『やんちゃ学生(1953)』とは
1953年のミュージカル映画。
マックス・シュルマンによる短編小説を基にしている。
撮影当時、すでにカラー映画が主流になっていたが、敢えてモノクロで撮影された。
作中に多用される「All I Do is Dream of You」(ナシオ・ハーブ・ブラウン作曲、アーサー・フリード作詞)は映画『雨に唄えば』でも同じくデビー・レイノルズによって歌われている。
のちに稀代の振付師・演出家として名を馳せるボブ・フォッシーの映画初出演作ある。
監督はドビー・ワイス。
あらすじ
グレインベルト大学に入学したばかりのドビー・ギルズは専攻を決められずにいたが、ふと見かけたパンジーに一目惚れし、彼女と同じ専攻にする。
ドビーの友人のチャーリーはローナに、ローナはドビーに、ドビーはパンジーに片思いしていたため、相手を追いかける形で彼ら4人は同じ専攻となり、一緒に過ごすようになる。
パンジーは父親の言いつけに従い、真面目な大学生活を送ろうとしていたが、ドビーとの放課後のデートでアクシデントがあり、門限を破ってしまう。
怒ったドビーの父親はパンジーにドビーと夜外出してはいけないと勧告する。
夜にデートできなくなった2人は、昼間の授業をサボり、ドビーの車で遊びに出かけるようになるが、課題の期限忘れてしまうなど、本業に支障が出始めてしまう。
キャスト
ドビー・ギルズ ボビー・ヴァン
チャーリー・トラスク ボブ・フォッシー
ローナ バーバラ・ルイック
ポンフリット教授 ハンス・コンリード
感想
デビー・レイノルズ主演の可愛らしい学園ミュージカルコメディです。
ミュージカルナンバーは少ないながら印象的で、特に中盤のボブ・フォッシーのダンスシーンは映画初出演とは思えないキレのあるものになっています。
▼trailer
The Affairs of Dobie Gillis - Trailer
中盤のボブ・フォッシーのダンスシーンでは、4人全員で踊る部分がありますが、ボビー・ヴァンには申し訳ないとは思いつつ、やはりボブ・フォッシーのダンスには一際輝く何かがあります。
ある人は「ボビー・ヴァンは足だけで踊っているが、ボブ・フォッシーは体全体で踊っている」と評していて、まさにその通りだと思いました。
デビー・レイノルズはモノクロでもやはり可愛らしく、育ちがよく明朗闊達な感じが何とも素敵です。
ボビー・ヴァンの遊ぶことしか頭にない学生役は適役でした(褒め言葉です)。
ミュージカル映画という観点から見ると物足りなさは感じてしまいますが、ボブ・フォッシー好きの方、黄金期作品を愛する方にとっては必見の作品だと思います。