『ベルリン、わが愛』とは
2017年に上演された宝塚歌劇団(星組)によるミュージカル。
作曲は玉麻尚一。
作・演出は原田諒。
あらすじ
サイレント映画からトーキーへと移り変わる頃。
1920年代から1930年代にかけて、ハリウッドと並ぶ映画の都として映画を誇っていたドイツ・ベルリンにも、ナチスが暗い影を落とし始めていた。
そんな中、新しい娯楽作品を模索する男たちは、ミュージカル映画こそ大衆が求めるものだと確信し、その実現へ向けて邁進していた。
無名の踊り子を抜擢し撮影された映画は大成功を収める。
しかし、プロパガンダとして映画を利用しようとするナチスの圧力は強まる一方だった。
理想と現実の狭間で苦悩しながら、映画を愛した彼らが書いたシナリオとは。
キャスト
テオ・ヴェーグマン 紅ゆずる
ジル・クライン 綺咲愛里
エーリッヒ・ケストナー 礼真琴
ヨーゼフ・ゲッベルス 凪七瑠海
ルートヴィッヒ・クリッチュ 美稀千種
アルフレート・フーゲンベルク 壱城あずさ
ニコラス・カウフマン 七海ひろき
ヴィクトール・ライマン 天寿光希
レーニ・リーフェンシュタール 音波実り
ジョセフィン・ベイカー 夏樹れい
ロルフ・シェレンベルク 瀬央ゆりあ
ルイーゼロッテ 有沙瞳
感想
普段は宝塚の舞台は観ないのですが、WOWOWで放送されていたので、観てみました。
宝塚初心者の戯言として流してください。
本作の舞台は、ベルリン。
時代はちょうどサイレントからトーキーへの移行期なので、ちょうどミュージカル映画『雨に唄えば』で描かれている頃と同じ時期でしょうか。
▼公式チャンネルより
星組公演『ベルリン、わが愛』『Bouquet de TAKARAZUKA』初日舞台映像(ロング)
新米映画監督にしてミュージカル映画に挑戦するテオと無名の踊り子のジルの淡い恋物語。
録画したものを深夜に何となく観だしたのだけれど、なかなか面白く拝見しました。
登場人物も一応名前だけは実在の人物をモデルにしている部分もあります。
例えば、テオに脚本協力するエーリヒ・ケストナーですが、「エーミールと探偵」や「ふたりのロッテ」などを手がけたドイツの児童小説作家として知られる同姓同名の人物がいます。
ケストナーの最愛の人として記録が残っているのがルイーゼロッテで、彼女の名前から「ふたりのロッテ」の主人公の名前が取られたことも知られています。
役者さんのことについては全く知らずにこのperformanceを観ましたが、やはり男役トップの紅さんの歌声、演技に特に魅了されました。
そして、ゲルダやヨーゼフといった悪役たちの小気味いい演技がややもすると単調になりがちな舞台にアクセントを与えてくれていたように感じました。
音楽はテオのナンバー以外はあまり印象的なものはありませんでしたが、紅さんに見とれて最後まで観てしまいました。