
『Tammy Faye』とは
2022年にロンドンで初演された後、2024年にブロードウェイで初演されたミュージカル。
1970年代に自身のテレビ番組を持つなどして名を馳せたアメリカの宗教家タミー・フェイの人生をもとにしている。
作詞はJake Shears、作曲はElton John、脚本はJames Graham。
長年改修工事をしていたPalace Theatreの柿落としとして上演されたが、開幕後、1ヶ月持たずして閉幕となった。
演出はRupert Goold。

あらすじ
大腸癌と診断されたTammy Faye Messnerは、自身の人生を振り返る。
信仰に魅せられた彼女は、宗教家としての道を歩き始める。
夫となる牧師Jim Bakkerとともにテレビ番組をもち、その影響力は徐々に広がっていく。
一躍、時代の寵児となったTammyだが、その陰で孤独を抱えていた。

キャスト
Tammy Faye Messner Katie Brayben
Jim Bakker Christian Borle
Jerry Falwell Michael Cerveris
Oral Roberts / Reggie / Steve Pieters / Charles Shepherd Charl Brown
Billy Graham / Larry Flint / Pontius Pilate / Judge Mark Evans
Paul Crouch / Ally the Alligator / Colonel Sanders Nick Bailey
Ted Turner / Pat Robertson / The Pope Andy Taylor
Jimmy Swaggart / Archbishop of Canterbury / Ronald Reagan Ian Lassiter
Jan Crouch / Susie Moppet / Lori Beth Allison Guinn
John Fletcher Raymond J. Lee
Nurse / Receptionist / Announcer / Jessica Hahn Alana Pollard

感想
『Sponge Bob』以降、工事中だったPalace Theatreが、改修工事を経て蘇りました。その新たな幕開けとして上演されたのがミュージカル『Tammy Faye』。事前にタミー・フェイに関する映画を観た時は、宗教に馴染みのない身からすると、いまいちピンと来なかったのですが、エルトン・ジョンが音楽を手掛けた新作ミュージカルということで楽しみにしていました。観劇日の2024年11月末の時点で、すでに閉幕が決定しており、プレビュー24公演、本公演29公演のフロップとなりました*1。
▼trailer
▼本作について語るElton John
▼開演前

▼休憩中

ロンドン公演では個人でオリヴィエ賞を受賞し、ブロードウェイ公演でも引き続きTammy役を好演したKatie Braybenの放つエネルギーは凄まじく、だからこそ最後まで観られたと思います。芸達者なChristian Borleは、今回はあくまでTammyの引き立て役に徹する形。さらに、アンサンブルによるシンクロしたエネルギー消費量の多いダンスも見どころでした。エルトン・ジョンの楽曲は、名曲揃いというわけではありませんでしたが、数曲はキャッチーで忘れ難いものがありました。
▼「The Light of the World」
小さなマスで構成された背景はカラフルなライティングが目を惹き、タミーがテレビ番組を持った時にはテレビ画面として、舞台上で撮影されたものがリアルタイムで映し出されました。舞台下からせり上がる装置など、相当な資金が投資されたであろう舞台装置。
まずまず成功したロンドン公演では小さめの劇場だった一方で、ブロードウェイではPalace Theatreという大きいサイズの箱で上演したことがうまくいかなかった原因ではないかと言われていますが、果たしてどうなのか。個人的に物語が好みではないということを差し引くと、キャスティングもよく、ミュージカル的見せ場もあり、まずまずだったのではないかと私は思います。ただし、トランプ政権が誕生した直後のニューヨークで、アメリカ人が感謝祭のシーズンに好んでこの作品を選ぶかというと、疑問が残ります。
▼「Empty Hands」