音)、実際に拝見すると、楽曲の良さとうら若き演者たちの熱演に、知らないうちにすっかり魅せられていました。

ナンバーのジャンルはポップスで、確かにミュージカルの劇中歌なのですが、単曲としても聴くに耐える出来で、このブロードウェイキャストレコーディングが異例のセールスを記録しているのは何ら不思議でもないと思いました。

次回渡米した際には必ずLPを手に入れるぞと心に決めているほど。

「You are not alone. You will be found.」というメッセージが疎外感を感じながら生きる様々な年齢層の人たちの心を打ったのです。

また、この作品でスターダムに上がったトニー賞受賞者ベン・プラットをはじめ(彼はもう出演していませんが)、若い役者たちが舞台上でスパークしまくっていて、それだけで胸が震えました。 

トニー賞最優秀主演男優賞を受賞したBen Platによる素晴らしいパフォーマンス


Show Clips: DEAR EVAN HANSEN starring Ben Platt

エヴァンが早口で焦りながら長い台詞をまくしたてるのですが、それがいかにもエヴァンらしくて、とても微笑ましいのです。

↓私が観劇した時のゾーイ役のマロリー。絶妙な適役。


“Requiem” from DEAR EVAN HANSEN performed by Mallory Bechtel | DEAR EVAN HANSEN

私が観た時のゾーイも可愛くて可愛くて、エヴァンが憧れる気持ちもわかるなというくらいで、歌もamazingでした。

舞台にはいくつもランダムにスクリーンが置かれていて、中央にエヴァンのベッドや場合によってはソファなどが配置されていました。

デジタルネイティブの主人公たちらしく、スクリーンにはシーンによってTwitterのメイン画面がリアルタイムに表示されています。

来年からロンドンでも公演が始まりますし、日本での公演も十分実現可能だと思うので、今からとても楽しみです。

また続きを書きます。

↓世界中のファンによる感動的な「You Will Be Found」の大合唱。「You are not alone」という歌詞が心に沁み入ります。


"You Will Be Found" Virtual Choir | DEAR EVAN HANSEN

『Once On This Island』『アイランド』2018.9.18.so

f:id:urara1989:20181108142354j:image

『Once On This Island』とは

1990年にオフブロードウェイで初演されたミュージカル。

原作はトリニダード・トバゴ出身の作家ローザ・ガイの1982年の小説『My Love, My Love; or, The Peasant Girl』。

一幕構成。

初演時にトニー賞受賞はなかったが8部門でノミネートされた。

今回の公演は、2017年のリバイバル公演で、ブロードウェイでは初めてとなる再演であり、トニー賞最優秀リバイバルミュージカル賞を受賞した。

日本では1995年に初演された後、アマチュア劇団やミュージカル座などにより公演されている。

f:id:urara1989:20181109022601j:image

あらすじ

フランス領のとある島。

そこには「ペザント」と呼ばれる農民たちが暮らしていた。

一方、島の反対側には彼らと敵対する「グランズォム」と呼ばれる富裕層が住んでいた。

ある嵐の夜、怯える子どもにペザントたちはグランズォムに恋をした娘ティ・モーンの物語を語り始める。

幼い頃、洪水でひとり生き残ったティ・モーンは、ペザントの継母と継父に深く愛されて育っていた。

ある日、ティ・モーンの目の前に、車のトラブルで、グランズォムの青年ダニエルがたまたま現れる。

ティ・モーンは彼に一目惚れし介抱するが、すぐに彼は元のグランズォムの世界に戻ってしまった。

両親の反対を押し切り、ティ・モーンは愛する彼の元へ、果てしない道のりを歩いていくのだった。

道すがら、神々に見守られながらたどり着いたグランズォムの世界。

2人は互いの愛を確かめ合うが、ダニエルには婚約者がいた。

悲しみに暮れるティ・モーンに神々は語りかけるのだった。

f:id:urara1989:20181109022652j:image

キャスト

Ti Moune.   Hailey Kilgore

Daniel    Isaac Powell

Papa Ge(死の悪霊).   Tamyra Gray

Erzulie(愛の女神).   Darlesia Cearcy

Agwe(水の神).   Quentin Earl Darrington

Asaka(大地の母).   Alex Newell

Mama Euralie.   Kenita R. Miller

Tonton Julian.   Boise Holmes

Andrea.   Anna Uzele 

Armand.   David Jennings 

Little Girl.   Mia Williamson

f:id:urara1989:20181109022724j:image

感想

2018年9月のブロードウェイ遠征の続きです。

この作品は、国内外通して初見でした。

初めて知ったのは、ずっと上の代の先輩が参加されていた劇団碧(劇団光座)という大学生のサークルによる公演の広告を見た時だったのですが、その時は観劇しませんでした。

今回の公演はCircle in the Square Theatreで行われました。

この劇場に一度行かれたことのある方はわかると思いますが、アリーナ型の円形劇場となっており、全周を観客に囲まれた中央で役者たちは演じます。

カリブ海の島を連想させるような演出として、床には砂が敷き詰められ、片側には海をイメージした溜池(プール?)があり、演者たちはその上を裸足で動き回るというものがあります。

また、開演前から舞台上では島での日常生活が再現されていて、至極自然に舞台の世界に入ることができました。

冒頭ではヤギさんやニワトリさんたちも登場し、のどかな平和な雰囲気がありました。

途中、火が灯されたロウソクも登場したのですが、水と炎が対照的で『オペラ座の怪人』の地下室をボートで進む場面が連想されるほど、非常に美しかったです。

トニー賞授賞式でのパフォーマンスです。 


Once On This Island perform "We Dance / Mama Will Provide" at The 2018 Tony Awards

このように、役者たちはほとんどが有色人種で構成されています。

特にErzulieは『ミス・サイゴン』のオリジナルキャストのキム役やディズニー映画でも活躍したLea Salongaがオリジナルキャストとして演じ、話題となりました。

私が観たときは既にLeaはカンパニーを抜けていましたが。

キャストで特筆すべきなのは、やはりティ・モーンを演じた若き才能ヘイリー。

若干19歳の細い体全体から溢れるエネルギッシュな歌声で、会場全体を魅了していました。

私は彼女の歌声にカタルシスさえ覚えました。

トニー賞にノミネートされて当然だと思いましたね。

彼女のティ・モーンを観ることができて、本当に幸運だったなぁと心から思います。

↓ティ・モールが希望を込めて歌う美しい一曲「Waiting for Life」


“Waiting For Life” Music Video

劇中には影絵を使って話を進める場面があります。

私は影絵を見る側だったのですが、前述の通りこの劇場はアリーナ型なので、影絵をつくる裏側を観ている方もいらっしゃって、座る位置によって全く印象の異なるショーになっている点も興味深いと感じました。

どこに座るのが正解ということはなく、どこに座っても舞台の全容がわかるようになっていたと思います。

事前に、原作本の日本語版を中古で購入し読了してから観劇したのですが、個人的には小説より舞台で観る方が好きでした。

事前情報の通り、アンデルセンの『人魚姫』とシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』の要素を確かに含んではいますが、観ている間は特にそういったことを気にせず、ショーを楽しみました。

平日ソワレだったこともあり、会場は2/3くらいしか埋まっていませんでしたが、もっと多くの方にこの美しいショーを知ってもらいたいと心底思った夕べとなりました。

f:id:urara1989:20181109022830j:image

『Jersey Boys』『ジャージー・ボーイズ』2018.9.17.so

f:id:urara1989:20181104161119j:image

『Jersey Boys』とは

2005年ブロードウェイ初演のジュークボックス・ミュージカル。

1960年代に活躍した「フォーシーズンズ」の足跡を彼らの音楽とともに辿るスタイルをとっている。

トニー賞4部門を受賞した。

2017年にブロードウェイ公演はクローズしたが、同年よりオフブロードウェイに場所を移している。

あらすじ

ニュージャージー州の貧しい片田舎。

“天使の歌声”を持つフランキーは成功を夢見る兄貴分のトミーとニックのバンドグループに迎え入れられる。

鳴かず飛ばずの日々が続く中、作曲の才能溢れるボブが加入。

過酷な下積み時代を経て、ついにボブの楽曲と4人のハーモニーが認められる。

彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」としてレコード会社と契約し、Sherryをはじめとする全米No.1の楽曲を次々に生み出していく。

しかし輝かしい活躍の裏では、莫大な借金やグループ内での確執、家族の不和など、さまざまな問題が彼らを蝕んでいた。

それらはやがて大きな軋轢となり、グループを引き裂いていく。

(2018年日本公演ホームページより抜粋)

キャスト

Frankie Valli    Aaron De Jesus

Tommy DeVito.   Sam Wolf

Bob Gaudio.   Austin Owen

Nick Massi.   Mark Edwards

Bob Crew.   Andrew Frace

Joey Pesci.   Paul Sabala

Mary Delgado.   Natalie Gallo

感想

引き続き、2018年9月のブロードウェイ遠征について書いていきたいと思います。

ジャージー・ボーイズ』はオンブロードウェイで公演していた時も行きたいとは思っていたのですが行けず、今回ようやく念願が叶いました。

日本でも中川晃教さん主演で同時期に公演されていたのですが、残念ながらこちらのチケットは入手できなかったということもあり、今回の観劇に至りました。

また、月曜日は劇場がお休みのところが多い中、数少ない上演作品だったのでありがたかったです。

さて、作品についてですが、全体にフォーシーズンズの名曲が散りばめられており、世代ではない私たちでも聞きなじみのある曲ばかりで楽しむことができました。

トニー賞授賞式での『ジャージー・ボーイズ』のパフォーマンスです。


Jersey Boys at the Tony Awards

ただ、この日、二幕の開演が機器トラブルのために約30分ほど遅れてしまい、終演後に予定のあった私は困ってしまいました。

ただでさえ終演時間の遅いソワレ公演で遅延してしまったので、正直大迷惑でしたが、長い休憩明けには待ちわびた観客たちの大歓声で会場が包まれていました。

この劇場では以前にも『レント』を観たことがあったのですが、オフならではの小規模のぎゅっとした一体感があり、終始ライブ会場にいるような気分で観劇を楽しむことができ良かったです。

ただ、背景の電飾がやや安っぽいというか、アメリカ的なイラストが描かれたネオンだったのですが、ちょっと状況にそぐわないかなという場面もあり、そこは少し残念でした。

また、舞台上のライトが観客に向けられる演出があり、それがとても眩しくて目を背けなければならないほどだったのはどうかなと思ってしまいました。

だいぶ後方にいたので、前方席の方は大変だろうなと。

色々と書いてしまいましたが、役者たちのパフォーマンスは言うまでもなく素晴らしかったですし、いい観劇となりました。

『The Book of Mormon』『ブック・オブ・モルモン』 2018.9.16.so

f:id:urara1989:20181026174218j:image

『The Book of Mormon』『ブック・オブ・モルモン』とは

2011年初演のブロードウェイミュージカル。

脚本・作詞・作曲はトレイ・パーカー、マット・ストーン、ロバート・ロペスにより、アニメ『サウス・パーク』とミュージカル『アヴェニューQ』のクリエイターたちが共作した作品となった。

トニー賞9部門を受賞。

2018年現在、来日公演、日本人キャスト公演ともに、日本ではまだ公演されたことがない。

あらすじ

末日聖徒イエス・キリスト教会宣教師トレーニングセンターで、モルモン宣教師になる長老ケヴィン・プライスは、自宅訪問でモルモン教に改宗させるデモンストレーションでクラスメイトを率いる。

プライスは信心深ければフロリダのオーランドでのミッションに参加できると信じているが、長老アーノルド・カニンガムとともにウガンダに送られることになる。

ウガンダ北部に到着すると、将軍の部下たちに強盗される。

布教を始めようとするが、現地の住民はいかに将軍が統治する日常が酷いものか打ち明けられ、「F**k you, God!」という意味の現地語である「Hasa Diga Eebowai」と繰り返すばかり。

プライスとカニンガムはナブルンギという現地の若い女性に居住区に連れて行ってもらうと、布教活動に失敗し続けている宣教師たちに出会う。

地区のリーダー長老マッキンリーは布教の評判が良くないことを伝え、プライスはとても不安になるが、カニンガムはそんなプライスとどんなことがあってもそばにいると励ます。

プライスはモルモン教の設立者であるジョセフ・スミス・ジュニアについて説くが、結局自身の話になり、今後他の宣教師たちと同じように布教活動に失敗するだろうと思い込む。

そこへ、将軍がやって来て、村の女性全員に女性器切除をするよう命令するが、それに抗議した村人を処刑する。

プライスはウガンダでの布教を諦め、オーランドへの異動を本部に申し出る。

カニンガムは見捨てられたことにショックを受けるが、ナブルンギがやって来てモルモン書についてもっと学びたいと語り、村人たちにも話を聞くよう説得してくれたため、カニンガムは状況を打破する勇気を持つ。

しかし、将軍の許しがない限り、村人たちは改宗できないという。

プライスは信条を再認識し、将軍に改宗を迫るが、将軍は全く心を動かされず、プライスを遠ざけるのだった。


f:id:urara1989:20181103102924j:image

f:id:urara1989:20181103102917j:image

キャスト

Elderly Price.   Bud Weber

Elderly Cunningham.   Cody Jamison Strand

Nabulungi.   Kim Exum

Elderly Mckinley.   Stephen Ashfield

Mafala Hatimbi.   Sterling Jarvis

Joseph Smith.   Lewis Cleale

General    Derrick Williams

感想

今日も2018年9月に行ったニューヨークでの観劇日記の続きを書きたいと思います。

この作品は今回の遠征で必ず観たいと思っていた作品の一つ。

上に書いた通り、宗教的なテーマを多く含んでいることもあり、日本の上演は今後も難しいかもしれませんね。

モルモン教というのは日本では馴染みが薄いかもしれません。

私もこの作品を通して初めて知りました。

同じ宗教を扱った作品としてJCSがあり、こちらは初演当時劇場前にキリスト教関係者たちがデモを起こすなどしていましたが、本作については逆に宣伝になるということでモルモン教本部のお墨付きだそうです。

興味深いですね。


Clips from the Book of Mormon Musical on 60 Minutes

あの『サウスパーク』と『アヴェニューQ』のクリエイターのコラボレーションということで、観る前は相当えげつない内容なのだろうと覚悟していたのですが・・・

あれ?そうでもないかしら?

想像よりも割とマイルドな下ネタにブラックジョークだったかなと思います。

ちなみに、『サウスパーク』というのは主要登場人物である小学生のキャラクターたちが遠慮なく下ネタを言い続けるアニメ。

幼馴染が大ファンなので、私は小学生の頃から観ていましたが、R指定になるような言葉をこのアニメから学んだ覚えがあります。

また、『アヴェニューQ』というのは、セサミストリートのようなマペットを使ったミュージカルなのですが、可愛い見かけとは裏腹に、劇中ではマペット同士の露骨なセックスシーンがあるなど、大人向きのミュージカル。

こちらは2018年現在もオフブロードウェイで上演中なので、おすすめです。

それらのクリエイターたちだから、容赦ないかと思ったら、意外とそうでもなく、中学生以上なら楽しめるのではないかなと感じました。

また、この作品は、あらすじというより、登場人物のキャラや王道のダンスシーン、キャッチーなナンバーで魅せるミュージカルという印象でした。

まず登場人物のキャラですが、モルモン書の布教をしようという若い宣教師たちはいずれも、ちょっと幼くナイーヴに(ゲイっぽく、童貞っぽく)描かれて、もうその存在だけで笑いが起こるほど。

ウガンダ人の描き方はかなり偏見に満ちていますが、アメリカならokなのでしょうかね。

次に、とてもユニークなストーリーでありながら、ダンスやナンバーはブロードウェイミュージカルの王道をいく、思わず体が動き出してしまうようなものに仕上がっている点。

これには往年のミュージカルファンたちも大満足だったようです。

ただ、この手のジョークを笑えるかどうかで、この作品の評価には個人差が出ると思います。

ちなみに、私の隣にいたヨーロッパから来たと思われるご夫婦は終始固まっておられましたが、会場の大半は終始ゲラゲラ笑いで、私もミュージカルでこんなに笑ったことないというくらい笑い転びました。

f:id:urara1989:20181103103032j:image

さて、ナンバーについてですが、圧巻のオープニング「Hello」、華やかなタップシーンが見事な「Turn It Off」、モルモン教の信条を新たに胸に刻む「I Believe」などなど名曲揃い。

私はLPを持っていて、家で何回も繰り返し聴いています。

俳優で特に印象に残ったのは、カニンガム役の役のコディ・ジャミソン。

もちろんオリジナルキャストではないのですが、全ての要素がカニンガムを演じるために生まれてきたような方でした。

眼鏡で背が低くてぽっちゃりで、愛犬のように愛でたくなるような可愛らしさを持った上で、舞台上で歌い踊るなんて、最高としか言いようがないです。

今後、日本で上演される可能性は極めて低いので、今まさにブロードウェイで観る演目に悩んでいる友人には、真っ先におすすめしたい作品です。

『Come from Away』『カム・フロム・アウェイ』2018.9.16.ma

f:id:urara1989:20181011201929j:image

『Come from Away』『カム・フロム・アウェイ』とは

2013年にカナダのSheridan Collegeで初演、その後2015年サンディエゴ公演などを経て、2017年ブロードウェイで初演されたミュージカル。

2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件の際、北米のすべての空域が閉鎖され、大西洋便航空機39機がカナダ、ニューファンドランドにあるガンダー国際空港に着陸し、乗客がそこで3日間過ごしたという実際の出来事を基にしている。

脚本、音楽などは、Irene SankoffとDavid Heinによる。

2019年にはウェストエンドで初演される予定。

あらすじ

2001年アメリカ同時多発テロ事件

アメリカ合衆国の領空は一斉閉鎖された。

アメリカ国内の空港に向かっていた世界各国の旅客機のすべてが、急遽国外の空港にルート変更を要される。

その行き先のひとつに指定されたのが、カナダ北東部ニューファンドランド島にあるガンダー空港だった。

この島にルート変更し送り込まれた飛行機は38機。

空港に降り立った乗客の数は6,000人以上になった。

出身地や文化、言語の異なる搭乗者たちの心の交流が描かれる。

キャスト

Beverley / Annette & others.   Julie Reiber 

Kevin T./Garth & others.   Chad Kimball

Claude & others.   Joel Hatch

Bob & others.   De’lon Grant

Kevin J./Aki & others.   Caesar Samayoa

Janice & others.   Alex Finke 

Bonnie & others.   Petrina Bromley

Oz & others.   Geno Carr

Nick/Doug & others.   Lee MacDougall

Hanna & others.   Q. Smith

Diane & others.   Sharon Wheatley 

Beulah & others.   Happy McPartlin

感想

お久しぶりの投稿です。

引き続き、2018年9月にブロードウェイで観た作品について書いていこうと思います。

今回は日本ではまだ上演されたことのない『カム・フロム・アウェイ』はrush ticketで観劇。

朝5時半頃からまだ誰もいない劇場前に陣取り、待つこと約6時間。

無事にrush ticket を入手できました。

注意点として書いておきたいのは、確かにお手頃価格のrushではありますが、必ずpartial viewになってしまうということ。

今回は最前列ではあったけれど、一番下手よりで、舞台の一部が大変観づらい、というかほぼ見えないところもあるので、それであれば10ドルばかり余分に出して、TodayTix で買うのもありだったなと思いました。

英語が母国語ではない私にとって、視覚から得る情報は非常に多いのだなと今回痛感しました。

TodayTix は後ろの方かもしれませんが、端っこでpartial viewになることはまずないのでおすすめです。

さて、前書きが長くなってしまいましたが、このショーは『The Band’s Visit 』と同じく一幕もので、何というか流れるようにあっという間に終わってしまったのですが、その一部始終がカナダっぽいサウンドで包まれていました。

自分で言っておいておかしいのですが、私はカナダ音楽に造詣が深いわけでは決してないにも関わらず、実際に音楽を聴くと「何だかカナダっぽい」と思ってしまったのです。

なので、ここで、この舞台のクリップを貼っておきます。


Cast of "Come From Away" performs for Macy's Thanksgiving Day Parade

ご覧のように舞台上には派手な装置などはなく、わずかな椅子やlighting などで状況を表しています。

かなり低コストなのに、あまり安っぽく感じさせないのは、役者たちの圧倒的なパフォーマンスにあります。

全体的に勢いがものすごくあったんです。

Playbillをご覧になれば一目瞭然ですが、特にメインキャストは設けず、一人が何役もこなしていることがわかります。

そういえば、キャストの中には『メンフィス』に主演したKimballの名前もあって、とても懐かしくなったのですが、彼の役も特にメイン感はなかったです。

このように主演を設けないのは、この登場人物は全て実在する、現在もご健在の方々をもとにしており、彼らへのリスペクトを表しているのだろうと思います。

また、先の痛ましい事件を鑑み、人命平等の立場からこのような対応をしたのかなと勝手に思いました。

ただ、舞台全体には悲壮感はほとんどなく(全くないわけではないけれど)、時折ジョークで笑いが起こるようなショーになっています。

言語や文化が違う人たちが何とか理解し合おうとする様子は感動的でした。

しかし、残念ながら先程の理由で全て理解できずに終わってしまったことと、音楽がそこまで好みの部類ではなかったことなどから、私の中ではそこまで評価が上がりませんでした。

ただ、アメリカのミューオタたちが異口同音に強く推していた作品ですし、周りのアメリカ人たちはライブ会場のように盛り上がっていたので、この種の音楽が好きな方はおそらく好きだと思います。

不完全燃焼の観劇だったので、ぜひリベンジしたいです。

次に観るときはロンドンかな。

『The Band’s Visit』『迷子の警察音楽隊』2018.9.15.so

f:id:urara1989:20181010203300j:image

『The Band’s Visit』『迷子の警察音楽隊』とは

2016年オフブロードウェイ初演、2017年ブロードウェイ初演のミュージカル。

2007年公開の同名のイスラエル映画を基にしている。

最優秀ミュージカル作品賞を含めたトニー賞10部門を受賞し、各紙批評でも軒並み高い評価を受けた。

あらすじ

1990年代初頭、8人からなるエジプトのアレクサンドリア警察音楽隊が、イスラエルの空港に到着した。

彼らはペタハ・ティクヴァのアラブ文化センターで演奏するようにと招かれたのだった。

しかし、いくら待てど迎えがこない。

なんとか自力で目的に到着しようとするが、乗ったバスはベイト・ハティクヴァという、似ている響きを持つ名前の辺境の街に到着してしまう。

その日はもうバスがなく、演奏会は翌日の夕方だった。

昼食をとっていた食堂の女主人ディナは、この街にはホテルがないので、自分の家と常連客イツィクの家と店に寝泊まりしているパピの部屋に分かれて泊まるよう団長に勧める。

団長とカーレドはディナのもとに、シモンら3人はイツィクのもとにお世話になることになる。

お互いに言葉も文化も宗教も違い、不慣れな英語で意思疎通をとることに。

団長はディナに、昨今の音楽の話から、次第に、息子と妻の死などプライベートな話まで打ち明けるようになるのだった。

f:id:urara1989:20181010205444j:image

キャスト

Dina    Katrina Lenk

Tewfiq    Sasson Gabay 

Itzik    Pomme Koch

Haled    Ari’el Stachel

Camal    George Abud

Papi    Etai Benson

Telephone Guy    Adam Kantor

Avrum    Andrew Polk

Zelger    Bill Army

Simon    Joseph Kamal

Julia    Rachel Prather

Sammy    Jona Than Raviv

Anna    Sharone Sayegh

Iris    Kristen Sieh 

感想

観終わって、しばらく立ちあがることができなかった…舞台を観てこのような経験をしたのはいつ以来でしょうか。

各紙演劇評や各演劇賞で総じて高評価を受けたこの作品に、私もすっかり魅了されてしまったのです。

所謂アメリカ的な、歌って踊ってさぁ楽しく!という部類の作品ではありませんし、どちらかというと成熟した大人向けで、万人受けはしないと思います。

この作品を観ながら片手に持つべきなのは、ミディアムボディのワインであって、決してオレンジジュースではないのです。

さて、この日はrush ticketを取るべく8時半頃にBarrymore劇場前に到着。

着いた時に既に並んでいたのは2人だけ。

寝坊して焦ってきたにもかかわらず、週末なのに意外と列は作られていなかったので一安心して、前にいたD.C.から来ていた女の子としばしミュージカルや最近の米国の政治に関するトークで盛り上がっているうちに、あっという間に一時間半経過し、無事にrushを入手できました。

左前サイドのオーケストラ、若干partial viewではあるものの、やはり40ドル台のチケットはお財布に優しいですね。


A Collection of Moments | The Band's Visit

この作品は始まりと終わりに同じ下のような文句を観客に投げかけます。

Once, not  long ago, a group of musicians came to Israel from Egypt.

You probably didn't hear about it.

It wasn't very important.

休憩なしの一幕構成のショーでしたが、非常に濃密な時間を過ごしました。

私は中東文化に詳しくないですが、エジプトとイスラエルは使われている言葉が違うのですね。

言葉や文化、宗教の異なる者同士が、カタコトの英語と音楽を通じて心を通わせる様を描いています。

この戸惑いや可笑しさを俳優たちは見事に演じきっていました。

たった一晩の出来事ですが、心が通じ会うのに時間なんて関係ないのですよね。

というかむしろ、一晩だけであったからこそ、打ち明けられたこともあったのでしょう。

主演のKatrina Lenkは、国籍不明のいわく付きの美女、といった雰囲気で、この作品のiconicな存在として終始異彩を放っています。

『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』でイツハク役をしていたことは、ユニセックスな風貌から容易に想像できますね。

彼女はこの役でトニー賞最優秀主演女優賞を受賞していますが、このperformanceを観て当然だと思いました。

音楽はアラブ音楽を連想させるようなexoticなものや郷愁を誘うようなバラードなど様々で、特に印象的だったナンバーが「Answer Me」。

それまでsoloが多かったところで歌われる合唱で、どこか懐かしさを感じる切ないメロディーにカタルシスを覚えました。


THE BAND'S VISIT (Broadway) - "Answer Me” [LIVE on TODAY]

Original Broadway Cast Recording も、イージーリスニングといってもいい感じの優れたアルバムになっています。

Vinylが出たら即買いしたいくらい、大好きな盤です。

実は、気に入ってしまって、脚本は既に購入済みなので、後でOBCRと照らし合わせながら読みたいと思います。

警察音楽隊”を構成する楽器たちは以下の通り。

  • oud ウード
  • darbuka ダルブッカ
  • clarinet クラリネット
  • violin ヴァイオリン
  • cello チェロ

ウードというのは、アラブ音楽文化圏で使われる琵琶に似た半円形の撥弦楽器

ダルブッカというのは、アラブ音楽やトルコ音楽で用いられるゴブレット形太鼓の一種。

また、見慣れたヴァイオリンなどの弦楽器やクラリネットはアラブ音楽を演出するために通常より低めにチューニングしているのだとか。

芸が細かいですね。

彼らの本番での演奏が始まろうとするまさにその瞬間に、この作品の幕はおります。

この映画を観たことはなかったのですが、今回の観劇で元の映画の方にも俄然興味が湧いて来ました。

機会があったらみてみようと思います。