ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ

『Pride & Prejudice: A New Musical』

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『Pride & Prejudice: A New Musical』とは

ジェーン・オースティン作の同名小説『高慢と偏見』を基にしたミュージカル。

2019年12月にカリフォルニア州パロアルトでプレミア公演された。

脚本・作詞・作曲は『ジェーン・エア』を手掛けてトニー賞にノミネートされたこともあるPaul Gordon。

演出はRobert Kelley。

あらすじ

イギリスの田舎町で、5人姉妹のベネット家は父の土地を守るため、金持ちの婿に迎えようと躍起になっていた。

そんな時、独身の青年資産家ビングリーがこの町に別荘を借りて越してくるという噂が舞い込む。

姉妹の母親であるベネット夫人はビングリーと娘を引き合わせようと、早速舞踏会の約束を取り付ける。

ビングリーと長女ジェーンは互いに微かな好意を持つ。

一方、次女のエリザベスはビングリーの友人であるダーシーが自分を軽んじる発言をしているのを聞いてしまい、その高慢さに反感を持つ。

一方、ダーシーはエリザベスに知性を感じ、惹かれるが、その高慢さが邪魔をして、格下の家のエリザベスと打ち解けられない。

以下、割愛。(小説、読んでください。)

キャスト

Elizabeth Bennet    Mary Mattison

Jane Bennet    Sharon Rietkerk

Mr. Bingley    Travis Leland

Mr. Darcy    Justin Mortelliti

Mr. Bennet    Christopher Vettel

Mrs. Bennet    Heather Orth

Mary Bennet    Melissa WolfKlain

Kitty Bennet    Chanel Tilghman

Lydia Bennet    Tara Kostmayer

Mr. Wickham    Taylor Crousore

Mr. Collins    Brian Herdon

Charlotte Lucas    Dani Marcus

Caroline Bingley    Monique Hafen Adams

Lady Catherine    Lucinda Hitchcock Cone

感想

こちらの作品は、無料配信期間に観ました。

高慢と偏見』は他にもミュージカル化されたことはありますが、本作は2019年12月にプレミア公演されたばかりの、出来たてほやほやのミュージカルです。

個人的に大好きな小説だったので、どんな具合にミュージカル化されるものだろうと楽しみにしていましたが、プロットは原作小説に忠実だったかと思われます。

(高校時代に読んだきりのため、小説の詳細までは記憶にありません。)

脚本のポール・ゴードン自身が、原作小説と照らし合わせながら脚本や歌詞を考えたと、配信後のコメントで言っていたので、オースティンへの敬意を感じられる作品になっていると思いました。

▼trailer


Pride And Prejudice Official Trailer

▼鑑賞後の感想

プライドが高くて気難しいダーシーは、小説や映像作品では正直何を考えているのかわからないことが多く、後々の行動から心情を類推することが多かったのですが、ミュージカルだと内心が露わになって、高らかに歌い上げるので、何度も胸がキュンとしました。

エリザベス役のMaryは若手ですが、歌、演技ともに非常に良かったです。

が、個人的なイメージでは「エリザベスはジェーンほどの派手さはなく、いつもその影に隠れていて、それでもダーシーはその聡明さを認めて魅せられる」と思っていたので、その点でちょっと違ったかなぁと。

メアリーとの差別化もしなければいけないので、難しいところではありますが。

音楽は流れていく感じで、どちらかというと地味ではありましたが、中にはエリザベス、ダーシーにそれぞれの内心を吐露させる、聴かせるナンバーがいくつかあり、それらは良かったです。

無料視聴期間は過ぎましたが、「Streaming Musical」というサイトでsubscribeすると観ることができます。

こちらのサイトでは、この作品以外にも、ミュージカルを含めた数多くの舞台作品を配信しているのでおすすめです。

▼Streaming Musicals公式サイト

www.streamingmusicals.com

 

▼ミュージカル『Pride & Prejudice: A New Musical』公式サイト

www.prideandprejudicepremiere.com

『テンプルの燈台守(1936)』Captain January

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『テンプルの燈台守』とは

1936年の20世紀フォックスによるミュージカル映画

1890年の同名の子ども向け小説を基にしている。

音楽はLew Pollackによる。

監督はデヴィッド・バトラー。

あらすじ

難破した船から助けられた孤児のスターは老人の灯台守ジャニュアリーに育てられている。

ある日、役人がやってきてスターが教育を受けているのか、確認にやってくる。

学校に通っていないスターにどれだけ学力があるのか、テストを受けることになるが、心配するジャニュアリーらをよそに、スターは合格する。

そんな折、スターの伯母が見つかったという報告が入り、役人たちは、正式に養育権の手続きを踏んでいなかったジャニュアリーからスターを取り上げようとする。

キャスト

スター シャーリー・テンプル

キャプテン・ジャニュアリー ガイ・キビー

キャプテン・ナズロ スリム・サマーヴィル

ポール・ロジャース バディ・イブセン

メアリー・マーシャル ジューン・ラング

エリザ・クロフト ジェーン・ダーウェル

感想

こちらの作品もシャーリー・テンプルの王道のストーリー:恵まれない環境でも失われない明るさや笑顔、血縁関係のない老人との親子愛、陽気な仲間たち、離れ離れを余儀なくされるもハッピーエンド、というお決まりの筋立て。

それであっても、テンプルちゃんの笑顔に心が和みました。

▼trailer


Captain January - Trailer (1936) Starring Shirley Temple

特に有名なのはバディ・イブセンとのダンスの競演が楽しめる「At the Codfish Ball」でしょうか。

▼「At the Codfish Ball」


Shirley Temple-At The Codfish Ball

曲のタイトルが「タラのダンスパーティー」とあるように、とても可愛らしい歌詞で、作品の舞台である港町ならではのナンバーになっていました。

燈台守のおじいちゃんとの掛け合いもとてもよく、分かっていても離れ離れになるシーンではテンプルちゃんをこれ以上いじめないで!と思ってしまいました。

やはりテンプルちゃんにはずっと笑っていてもらいたいものです。

また、学力テストを受けることになって、階段を降りながら掛け算九九を唱えるテンプルちゃんが登場するのもこの映画です。

このシーンは各方面で頻繁に引用されているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

冒頭で、テンプルちゃんがモーニング・ルーティンを披露する「Early Bird」でも、華麗なタップダンスを見せてくれています。

▼「Early Bird」


Shirley Temple-Early Bird

テンプルちゃんの目眩く表情が可愛らしい、寝る前の読書の時に歌われる「The Right Somebody to Love」も素敵な一曲。

▼「The Right Somebody to Love」


Shirley Temple The Right Somebody To Love Extended Version

国内盤は発売されていないため、輸入盤で鑑賞しました。