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『Pirates! The Penzance Musical』2025.5.4.15:00 @Todd Haimes Theatre

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『Pirates! The Penzance Musical』とは

1879年にニューヨークでプレミア上演されたコミック・オペラ『The Pirates of Penzance』を基本とし、舞台設定をイギリスからアメリカ、ルイジアナ州ニューオーリンズに変更し、ジャズ調に編曲してイメージを一新し、2025年にブロードウェイで再演されたミュージカル。

作曲はアーサー・サリヴァン、作詞はウィリアム・S・ギルバート。

Rupert Holmesによって、上記の通り改変された。

演出はScott Ellis。

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あらすじ

Frederickは勘違いから海賊の見習いをしているが、いままさに奉公期間を終えるところだった。

Frederickは乳母のRuthしか女性を見たことがなく、Stanley将校の娘Mabelと出会った時にすぐに恋に落ちる。

他の海賊たちもやってきて、将校の他の娘たちに言い寄り、結婚を持ち掛ける。

将校は独りで過ごさなければならなくなるので娘たちを連れて行かないでほしいと海賊に頼み、海賊たちは娘たちを解放する。

そのうちに警察たちが海賊を逮捕しようと集まるが、将校の娘たちは海賊たちがどれだけ危険か訴え、警察は退散する。

Frederickは21歳になり、海賊見習いを終える予定だったが、誕生日が2月29日だったことから、まだ誕生日が21回巡ってきていないと指摘され、まだ奉公を続けなければならないと言われてしまう。

はたしてFrederickはMabelと結婚できるのか。

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キャスト

William S. Gilbert / Major-General Stanley    David Hyde Pierce

Pirate King    Ramin Karimloo

Frederic    Nicholas Barasch

Arthur Sullivan / The Sergeant of Police    Preston Truman Boyd

Mabel Stanley    Samantha Williams

Ruth    Jinkx Monsoon

Pirates / The New Orleans Colunteer Police    Rick Faugno, Tommy Gedrich, Alex Gibson, Dan Hoy, Ryo Kamibayashi, Nathan Lucrezio, Tyrone L. Robinson

General Stanley's Daughters    Kelly Belarmino, Cicily Daniels, Ninako Donville, Afra Hines, Tatiana Lofton, Shina Ann Morris, Bronwyn Tarboton

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感想

ギルバート&サリヴァンの作品群については様々な文献で読んだことはありましたが、実際のパフォーマンスを観たのは今回が初めてでした。各紙で良いレビューが並んでいたので、期待をして劇場に向かいました。

▼footage


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チケットはTKTSで買えばいいかなと思っていたのですが、遠征の直前にネットで確認したところ、予定の日程では残席が5席以下だったので、急いでその場で購入しました。オーケストラ下手サイド、200ドル弱だったと記憶しています。

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今回の遠征で観た中で、実はこのプロダクションが1番面白かったかもしれません。肩に力を入れずに楽しむことができました。今回はオリジナルの設定ではイギリスであるところをニューオーリンズに舞台を移し、それに合わせて編曲も全体的にジャズっぽくなっていました。さらに、オリジナルであったキャラクターを部分的に削除したようです。そのためコミック・オペラというよりミュージカル・コメディとして仕上がっていました。後日、別作品のためにTKTSに並んでいた時、前にいらっしゃった90代のおじいさまとお友達になったのですが、彼の意見は「オリジナルに慣れ親しんでいるので、改変するなんてダメだ!」ということでした。私個人としてもリバイバル作品の脚本やセリフを変えるのはオリジナルへのリスペクトに欠けると思うのですが、今回はそれが絶妙に成功していて、硬くなりがちな古典作品がリニューアルされ、親しみやすいミュージカルになっていたと感じました。

日本でもファンが多いラミン・カリムルーが海賊王を好演していました。持ち前のタトゥーがまさに映える配役ですね。ラミンが舞台を縦横無尽に暴れ回り、やんちゃに筋力自慢の数々を披露していました。

ルース役がMTFの女優のジンクス・モンスーン。彼女はFrederickが美人だと思い込んでいる乳母役を演じていました。

その他に、海賊の中には日本人のRyo Kamibayashiが出演していました。海賊は世界各国から集まっている設定で、途中で各国の言葉でPirate Kingと呼ぶ場面があるのですが、そこで「KAIZOKUOU」と叫んでいました。Frederickのunderstudyも兼ねているようです。

David Hyde Pierceが将校役でした。彼は「I Am the Very Model of a Modern」という早口の歌を見事に歌い上げていました。この曲の時はとても盛り上がっていました。

プロジェクション・マッピングなど最新技術に頼りがちなプロダクションが多いですが、今回は海賊船やニューオーリンズの街並みなど、舞台装置の作り込みが昔ながらであった点も良いと思いました。

▼カーテンコール

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▼終演後

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