ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

ミューオタるんによる純粋なミュージカルブログ

『紳士は金髪がお好き(1953)』Gentlemen Prefer Blondes

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紳士は金髪がお好き』とは

1953年公開のアメリカのミュージカル映画

 アニタ・ルースによる同名小説を基にした、1949年初演のブロードウェイミュージカルを映画化したもの。

劇中の「Diamonds are a Girl’s Best Friend」は数々のアーティストにカバーされている。

あらすじ

ショーガールローレライはお金持ちに目がないブロンド美女。

大富豪の御曹司ガスはローレライに夢中で、パリで式を挙げるために豪華客船を予約するが、ガスの父親は結婚に猛反対し、ガスは船に乗れなくなってしまう。

ローレライは代わりに、ショーのパートナーで親友のドロシーと一緒に乗船し、パリに向かうことになる。

ドロシーはローレライとは対照的に、男を見るときはルックスの方が重要であった。

ローレライはドロシーに男の経済力の重要性を説き、船上で彼女のために資産家の相手を探し始める。

そんな中、ドロシーはハンサムなマローンと知り合い意気投合するが、実はマローンはガスの父親が雇った私立探偵だった。

ダイアモンド鉱山の所有者であるビークマンと親しくなったローレライは、部屋で一緒にいるところをマローンに写真に撮られてしまう。

ガスにこの情報が伝わることを恐れたローレライは、ドロシーと協力し、手練手管でなんとか証拠写真を奪い取る。

ローレライはこのお礼としてビークマンからダイアモンドのティアラを受け取るが、ビークマン夫人はティアラが盗まれたと大騒ぎにし、警察沙汰にまで発展してしまうが…


Gentlemen Prefer Blondes (1953) trailer

キャスト

ドロシー  ジェーン・ラッセ

ローレライ  マリリン・モンロー

ビークマン  チャールズ・コバーン

マローン  エリオット・リード

ガス  トミー・ヌーナン

ビークマン夫人  ノーマ・ヴァーデン

感想

私にとって、マリリン・モンローを初めて映画で観た作品でした。

世の男性陣がマリリンを崇める理由をまざまざと見せつけられる、そんな映画です。

主人公は「男はお金がすべてよ」のブロンド美女と「男はかっこよければいいわ」の黒髪美女。

二人は親友同士であり、お互いに相手を思いやっているのですが、平然と手荒なこともする、なかなかタフな女子です。

類は友を呼ぶとは言いますが、ことに男性の嗜好に関して同じでは両者で取り合いになってしまい関係が破綻してしまうので、親友同士で男の趣味が違うのは必然なんですね。

そういえば私もそうだなぁ、なんて思い返しました。

本作は、女の友情を面白おかしく描いています。

音楽も「Diamonds are a Girl’s Best Friend 」をはじめ、ブロードウェイらしい明るい楽曲が多く、楽しめます。

この曲はドラマ「グリー」や映画『ムーラン・ルージュ』でも用いられましたね。

なお、このシーンには若き日のジョージ・チャキリスがいるので、探してみてください。


Marilyn Monroe - Diamonds are a girl's best friend

黒髪美女を演じたジェーン・ラッセルも大変お綺麗で歌える女優さんです。

ネタバレですが、ローレライに扮装する場面では、話し方に至るまであまりに似すぎていて驚きました。

私も真似して、「Thank you ever so」なんて言ってみたりして…笑

作中の登場人物のように、ラッセルとモンローはとても仲良しだったようで、そういうプライベートの和やかな雰囲気が映画にもそのまま表れていたように思います。

『ブロードウェイ(1941)』Babes on Broadway

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『ブロードウェイ』とは

1941年公開のMGMによるミュージカル映画

“裏庭ミュージカルシリーズ”としては4作目。

ジュディはこの時19歳で、本作撮影中に最初の夫デイビッド・ローズと結婚した。

あらすじ

ブロードウェイの舞台に立つことを夢見るトミー、レイ、ハミーの3人は、たまたま店に来た劇場主の秘書ミス・ジョーンズに認められ、舞台のオーディションを受けられることになるが、周りにそのことを言いふらし、大勢が押しかけたため、劇場主の怒りを買ってしまい機会が逸する。

そんな折、ひょんなことで同じくブロードウェイを目指すペニーに知り合う。

ペニーの隣保館の子どもたちが田舎に行く資金を貯めるために、自分たちでショーをすることを計画する。

イギリスから疎開してきた子どもたちを主演にし放送し、大盛況となった。

このショーで貯めたお金で自分たちで劇場を借りるが、初日に詰めかけた客たちが多すぎ、それが消防法に違反したため途中で公演を中止することとなってしまう…

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キャスト

トミー  ミッキー・ルーニー

ペニー  ジュディ・ガーランド

ミス・ジョーンズ  フェイ・ベインター

バーバラ  ヴァージニア・ワイドラー

レイ  レイ・マクドナルド

ハミー  リチャード・クワイン

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感想

 ミッキー・ルーニージュディ・ガーランドのコンビによるミュージカル映画は、ちょうど戦時中の公開のものが多いためか、日本ではDVD化されているものが少ないです。

アステア作品はまずまずDVD化されているのに、なぜミッキー&ジュディはないのだろうと不思議に思うのですが。

本作は、ドラマを楽しむというより、2人のダンス、歌、パフォーマンスを楽しむための映画です。

2人は10代後半から20代前半に多く共演しており、個人的には『ハイスクールミュージカル』の先駆けだと思っています。

アステアとロジャースのような大人の優雅さとは違い、キャラクターがはっきりした、ハイテンポなパフォーマンスが特徴です。

個人的に、このころのジュディが一番好きです。

私のお気に入りのシーンは「How About You?」です。

スタンダードナンバーにもなっているこちらの曲は、「私は6月のニューヨークが好き、あなたはどう?」で始まる一曲。

ジュディがとても可愛らしく歌い上げています。


Babes on Broadway (1941) – How About You?

「Hoe Down」はコンビの相性の良さがよく表れている一曲。

ミンストレルショースタイルも2人にとてもお似合いでした。 


FDR Jones

 「The Yankee Doodle Boy」はアルプス一万尺として、日本人にもお馴染みかと思います。


Babes on Broadway (1941) – Yankee Doodle Boy

ジュディはカラーになる前の白黒映画の頃の方が、本来の美しさが際立つような気がします。

この時代の作品をもっと日本で楽しめるようになったらいいなと切に思います。

『はじまりのうた(2013)』Begin Again

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『はじまりのうた』とは

2013年公開のアメリカの音楽映画。

 監督・脚本は『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー。

当初は5館のみでの公開だったが、口コミで評判が高く、全米1300館にまで広がった。

劇中歌「Lost Stars」はアカデミー賞歌曲賞にノミネートされた。

あらすじ

シンガーソングライターのグレタは、制作した曲が映画に採用されたボーイフレンドのデイヴとともに、イギリスからニューヨークにやって来たが、デイヴの浮気により打ちのめされる。

友人のスティーヴは、傷心のグレタを励まし、ライブバーに連れて行き、無理矢理ステージに上げる。

嫌々ながらもステージで自分のつくった歌を歌うグレタの姿が、落ち目の音楽プロデューサー、ダンの目にとまる。

ダンはグレタに一緒にアルバムをつくろうと持ちかける。

ダンは、以前はグラミー賞を受賞するアーティストを発掘するなど、業界では有名なプロデューサーだったが、現在は歌手だった妻に浮気され、事務所も解雇され、寂しく別居生活を送っていた。

デモテープをつくるにもスタジオを借りるお金がない二人は、路上で収録することを思いつく。

若手のアーティストや路上の子どもたち、さらに娘バイオレットをも巻き込んだ収録は、疎遠だったダンの家族を再び引き寄せるのだった。

留守番電話に吹き込まれたグレタからの歌をきき、デイヴは急いでグレタに連絡を取り、自分の犯したことを詫び、もう一度やり直したいと言う。

心から謝るデイヴに考え直そうとするグレタだったが…


Begin Again Official Trailer #1 (2014) - Keira Knightley, Adam Levine Movie HD

キャスト

グレタ  キーラ・ナイトレイ

ダン  マーク・ラファロ

バイオレット  ヘイリー・スタインフェルド

デイヴ  アダム・ラヴィーン

スティーヴ  ジェームズ・コーデン

サウル  ヤシーン・ベイ

トラブルガム  シーロー・グリーン

ミリアム  キャサリン・キーナー

感想

初めて観た時、こんなに素晴らしい映画があるんだと感動したのを覚えています。

ニューヨークの街並み、人との出会いの素晴らしさ。

『ONCE〜』と同じように、年の離れた(親子までは離れていないけれど)男女の友情以上恋人未満の関係性のもどかしさ、喜びを、絶妙なバランスで描いています。

決して『ONCE〜』の二番煎じではありません。

マルーン5のアダム・ラヴィーンの歌が上手いのは言うまでもないことですが、キーラ・ナイトレイも歌える女優さんです。

マーク・ラファロは程よい落ちぶれ感と楽観性がある愛すべきおじさまを熱演しています。

そして「Lost Stars」は鳥肌が立つほどの名曲です。

字幕を見ながら久々に泣きました。

また、この映画で最高なシーンは、二人がお互いのiPodに入っているプレイリストを一緒に聴きながら、夜のニューヨークを闊歩する場面。

プレイリストって、まず他人に見せないですし、だからこそその人らしさが一番表れている部分なのかもしれませんね。

それまであくまで音楽の共同制作者だった二人が、音楽を通して自分をさらけ出すことで、急速に距離を縮めるのですが、このシーンを観て笑顔にならない人なんていないのではないでしょうか。

因みに、プレイリストに入っている音楽は次の通り。

こちらは、ミュージカル『野郎どもと女たち』からの一曲ですね。

初期のスティービーの作品。

言うまでもなく映画『カサブランカ』より。

後日、グレタが二人でiPodが聴けるこの接続器をダンに送り、ダン夫妻の仲が縮まったのは微笑ましかったですね。

エンドクレジットまで含めて、無駄がなく、気持ちよく観られる、奇跡的な作品と言えるかもしれません。

『グレイテスト・ショーマン(2017)』The Greatest Showman

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グレイテスト・ショーマン』とは

2017年(日本では2018年)公開のアメリカのミュージカル映画

19世紀に活躍した興行師フィニアス・テイラー・バーナム、通称P・T・バーナムの人生を描いた伝記映画でもある。

音楽は、『ラ・ラ・ランド』などを手がけたベンジ・パセック、ジャスティン・ポールのコンビによるもの。

「The Greatest Show on Earth」とは1952年の映画のタイトルだが、元々はリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスの宣伝文句であり、ここから本作のタイトルはつけられた。

監督はマイケル・グレイシー。

あらすじ

19世紀半ばのアメリカ、コネチカット州

貧しい仕立て屋の息子として生まれた少年少年P・T・バーナムは、裕福な家の娘チャリティに恋をする。

幼いながらも惹かれ合う二人だが、身分の違いから結ばれることは叶わない。

その後、親を亡くしたバーナムは都会に出て鉄道会社の仕事に就き、改めてチャリティに結婚を申し込むのだった。

数年後、バーナム夫妻には可愛い二人の娘に恵まれ、貧しいながらも心は満たされた幸せな日々を送っていた。

ある日、会社が倒産し、職を失ったバーナムは、海に沈んだ船の登録証を担保に銀行から融資を受け、マンハッタンの一角に、バーナムのアメリカ博物館を始める。

蝋人形や動物の剥製を置いた博物館は人気が出ず、バーナムは娘のアイデアをヒントに「ユニークな人々」を探すことに。

低身長の親指トム将軍やヒゲの生えた女性歌手レティ、空中ブランコが特技のアンとW.D.のウィーラー兄妹などパフォーマーが出演するショーを始める。

彼らのショーは一躍有名になるが、そのショーは社会には認められれず、反対するものも少なくなかった。

この状況にバーナムは苦悩するが、相棒のフィリップの協力によりショーの仲間を連れてビクトリア女王に拝謁することができた。

そこで彼はオペラ歌手のジェニー・リンドと出会い、彼女のアメリカ公演を成功させれば、今度こそ陽の目を見ることができると考えたバーナムは、フィリップにサーカスを譲り、ジェニーの公演に全てを注ぐことを決意する。

成功に取り憑かれたバーナムと心の充足を求める妻チャリティはすれ違うようになり、見捨てられたと感じたパフォーマー達の心もバーナムから離れていくのだった。

キャスト

バーナム ヒュー・ジャックマン

チャリティ ミシェル・ウィリアムズ

フィリップ ザック・エフロン

アン ゼンデイヤ

ジェニー・リンド レベッカ・ファーガソン

レティ キアラ・セトル

W.D.ウィーラー ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世

感想

公開初日、仕事終わりに観てきました。

まず、trailerから。ちょっぴり長めです。


THE GREATEST SHOWMAN Trailer 2 (Extended) 2017

冒頭から鳥肌が。

少年時代に遡り、バーナムの人生が描かれていきます。

魅せ方が好きだったのは、

チャリティと一緒になって、建物の屋上で二人で踊るシーン、

洗濯物を光でテラスシーン、

あとは何と言ってもこの映画の大切なテーマの一つである「This is Me」。

「This is Me」は、お堅い上流社会に、個性的な面々が「私は立ち上がる。私は屈しない。これが私。」と、自分らしさを高らかに歌い上げる爽快な一曲です。

思わず体が動き出してしまいました。

バーナムがフィリップを火事から救い出す場面では、「Bring Him Home」が流れてきてしまったのは私だけではなかったはず。

もうヒュー・ジャックマンザック・エフロンが、バルジャンとマリウスですよね。

音楽は上記のコンビですが、ビルボードのアルバムチャートで1位を獲得するなど、ヒットを記録しています。

それにしても、ヒュー・ジャックマンはどこまで凄いのでしょう。

やはり彼のミュージカルというとブロードウェイミュージカル『Boy from Oz』で、それまで歌なし映画のイメージしかなかったため、その時ちゃんと歌も歌える人なんだと思ったのですが、その後もミュージカル映画レ・ミゼラブル』でその才能を世界に証明しました。

この作品でも、そんな彼の素晴らしさが遺憾なく発揮されています。

さらに、『ハイスクールミュージカル』や『ヘアスプレー』のエフロンも久々のミュージカル出演になるのかしら。

また、ニューヨークに行きたくなりました。

『ビクター/ビクトリア(1982)』Victor Victoria

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『ビクター/ビクトリア』とは

1982年公開のアメリカのミュージカル映画

 監督は、主演のジュリー・アンドリュースの夫ブレイク・エドワーズ

アカデミー賞歌曲賞を受賞した。

舞台化されたものは、1995年にブロードウェイで初演された。

あらすじ

売れないソプラノ歌手のビクトリアは、ひょんなことからゲイの芸人トディーと手を組み、ドラッグクィーンの歌手ビクターとして売り出されることとなる。

最初は疑心暗鬼のビクトリアだったが、これが大ブレイクし、一躍時の人となる。

シカゴのギャングであるキングも彼女に魅せられる。

そんなキングにビクトリアもいつしか心惹かれていくが…


Victor/Victoria - Original Theatrical Trailer

キャスト

ビクトリア・グラント/ビクター・グラジンスキー伯爵  ジュリー・アンドリュース

キング  ジェームズ・ガーナー

トディー  ロバート・プレストン

ノーマ  レスリー・アン・ウォーレン

スクワッシュ  アレックス・カラス

アンドレ  ジョン・リス=デイヴィス

感想

サウンド・オブ・ミュージック』のマリア役や『メリー・ポピンズ』のメリー役でお馴染みのジュリー・アンドリュースが、中性的な役柄に挑戦しています。

それまで清純な優等生の役柄が多かったジュリーにとってはかなりの挑戦だったのではないかと思いますが、ご主人である監督の妻ジュリーへの愛情の深さを感じました。

ところどころ、少し長すぎる印象を受けることはありましたが、プロットがなかなかおもしろく、最後まで飽きずに観られました。

ドラマ『グリー』などでもカバーされている「Le Jazz Hot」は何度も繰り返して聴きたくなってしまう一曲。

とても楽しくて、もう本当に大好きです。


JULIE ANDREWS – Le Jazz Hot (1982, HD)

やはり、ジュリーはどう見ても女性にしか見えないのですが…

トディー役は、トニー賞を2度受賞しているロバート・プレストン、やはり名優です。

西部劇で活躍された、どちらかというと硬派な方がドラッグクィーンを演じるのには抵抗があったと思いますが、果敢に挑戦しています。

1995年には舞台化され、ジュリーはトニー賞主演女優賞にノミネートされますが、自分だけが目立ってはいけないと、これを辞退しています。

また、1997年に非腫瘍性の声帯結節の手術を受けた後、以前のような伸びやかな歌声を失ってしまったため、2018年現在、これが最後のブロードウェイ出演となっています。

『有頂天時代(1936)』Swing Time

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『有頂天時代』とは

1936年公開のアメリカのミュージカル映画

アステア&ロジャースコンビの第6作目。

音楽は「煙が目にしみる」などのジェローム・カーン

「The Way You Look Tonight 」はアカデミー歌曲賞を受賞した。


Swing Time (1936) "Trailer"

あらすじ

ダンサーのラッキーは、ダンサーの夢を諦め、マーガレットと結婚しようとするが、同僚のダンサーたちに邪魔されて結婚式に遅刻してしまう。

激怒した花嫁の父親から、2万5千ドル稼ぐまで結婚は許さないと言われ、一獲千金を狙い、一路ニューヨークに向かう。

道ばたで偶然出会ったダンス教師のペニーとダンスのパートナーになり、恋が芽生えるが、婚約中のラッキーはペニーとの恋を進めることがなかなかできず。

キャスト

ラッキー  フレッド・アステア

ペニー  ジンジャー・ロジャース

ポップ・カルデッティ  ヴィクター・ムーア

メイベル  ヘレン・ブロデリック

感想 

アステア&ロジャースコンビの作品で、一番プロットが好きなのは本作です。

少ない元手からギャンブルで徐々に成り上がっていく様子や、最後の爆笑シーンなどから、有頂天時代なんていう粋な邦題をよく考えられたなと思いました。

婚約者がいるけれど、目の前の女性への気持ちを抑えられない、微妙な立場を演じるアステアと、そんなつれない対応をするアステアに拗ねるロジャースがなんとも可愛らしいのです。

「Fine Romance 」という一曲がこの2人の付かず離れずの様子をうまく表していました。

なんというか、この映画は80年以上前の映画ですが、男女の仲って時代は移り変わっても本質的には変わらないのだなと、このシーンを見ると苦笑いしてしまいます。


Fred Astaire & Ginger Rogers - A Fine Romance (1936)

また、音楽といえば、なんといっても、スタンダードナンバーになっている「The Way You Look Tonight 」を語らずにいられません。

ため息が出るほどロマンチックですね。

シャンプー中のペニーが思わず恍惚となる気持ちもわかります。


The Way You Look Tonight

本作には、アステアにしては珍しく、というか唯一かしら、黒塗りでのミンストレルショー風のダンスシーンがあります。

アステアが巨大な3つの黒い大きな影をバックに踊る様子が印象に残っています。


Astaire Swing Time Bojangels

Never Gonna Dance」は、文字通り、「僕が踊る相手は君だけ。だからもう僕が踊ることはないから、帽子も燕尾服も捨てよう」というナンバー。

切なくて胸が苦しくなりました。

このシーンは、アステアがこだわり、40テイク以上撮影されたそうです。

婚約者の元へ向かおうとするペニーを引き止めるような形で、階段から大広間とかなり広いスペースにわたって踊るため、撮影終了時には足から血が流れていたという話もあるほどだったそうです。


Never Gonna Dance

アステア&ロジャースのダンスと歌を楽しめ、かつ、筋書きもなかなかおもしろいので、アステア作品に興味のある方にはおすすめです。

『ブロードウェイと銃弾』2018.2.12.ma

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『ブロードウェイと銃弾』とは

ウディ・アレン監督による1994年公開の同名映画をミュージカル化したもの。

2014年ブロードウェイ初演時は、ミュージカル『コンタクト』振付や映画『プロデューサーズ』監督などのスーザン・ストローマンが演出した。

今回が日本初演

演出は福田雄一

↓ブロードウェイ公演の様子


BULLETS OVER BROADWAY: First Look

あらすじ

舞台は1920年代、禁酒法時代のニューヨーク。

劇作家のデビットは、かねてからの念願が叶い、自分の戯曲をブロードウェイにかけることになり張り切っている。

しかし、プロデューサーが見つけてきた出資者はギャングの親玉ニック。

しかもキンキン声でろくに台詞も言えない愛人のオリーブを主演に据えるよう要求し、部下のチーチを監視役として送り込んできた。

さらにプライドの高い主演女優ヘレンは脚本を書きかえろと色仕掛けで要求し、名優だが過食症で女癖の悪いワーナーはオリーブと怪しい関係を持っている。

そんな状況に、芸術至上主義でまめなデビットは困惑する。

そこになぜか、てんやわんやの稽古の様子をずっと観察してきたチーチまでが脚本や演出に口を挟んでくる。

舞台を完成させたい一心のデビットは、数々の妥協を余儀なくされ、その都度頭を抱えてしまうが、チーチの提案は芸術に程遠いと思っていたが、的確な意見ばかりであることに気づく。

デビットとチーチは一緒に脚本を書き直し、舞台は見事成功を収めるが、それが引き金となり思わぬ大騒動に。

キャスト

デビット  浦井健治

チーチ  城田優

エレン  愛加あゆ

イーデン  保坂知寿

オリーブ  平野綾

ヘレン  前田美波里

ワーナー  鈴木綜馬

ニック  ブラザートム

シェルドン  青山航士

ジュリアン  加地将樹

感想

今日は『ブロードウェイと銃弾』を観に、日生劇場まで行ってまいりました。

全体的にコメディで、何度も笑わせてもらいました。

私はいつも1階席の入り口から劇場に入って雰囲気を感じてから、着席するのですが、今回は舞台上のタイムズスクエアを彷彿とさせるネオンサインに気分が沸き立ちました。

とにかくキャストの個性が強くて、適役だったと思いますが、やはり前田美波里さんのパワフルな存在感は圧巻でした。

失礼ですが、ご年齢を考えるととても想像できない、ダンスや歌、容姿に、プロフェッショナリズムを感じました。

また、去年の『レディ・ベス』からは程遠いキャラクターを演じた平野綾さん。

このキャラを見て、まず最初に映画『雨に唄えば』のキンキン声の女優役を思い浮かべてしまいました。

少々お下劣なシーンも突き抜けていて、コミカルに演じられている様子は脱帽です。

声優をされているだけあり、声の幅の広さに驚かされました。

城田優さんは、背の高いギャングの手下役で、一見怖そうだけれど実は芝居に熱いという役どころでした。

今回が初タップだったそうですが、タップの群舞に混じり、タイムステップやターンなどをされていましたね。

タップが好きで今も続けている私からしますと、これからも練習を続け、また別の舞台でも披露してくださると嬉しいななんて思います。

チーチという役名にかけて、自分の名前をトートと聞き違えるシーンなど、ミュージカルファンを喜ばせるようなシーンもありました。


『ブロードウェイと銃弾』歌唱披露/城田 優

浦井健治さんは売れない劇作家役でしたが、強烈な個性の役者陣に囲まれて、唯一ふつうのキャラをそつなく演じられていました。


『ブロードウェイと銃弾』歌唱披露/浦井健治

保坂知寿さん、鈴木綜馬さんはじめとした元四季さんも脇を固められていましたね。

難しいことを考えず、古き良きアメリカの音楽やダンスに酔いしれて、当時の雰囲気を楽しめる類の舞台裏ものミュージカルは久しぶりだったので、満喫しました。