ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『いつも上天気(1955)』It's Always Fair Weather

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『いつも上天気』とは

1955年MGM製作のミュージカル映画
ジーン・ケリー監督&主演作。

あらすじ
除隊した3人の兵士、テッド、ダグ、アンジーは、ある酒場で10年後に再会することを約束して別れる。
そして、10年後、テッドはボクシング選手のマネージャーに、
ダグはテレビ会社の重役に、アンジーは田舎の食堂の亭主に、それぞれなっていた。
例の酒場で再会を果たすが、10年前とは全く違う生活スタイルになっていたため、
話をしてもさっぱり面白くはなかった。
3人で行ったレストランで、テッドはテレビのディレクターであるジャッキーに出会い、
早速口説くがあっさり振られてしまう。
ところが、ジャッキーの担当する番組の出し物がぱっとしないため、
彼女は彼ら3人に、この再会話をさせようと考えを練るのだが。。。

 

 

キャスト・スタッフ

監督…ジーン・ケリースタンリー・ドーネン

テッド…ジーン・ケリー
ダグ…ダン・デイリー
ジャッキー…シド・チャリシー
メイデリン…ドロレス・グレイ
アンジー…マイケル・キッド

感想

これも、アメリカにいた時、図書館で借りてきて観ました。
観てみたら、この作品、今までのMGMミュージカル映画とは趣向が違いました。
ケリーとチャリシーのロマンスではなく、男3人の友情物語がメインという点で。
今までのMGMの型を打ち破って、人生の機微を表そうとした、ある意味で挑戦作だったんでしょうね。
でも、こういうパターンのMGM作品って、これ以外にはほとんどない気がします。
そういう意味で、とても貴重な存在。
うまく収まるのかな、と思ったら、意外な方向に進んでいったり。
しばらく会わずにいた人に久しぶりに会って、なんとなく以前会った時とは違うなぁと思ってしまったり…なんとなく分かるなぁと思ってしまいました。

この映画でも、ジーン・ケリーのダンスは存分に堪能できました。
ローラースケートを履いてのタップはさすがでした。
また、書かずにはいられないのは、シド・チャリシーの圧倒的な美しさ。
雨に唄えば』でのジーン・ケリーとのダンスも素晴らしかったですが、今回のダンスもかっこよかったですね。

一番印象深かったのは、ラストシーンでそれぞれが清々しい顔で、別々の方向へ振り返らずに歩いて行くシーン。
人生において、あまたある出会いと別れを感じました。


It’s Always Fair Weather (1955) – I Like Myself (Gene Kelly)