ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『オーケストラの少女(1937)』One Hundred Men and a Girl

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『オーケストラの少女(1937)』とは

1937年のユニバーサル・スタジオによるミュージカル映画

レオポルド・ストコフスキーフィラデルフィア管弦楽団が出演している。

監督はヘンリー・コスター

アカデミー賞作曲賞を受賞している。

あらすじ

ジョンはオーケストラのトロンボーン奏者だったが、失業中でレオポルド・ストコフスキーの率いる楽団のオーディションに落ちたばかりだった。

その帰り道、落ちている財布を届け出るものの持ち主がわからず、その中身を滞納していた家賃の返済に当ててしまう。

その結果、大家はジョンがオーディションに受かったと勘違いし、歓声を聞きつけた娘のパッツィーも大喜びする。

ジョンは喜ぶ娘の顔を見て、誤りであると伝えることができないが、翌日、パッツィーがオーケストラの様子を密かに見学しに行ったことで全てを理解する。

再び悲しみにくれるパッツィーだったが、気を取り直し、ジョンが拾った財布に持ち主の住所が書かれた紙を見つけ、返しに行くことに。

財布を落としたフロスト夫人に、正直に話すと、何か欲しいものはないかと聞かれる。現在の家庭の事情を話すと、オーケストラを自分で作ったらスポンサーになろうとフロスト夫人は申し出てくれるのだった。

喜び勇んでパッツィーはオーケストラを作るが、果たしてうまくいくのか。

キャスト

パッツィー ディアナ・ダービン

ジョン アドルフ・マンジュー

レオポルド・ストコフスキー 本人

ジョン・フロスティ ユージン・パレット

フロスト夫人 アリス・ブラディ

マイケル・ボロドフ ミシャ・オウア

感想

ディアナ・ダービンは当時中学生くらいかと思いますが、天真爛漫な演技の次の場面では、突然大人顔負けの見事な歌声を響かせ、そのギャップに私は魅了されました。

ディアナ・ダービンといえば、ジュディ・ガーランドと競っていたことで初めて名前を耳にしました。

結果的に、大人の事情もあり、『オズの魔法使』などその後の多くのMGMのミュージカル映画に主演したのはジュディ・ガーランドでした。

ジュディ・ガーランドは当時白人としては珍しい黒人的歌唱(ソウルフルと言いますか)ができる少女でしたし、ディアナ・ダービンはそれとは違い、オペラ的ソプラノ歌唱を得意とする少女でしたから、どちらが優れていると一概に比べることはできません。

本作では、ディアナ・ダービンの美しいソプラノを、歴史のあるフィラデルフィア管弦楽団と指揮者ストコフスキーの共演で楽しむことができます。

ディアナ・ダービンによる「アレルヤ


Durbin Stokowski One Hundred Men and a Girl

フィラデルフィアアメリカ合衆国のかつての首都ですから、日本でいう京都のような存在で、歴史のあるヨーロッパ風の街並みが残る都市です。

そのため、フィラデルフィア管弦楽団アメリカ合衆国はもとより世界的にも名だたる管弦楽団と認識されています。

私もフィラデルフィアに滞在していた時、何度かコンサートに行くことができました。

クラシックの世界にとどまらず、本作のような映画出演であったり、ディズニー映画『ファンタジア』の演奏をしているのもこの楽団でした。

ちなみに、後ろ姿の出演のみですが、『ファンタジア』の時の指揮も、本作に出演しているストコフスキーです。

もしかすると、ストコフスキーさんはメディア出演が好きな方だったのかもしれませんね。

さて、本作はディアナ・ダービン演じる少女が東奔西走して大活躍する映画となっています。

どのくらい大活躍するかというイメージですが、原題をフォントの大きさで表すと、One Hundred Men and a Girlという感じ。

正直One Hundred Menは特に何もしないので、邦題では『オーケストラの少女』となっていますね。

日本ではテレビ放送されていた関係もあり、著名人にもファンが多くいる作品です。

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