ミュージカルは終わらない Musicals won't be over.

舞台ミュージカルを中心とした、ミュージカル映画、演劇、オペラに関するブログ https://linktr.ee/nyny1121

『The Last Five Years』2025.5.4.19:00 @Hudson Theatre

f:id:urara1989:20250601225752j:image

『The Last Five Years』とは

2002年オフ・ブロードウェイで初演されたミュージカル。

作詞・作曲・脚本はJames Robert Brown。

1幕構成。

今回は2025年にブロードウェイで上演されたプロダクションを観劇した。

演出はWhitney White。

f:id:urara1989:20250601225807j:image

あらすじ

大学を卒業し小説を書くJamieと女優を目指すCathyの5年間の恋愛。

JamieはCathyとの出会いから、CathyはJamieとの別れの場面から、それぞれ交互に描かれる。

キャスト

Jamie    Nick Jonas

Cathy    Adrienne Warren


f:id:urara1989:20250601225829j:image

f:id:urara1989:20250601225832j:image

感想

『The Last Five Years』がブロードウェイで上演されるのは今回が初めてということです。ジョナス・ブラザーズのNick Jonasと『Tina』でトニー賞ミュージカル主演女優賞を受賞したArienne Warrenが主演ということで話題になりました。キャストが2人の小作品なので、ブロードウェイでの大きな劇場でどのように構成されるのか気になっていました。

▼PV


www.youtube.com

▼「Moving Too Fast」「I Can Do Better Than That」


www.youtube.com

チケットはTKTSで購入しました。オーケストラ席センター前方で70ドル台と、近年稀に見るお手頃価格。最初the best seat availableと伝え、90ドルの席を紹介されたのですが、「1列後ろだと70ドル台だよ」とスタッフさんに教えてもらい変更しました。ありがとうございました。

▼開演前

f:id:urara1989:20250601225844j:image
f:id:urara1989:20250601225853j:image

元々、オフのプロダクションではほとんど舞台装置のないステージで2人のパフォーマンスのみで魅せていくのが売りで、特に初演の時はJamieは最初から、Cathyは最後から、交互に時系列が変わっていることも観客には明かされずに物語が始まり、この時系列の入れ違いがこの作品の一番の売りでもあったわけです。今回のプロダクションでは冒頭から、緞帳に「her ending, his beginning」と書かれていて、私は「え?早速ネタバレしちゃっていいの?」と思ってしまいました。すでに映画版の作られ、作品について周知されつつあるので、まぁいいのかもしれませんが。あるいはミュージカルには無関心のニック・ジョナスのファンの方への配慮なのかもしれません。

また、オリジナルの時は2人の視線が合うのは中盤の結婚式のシーンのみだったと思いますが、今回は何度も視線が合っていました。

バンドは下手の壇上に鎮座し、ソファーやシャンデリア、といったセットが置かれていました。やっぱり作品のサイズがオン・ブロードウェイ向けではないので、空間をうまく活かしきれていないと感じました。

今回の観劇を決意した理由はAdrienne Warrenを観たかったからというのが一番大きいです。『Tina』の時は彼女がお休みの日だったので、liveで観るのは今回が初めて。全体を通して観客が沸いたのは「Summer in Ohio」と「I Can Do Better Than That」でした。いずれもCathyのナンバー。Cathyは最初別れのシーンから始まり、落ち込んでいるところから最後は出会ったばかりの明るくなる変化が表情とともに声量の変化で表現されていて、とても良かったです。Adrienne Warrenほど歌える人がオハイオのシアターのオーディションで四苦八苦している様子を、敢えて本来の歌唱を抑え気味にして表現していました。

それにしても、Hudson Theatreは広かったです。もちろん部分的にAdrienneの圧倒的な歌唱に盛大な拍手や歓声が上がっていましたが、残念ながら2人のパフォーマンスは観客の心を強く動かすほどのものにはなっていませんでした。やはり何でもかんでもブロードウェイで上演するのを目指すべきではないと改めて思いました。小さい箱が似合う作品はあるべき場所で愛され続けるべきです。

私の前の席にダブルデートで来たと思われる男女2組が座っていて、私は「デートでこの作品を観ちゃだめ!まだ間に合うから急いで隣のBelasco Theatreに行って『Maybe Happy Ending』を観て!」と内心叫んでいました。おそらくニック・ジョナス目当ての彼女たちに引き連れられて来たらしい男性たちは、観ている途中で「これはまずい…」と思ったのか、2人揃って退席していました。その後のことは知る由もありません。『The Last Five Years』はデートで選んではダメです絶対!!観終わった後、気まずくなること必至。チケット販売サイトでも注意喚起しておいた方が良いかと思われます。

Adrienneを観られて、通常300ドル以上する席を破格の価格で入手できたことから、まずまず満足して劇場を後にしましたが、時間がなければスキップしても良かったなと正直思いました。

▼カーテンコール

f:id:urara1989:20250601225916j:image

▼終演後

f:id:urara1989:20250601230003j:image