ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

SOUTH PACIFIC(2008 BW Cast Recording)

昨夜の市村さんの『KEAN』は最高でしたね~☆


さて、またまたネタ切れなので、CDコレクションの続きです。

 

今日は、SOUTH PACIFIC (The New BW Cast Recording)について、書きま~す♪

 

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  SOUTH PACIFICとは?

 

『SOUTH PACIFIC』は、かの有名なリチャード・ロジャースオスカー・ハマースタイン二世のコンビ(『サウンド・オブ・ミュージック』や『王様と私』『回転木馬』など)によって生み出されたミュージカル作品のひとつ。
この原作となったのは、ピューリッツァー賞を受賞した小説「Tale of the South Pacific」。
また、このミュージカル自体も、人種による偏見などを繊細に描いた作品、ということで、ピューリッツァー賞ドラマ部門を受賞しています。
トニー賞は、ノミネートされた10部門中10部門を受賞するという快挙で、どれだけ社会現象化した作品であったかがわかります。
初演は、1949年。
1958年には、映画化されましたが、この映画は、舞台での照明効果を意識して、カラーフィルターを取り入れているのですが、これが逆効果で、せっかくの美しい孤島の風景が台無しになっています。
この後、2001年にも映画化されました。
日本では、東宝さんが、滝田栄一路真輝前田美波里などの出演で上演したことがあり、このキャストの日本版のCDも発売されています。
宝塚でも一度上演されたらしいです。。。
この2008年リバイバル版は、リバイバル作品賞を含む7部門のトニー賞を受賞(11部門ノミネート)し、現在でも、興行成績も上々で、ブロードウェイで絶賛上演中です。

 

作品としては、前述したコンビによる作品だけあって、やっぱり音楽が素晴らしいです!
リチャード・ロジャースの音楽って、やっぱ凄い!!と改めて思わされた、という感じです。
とても単純な音符の配列なのに、心に響くんですよね~…
「Some Enchanted Evening」や「Bali Ha'i」など、聴いているだけで、気分は南の島♪

 

余談ですが、太平洋戦争の最中の作品で、この時アメリカと戦っている相手は、日本です。
なので、作品中しばしばJapanとかJapaneseって兵士たちが言っています。
しかし、先ほど酷評した映画の日本語字幕では、やはり日本向けなので、すべて「敵国」という表現に留めています。

 

ストーリー
太平洋戦争の真最中、南太平洋のある島が舞台。
ここに海兵隊のジョセフ・ケーブル中尉が任務を帯びてやってきたところからストーリーは始まる。戦争の悲劇の中、対日作戦に協力するフランス出身の農園主エミール・デ・ベックと島の海軍の看護婦ネリー・フォーブッシュ、また、ジョセフと島の土産物屋メリーの娘ライアットとの恋を描く。
Wikipediaより)

 

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  キャスト

Ensign Nellie Forbush…Kelli O'hara(海軍の看護婦で、エミールと恋に落ちるが…/トニー賞にノミネートされるが、最終的に『Gypsy』のPatti LuPoneが受賞)
Emile De Becque…Paulo Szot(孤島に住むフランス人。秘密の過去を持つ…/オペラ出身者。この作品で、2008年トニー賞主演男優賞受賞)
Lt.Joseph Cable…Matthew Morrison(ライアットと恋に落ちるが、結婚を断ってしまう、しかし…)
Bloody Merry…Loretta Ables Sayre(お酒じゃないです笑。土産物屋の要領のいいおばちゃん。この役を前田美波里さんが演じられたことは、にわかには信じがたい?!)
Liat…Li Jun Li(母メリーの勧めで、ケーブル中尉に会う…実は、この役、殆どしゃべらないし、歌はひとつも歌わないのです!)

 

  曲目

1 Overture

 

2 Dited-Moi

 

3 A Cockeyed Optimist

 

4 Twin Soloquies

 

5 Some Enchanted Evening
 ⇒代表的な名曲!メロディを聴いただけで、南の島から海に沈む夕日を見ているような気持になります。

 

6 Bloody Merry

 

7 There Is Nothing Like A Dame
 ⇒Dameというのは、女性、という意。男ばかりの戦地に飽きた兵士たちが「マンゴーやバナナはあるけど女はいない」と歌います。
  歌のなかで、このDameという単語を16回くらい言っています笑。

 

8 Bali Ha'i
 ⇒代表曲。土産物屋を営むおばちゃん、メリーが歌います。南の島の雰囲気をプンプン醸しだしている一曲です。

 

9 My Girl Back Home

 

10 I'm Gonna Wash That Man Right Outa My Hair
 ⇒ネリーがシャンプーをしながら歌うリズミカルな曲。That Manとはエミールのことです。

 

11 Reprise: Some Enchanted Evening

 

12 A Wonderful Guy
 ⇒名曲のひとつ。ネリーが飛び跳ねながら歌いまわる様子は本当に楽しい。

 

13 Reprise: Bali Ha'i

 

14 Younger Than Springtime
 ⇒ケーブルとライアットの出会いの場面。

 

15 Reprise: A Wonderful Guy

 

16 This Is How It Feel

 

17 Finale Act1
 ⇒衝撃的事実に、このあとネリーとエミールはどうなっちゃうの??というところで、一幕終了!

 

18 Entr'acte

 

19 Happy Talk
 ⇒名曲のひとつ。ちょっと前まで、東京メトロのCM(山田優が出てた)に使われていた曲です。
  とてもリズミカルで、楽しい。ブラッディーメリーが歌います。

 

20 Reprise: Younger Than Springtime

 

21 Honey Bun
 ⇒娯楽の少ない戦地で、お楽しみ会??のような催しものが開催される。
  その中で公演されたネリーたちのお芝居の劇中歌。
  一回り大きいサイズの水兵の制服を着たネリーが歌う、陽気なナンバー。

 

22 You've Got To Be Carefully Taught

 

23 This Nearly Was Mine
 ⇒あまり注目されないけれど、私の中ではかなりお気に入りの一曲です。
  ネリーへの気持ちを再認識するエミールの歌。

 

24 Reprise: Some Enchanted Evening

 

25 Reprise: Honey Bun

 

26 Finale Ultimo


2008年トニー賞受賞式での、このキャストによるパフォーマンスです。

South Pacific at the 2008 Tony Awards

 

上の動画で、演じられているナンバー
♪There Is Nothing Like A Dame
♪Some Enchanted Evening
♪A Wonderful Guy

 

このパフォーマンスを観て思ったこと。
それは、この作品は人種的偏見を描いた作品なのにも関わらず、この5分弱のパフォーマンスには全く有色人種が出演していないということです。
特に、最後の、♪A Wonderful Guyでのアンサンブルは、本当ならポリネシア系の有色人種が演じるべきところなのに、白人キャストになっています。
まだまだ、東海岸、殊にブロードウェイは、白人至上主義が根強いのだろうなぁ、と感じてしまいました。

 

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