
『Just in Time』とは
2025年ブロードウェイで初演された、ボビー・ダーリンについての伝記ジュークボックスミュージカル。
ボビー・ダーリンが手がけた(他国語楽曲の翻訳も含む)既存曲が使われている。
脚本はWarren LeightとIsaac Oliver。
演出はAlex Timbers。



あらすじ
歌手、音楽家など才能に溢れたボビー・ダーリンの生涯が描かれていく。
母(だとボビーは思っている)の影響で歌を歌うようになったボビーは、Connie Francisの作曲家として知られるようになる。
Connieに恋心を抱くが、それが実ることはなかった。
その後もオリジナル楽曲を作成したり、海外の歌謡曲を英語に訳詞して披露したりして、音楽家としてのキャリアを積んでいき、妻となるSandra Deeに出会う。
そんな中、あることがきっかけで家族の秘密が明らかとなる。
幼少期にリウマチ熱を患ったことで、心臓病を患い、徐々に彼の身体を蝕んでいく。


キャスト
Bobby Darin Jonathan Groff
Connie Francis Gracie Lawrence
Sandra Dee Erika Henningsen
Siren & others Valeria Yamin, Christine Cornish, Julia Grondin
Polly Walden Michele Pawk
Nina Cassotto, Mary Douvan Emily Bergl
Don Kirshner, Giorgio, Angelo Caesar Samayoa
Murray the K, Ahmet Ertegun Lance Roberts
Charlie Maffia, Steve Blauner Joe Barbara



感想
大好きな劇場の一つであるCircle in the Squareで上演されている『Just in Time』は、トニー賞を個人で受賞し脂ののり切ったJonathan Groffのshowmanshipを存分に堪能できる作品となっていました。Jonathan Groff好きは必見。作中で描かれるボビー・ダーリンという名に聞き覚えがなかったとしても、スタンダードナンバー化された楽曲の数々はどこかで聞いたことがあるはずです。
▼trailer
相当な人気でしたので、値崩れすることはなく、数ヶ月前の遠征の際に劇場で購入しておきました。220ドル程度。早起きできればrush ticketに挑戦するのも良さそうです。
▼開演前



Circle in the Squareは楕円形のアリーナ型の劇場ですが、今回のプロダクションでは座席の1/3程度が舞台となり、通常舞台となっている箇所にテーブル席が配置されたキャバレースタイルとなっていました。開演前から青い照明でムードたっぷりな空間でimmersive感が強かったです。
実際に観てみるとジョナサン・グロフありきの舞台構成になっていました。冒頭で「I'm Jonathan. I'm your Bobby Darin tonight.」と自己紹介し、「I'm sweaty person, you know.」という自虐ジョークもかましていました。これはJonathanが歌唱やパフォーマンスをする時にいつも大量の唾液や汗が飛び散ることから来ています。本当の彼のファンはむしろJonathanからのsplashを浴びに行っているんですけれどね。これは劇中に登場する「splish splash」という楽曲ともかかっていて面白かったですね。
Jonathan演じるBobbyが自分の人生を語っていくスタイル。彼の周囲にはコロスがいて、バックダンサー/シンガーとして支えていました。Jonathanはテーブル席のテーブルの上に乗ってみたり、客席の階段を駆け上がって客に絡んでみたり、とにかく舞台や客席を縦横無尽に飛び回っていました。
▼「Mack the Knife」
物語としてはボビーの天賦の才能、恋、家族との関係、病気、と綴られ、家族の秘密についてはハッとさせられましたが、その他はよくある流れではありました。しかし、それを上回るほど耳に馴染みやすいナンバーの数々がジョナサンの渾身のパフォーマンスとビッグバンドの迫力ある演奏で綴られ、ラストではメガミックスで大団円を迎え、最後まで飽きずに楽しむことができました。
ボビーの初恋の相手であるコニー・フランシスを演じたGracie Lawrence。アーティストとして知られている彼女ですが、長年の夢だったというブロードウェイ・デビューを今回果たしました。びっくりするほどの歌唱力でしたね。圧倒的でした。トニー賞個人ノミネートは妥当だったと思います。